【安田記念】ソウルラッシュ、ナミュールは消し ハイブリッド式消去法
久保田大五郎
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5つのデータから絞れた馬は?
先週のダービーは皐月賞馬ジャスティンミラノを消し、レガレイラ、アーバンシックら5頭の馬連と3連複ボックスで勝負したが、結果はご存じの通り。かすりもしないとは正にこのことで、オークスからの連勝とはならなかった。
今週は6月2日に東京競馬場で行われる安田記念を予想する。過去10年のデータから複勝率10%未満の凡走データを5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去する。
『前走5番人気以下(※海外除く)』×『マイルGⅠ未勝利』 ★2.2%★
まずは前走人気に着目する。安田記念好走馬の大半は「前走4番人気以内」もしくは公式な人気データがない「前走海外」からの臨戦だった。前走が国内のレースで5番人気以下なら【0-2-1-58】(複勝率4.9%)と苦戦を免れ得ない。特に「マイルGⅠ未勝利馬」に限ると【0-0-1-45】(同2.2%)で連対すらなかった。
今年もこの凡走データに該当する馬が多く、一気に絞り込める。フェブラリーS2着からの変則的なローテで臨むガイアフォースなど7頭が消去となった。
【今年の該当馬】
・ウインカーネリアン
・エアロロノア
・カテドラル
・ガイアフォース
・ジオグリフ
・ステラヴェローチェ
・ドーブネ
『前走0.5秒差以上で負け』×『前走初角9番手以下』 ★0.0%★
続いては前走の着差と位置取りから。「前走0.5秒差以上」で敗戦を喫した馬は【1-1-3-41】(複勝率10.9%)。よくはないが反撃が全くないわけでもない。ただし、このうち「前走で初角9番手以下」だと【0-0-0-18】と馬券に絡めていなかった。後方から運び、上位に迫ることもなくゴール、というレースをしてきた馬は振るわない。
新たに3頭が消去対象となる。ヴィクトリアマイル8着のナミュールはかつて連戦を苦にしていた馬。古馬になって多少は克服した感もあるが、とはいえドバイ遠征からヴィクトリアマイル、さらに中2週で安田記念というローテはさすがに厳しいように思う。
【今年の該当馬】
・(エアロロノア)
・(カテドラル)
・コレペティトール
・ダノンスコーピオン
・ナミュール
『父ミスタープロスペクター系』×『非社台系生産馬』 ★0.0%★
3つ目のデータは血統。「父ミスタープロスペクター系」の【0-1-2-29】(複勝率9.4%)という不振に注目しよう。好走馬はアーモンドアイ(2回)とレッドファルクスだけで、どちらも「社台ノーザンファーム系」の生産馬。ちなみにGⅠ馬でもある。反対に、生産者がいわゆる「非社台系」だと【0-0-0-19】と結果が出ていない。
ここではルーラーシップ産駒のソウルラッシュが新たに消去された。実際、この馬自身が安田記念では13、9着と相性の悪さを体現してしまっている。近走の結果はいいが、それは中山や京都、シャティンでの話。東京適性が上がったわけでもないのに人気になるなら旨味はない。
【今年の該当馬】
・ソウルラッシュ
・(ダノンスコーピオン)
『牝馬』×『前走時馬体重減』 ★0.0%★
今度は性別データから。このレースでは牝馬が【3-4-1-12】(複勝率40.0%)と活躍している。ただし中身はアエロリット、アーモンドアイ、グランアレグリア、ソングラインの4頭が2度ずつ好走しているだけ。いずれも対牡馬のGⅠで勝利、または僅差の2着歴がすでにあった馬たちなので、別に牝馬が「有利」というわけではない。
牝馬のうち「前走時に馬体重が減っていた馬」は【0-0-0-8】。内訳はほぼヴィクトリアマイル組だった。春の大目標に向けてきっちり絞って作れば、中2週、相手強化の安田記念で苦戦するのは当然のことだろう。
ここではヴィクトリアマイルに前走比マイナス8キロで出走したフィアスプライドが脱落する。臨戦過程が厳しい上に、まず今回の相手では敷居も高い。
【今年の該当馬】
・フィアスプライド
『6歳以上』×『馬番1~5番』 ★0.0%★
4つの項目を終えた時点で残っているのは6頭。最後は年齢と枠順を絡めたデータを取り上げる。
「6歳以上」の高齢馬は【2-3-4-60】(複勝率13.0%)で、このGⅠに限った話でもないがやや苦戦傾向にある。内枠時の成績が特に悪く、「馬番1~5番」を引いてしまうと【0-0-0-20】で掲示板にすら載れていない。
残っている6歳以上馬は香港からの2頭だけ。ロマンチックウォリアーはシャティンの地で日本の強豪を再三返り討ちにしてきた名馬だが、あくまで主戦場は2000m。マイルで内枠を引いてしまうと位置取りが難しくなることは否めない。
【今年の該当候補】
・ロマンチックウォリアー
・ヴォイッジバブル
全ての条件を終えて確実に消去を免れたのはエルトンバローズ、セリフォス、パラレルヴィジョン、レッドモンレーヴの4頭。香港馬2頭も極端な内枠を引かなければ残り、最大6頭で勝負することになる。
なかでも注目はレッドモンレーヴ。京王杯SCではレース上がりを1.7秒も上回る32.2秒の鬼脚を発揮した。この上がりタイムは東京芝1400mの歴代最速記録であり、軽い馬場での切れ味ならGⅠに混じっても見劣りしない。
券種は最終的な頭数にもよるが、3連複ボックスを基本とし、4頭となった場合だけは馬連も押さえようと思う。
《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴13年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮崎敏郎。
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