【オークス】直近15年で7勝の「桜花賞馬」 好データ揃うステレンボッシュが二冠達成だ
門田光生
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前走勝ち馬が好走傾向
2024年5月19日に東京競馬場で行われる第85回オークス。近4年で、実に3頭が桜花賞から連勝して二冠を達成。この時期の3歳牝馬は、距離適性は関係なく絶対的な能力でねじ伏せることができるのかもしれない。今年も二冠馬が誕生するのか、それとも新たなスターが台頭するのか注目だ。
そんなオークスにはどのような特徴があるのか。今回も過去15年のデータを参考にして検証していきたい。なお、2010年に1着同着が出ているので、1着馬16頭、2着馬14頭となっている。
☆所属
美浦所属馬が7勝(14連対)、栗東所属馬が9勝(16連対)。複勝率で栗東所属馬が少しリードしているぐらいで、ほぼ互角といっていい。近5年も同様の数字だが、3着馬はすべて栗東所属馬だった。
☆キャリア
1着馬の最少キャリアは3戦、最多は8戦。キャリア7戦の組から勝ち馬は出ておらず、キャリア8戦の組も勝ち馬こそ出ているが(2011年エリンコート)、連対したのは1頭だけ。またキャリア2戦、もしくは9戦以上は1頭も馬券に絡んでいない(今年は該当馬なし)。最も連対しているのはキャリア4戦と5戦で、各10連対。連対率も良く、この2つが好走パターンとみたい。
☆前走クラスと主な前走
勝ち馬が出ているのは、OP・L、GⅠ、GⅡ組。OP・Lはすべて忘れな草賞で、GⅠは桜花賞、GⅡはフローラS。つまり、この3レースからしか勝ち馬が出ていないことになる。2着馬も上記の3レースでほとんど占められており、ほかにはスイートピーS(L)とフラワーCから1頭ずつ出ているだけだ。
☆前走着順
前走1着馬が11勝、2着6回。勝率、連対率も良く、この項目はクリアしておきたいところ。桜花賞組以外のオークス馬は5頭中4頭がこの条件に該当していた。また、桜花賞組以外のオークス2着馬も、7頭中5頭が前走1着だった。そのほか前走4着以下は【1-3-5-115】勝率0.8%、複勝率7.3%と好走率が著しく低かった。
☆前走馬体重
前走時に490キロ以上あった馬で連対したのは、2018年リリーノーブル(496キロ)だけ。前走馬体重が420キロ以下、もしくは500キロ以上の馬から連対馬は出ていない。
☆誕生月
5月生まれから勝ち馬が出ておらず、6月生まれは馬券に絡んでいない。遅生まれの馬は割引となる。
☆その他
そのほかで気になったデータを挙げていく。まず前走人気。2番人気以内に支持されていた馬が13勝と強さを見せている。続いて前走タイム差。1秒以上の差で負けた馬から連対したのは1頭だけ。最後に毛色。個人的に大好きな芦毛だが、過去15年で連対した馬は残念ながらいない。
桜花賞馬が強い ステレンボッシュが二冠達成
オークスの傾向をまとめてみよう。
【好走率アップ】
A「キャリア4、5戦」
B「前走1着」
C「前走2番人気以内」
【好走率ダウン】
D「前走4着以下」
【勝ち馬なし】
E「キャリア7戦」
F「前走がスイートピーS(L)かフラワーC」
G「5月生まれ」
H「前走が1秒以上の負け」
【連対馬なし】
I「前走が桜花賞、フローラS、忘れな草賞、スイートピーS(L)、フラワーC以外」
J「前走馬体重が420キロ以下、もしくは500キロ以上」
K「芦毛」
今回、すべてのプラスデータを満たして、マイナスデータを持たない馬はアドマイヤベル、ステレンボッシュ、タガノエルピーダの3頭。順にフローラS、桜花賞、忘れな草賞の勝ち馬である。
過去15年のオークス馬の成績を調べると、桜花賞馬が7勝、フローラS1着馬が1勝、そして忘れな草賞1着馬が3勝。冒頭で、近4年で3頭が二冠達成と書いたが、過去15年でも7頭が二冠。ほぼ半分近くが二冠を達成していることになる。
桜花賞馬が出てくれば逆らえない、この傾向がしばらくは続きそうである。というわけで、桜花賞馬ステレンボッシュを本命としたい。次点だが、忘れな草賞とオークスの関連性の高さは以前から有名。ということで、その勝ち馬タガノエルピーダが2番手でいいだろう。ただ、直近で忘れな草賞→オークスと連勝した2019年(ラヴズオンリーユー)は、桜花賞馬が出走していなかった。よって、逆転までは微妙という評価だ。
フローラSの1着馬は、2010年サンテミリオン(1着同着)以来勝っていない(2021年の勝ち馬ユーバーレーベンはフローラSで3着)。◯からも少し離れた3番手でよさそうだ。
二冠馬が高確率で出ているからといって、オークスが荒れないレースかといえば、そういうわけではない。過去15年で、5番人気以下で馬券に絡んだ馬は16頭もいる。これらに何か傾向はないか調べてみると、まず前走1着馬が8頭、フローラS組が8頭、前走馬体重460~480キロが8頭、そしてキャリア4戦の馬が6頭だった。
この4つの項目のうち、最多の3つに該当するのがエセルフリーダ(既出馬は除く)。連対馬が出ていないI「前走が桜花賞、フローラS、忘れな草賞、スイートピーS(L)、フラワーC以外」に当てはまるが、2021年に16番人気で3着に突っ込んだハギノピリナも、前走で1勝クラスを勝っての参戦だった。3連系の馬券なら可能性はあるとみる。
◎ステレンボッシュ
◯タガノエルピーダ
▲アドマイヤベル
△エセルフリーダ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
ケンタッキーダービーでフォーエバーヤングが3着と大健闘。日本馬が勝つのは凱旋門賞の方が早いかと思っていましたが、自分が元気なうちにケンタッキーダービー馬が誕生するかも、という期待を抱かせてくれましたね。
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