【エプソムC】別定戦で斤量加増なしの4、5歳馬が断然 東大HCの本命はサイルーン

東大ホースメンクラブ

2024年エプソムCに関するデータ,ⒸSPAIA

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春の東京ラスト重賞

東京競馬場でGⅢ・エプソムCが行われる。ダート路線改革の影響で今年からユニコーンSの時期が変わったことで、このレースが春の東京開催最後の平地重賞となる。

今回はセントライト記念で同期の皐月賞馬を破ったレーベンスティール、二度目の屈腱炎からの復帰戦となるヴェルトライゼンデ、中京記念覇者のセルバーグといった重賞ウイナーの他、連勝中のサイルーンら前走で3勝クラスを勝利した上がり馬4頭が出走予定だ。果たしてどの馬が先頭でゴール板を駆け抜けるのか。今週も過去10年データから検討する。

実績ある2頭に厳しいデータ

エプソムCの斤量別成績,ⒸSPAIA


<エプソムC 斤量別成績>
別定加増なし【10-7-7-110】勝率7.5%/連対率12.7%/複勝率17.9%
→4、5歳馬【9-7-5-54】勝率12.0%/連対率21.3%/複勝率28.0%
別定1キロ増【0-2-2-10】勝率0.0%/連対率14.3%/複勝率28.6%
別定2キロ以上増【0-1-1-10】勝率0.0%/連対率8.3%/複勝率16.7%

今回最も重要な争点は、実績馬レーベンスティール、ヴェルトライゼンデの取り扱いだろう。別定戦の今レースでは斤量差があり、特にレーベンスティールは59キロ。これがどこまで影響するか。表に示した通り、過去10年の勝ち馬はいずれも別定による加増がなかった馬。また好走例の多くは4、5歳馬であり、過去3年はこの2点を満たした馬が1~3着を独占している。

一方で斤量を加増された馬の成績は芳しくない。連対率、複勝率は低くないが、このグループは重賞実績がある馬という前提を思えばかなり厳しいデータ。軸としては推奨できない。昨年もインダストリアが58キロで2番人気7着に敗れた。今年のレーベンスティールはそれよりも重く、他馬とは2キロの差。近2走大敗している本馬に試練となる。

また、ヴェルトライゼンデの方にも7歳以上【0-0-1-43】のデータが立ちはだかる。唯一の好走例は14年のダークシャドウ。4歳時に天皇賞(秋)でトーセンジョーダンの2着、レコードを更新する時計で走破した実績があった。ヴェルトライゼンデは東京芝2400mGⅠで3着が2度。これをどう見るかがポイントだ。

人気通りの決着?

エプソムCの人気別成績,ⒸSPAIA


<エプソムC 人気別成績>
1~3番人気【6-3-3-18】勝率20.0%/連対率30.0%/複勝率40.0%
4~6番人気【3-4-5-18】勝率10.0%/連対率23.3%/複勝率40.0%
7番人気以下【1-3-2-94】勝率1.0%/連対率4.0%/複勝率6.0%
<エプソムC 良馬場での人気別成績>
1~3番人気【4-3-1-7】勝率26.7%/連対率46.7%/複勝率53.3%
4~6番人気【1-2-3-9】勝率6.7%/連対率20.0%/複勝率40.0%
7番人気以下【0-0-1-53】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率1.9%

エプソムCは10年中9回を5番人気以内の馬が勝利。該当馬をベタ買いしても単勝回収率はプラス域だ。ただし、4番人気【1-2-2-5】、5番人気【2-1-1-6】と上位人気と変わらない成績であり、3番人気以内だけで決着した年はない。上位人気を中心に、中位人気を相手に組み込むのが基本戦略となりそうだ。

良馬場だとこの傾向がさらに際立つ。3番人気以内は半数近くが連対する一方で、7番人気以下は馬券圏内すら前述のダークシャドウのみ。穴馬狙いは得策でない。良馬場での5回中、3連複が最も高配当となったのは21年の130.9倍であり、15年には同7.9倍、3連単でも27.5倍という堅い決着があった。今年は21年以来の良馬場施行が予想される。3連系の馬券を組むなら点数には注意したい。

3連勝で初重賞制覇へ

◎サイルーン
4走前から連対を外しておらず、現在2連勝中。2走前にはマイルの舞台で桜花賞3着馬ペリファーニアを下し、前走はトップハンデで快勝。その前走では以前敗れたコントラポストにリベンジも果たした。勝ち時計1分32秒9も優秀な部類だ。1勝クラス突破以降、東京コースでの勝利はないが、ここ2戦は上がり最速を出しており、今の状態なら問題ないだろう。初の重賞挑戦となるが、3連勝は現実的と考える。

◯ヴェルトライゼンデ
4歳1月まで重賞未勝利ながら2着4回3着1回と好走。その後は屈腱炎で1年休養した後に重賞2勝、ジャパンC3着と実力は落ちなかった。今回も1年の休養明けとなる。7歳である点や、久々の1800m戦への対応など不安材料も多いが、一昨年の鳴尾記念のような復活劇の可能性も十分ある。戸崎圭太騎手は過去10年の本レース【2-1-1-5】と好成績を残している。

▲ラケマーダ
前走の分倍河原Sは勝ち時計1分32秒5。この数字は同日のNHKマイルCに0秒1劣るだけの優秀なもの。関西所属ながら直近2勝は東京で挙げていてコース適性は問題ない。ただ2走前にサイルーンに敗れている点を考慮し、▲評価とした。

以下トゥデイイズザデイ、ニシノスーベニアに印を回す。馬券は◎軸、◯以下相手の3連複とする。

▽エプソムC予想▽
◎サイルーン
◯ヴェルトライゼンデ
▲ラケマーダ
△トゥデイイズザデイ
×ニシノスーベニア

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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