【ヴィクトリアマイル】ウンブライル、モリアーナは消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

過去10年のヴィクトリアマイル『前走8着以下』かつ『近1年以内にGⅠ連対なし』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

NHKマイルCは結局騎手の乗り替わりでアスコリピチェーノも消去対象となり、ディスペランツァを軸とした流し馬券で勝負したが……。無念の「消消消」決着であえなく惨敗となった。意気消沈。こういう日もあると割り切るしかない。

気を取り直して、今週は5月12日に東京競馬場で行われるヴィクトリアマイルを予想する。過去10年のデータから複勝率10%未満の凡走データを5つピックアップし、条件に当てはまった馬を消去する。

『前走8着以下』×『近1年以内にGⅠ連対なし』 ★0.0%★

まずは無難に、前走着順が悪かった組にロックオン。ヴィクトリアマイルにおいて前走8着以下だった馬の成績は【5-0-1-50】(複勝率10.7%)とそれなりに巻き返しが見られる。しかし好走6頭の内訳はヴィルシーナ、ストレイトガール(2回)、アーモンドアイ、ノームコア、ソングラインと既にGⅠ戦線で活躍していた馬ばかり。直近1年以内(※前年ヴィクトリアマイル含む)にGⅠで連対がなかった馬は【0-0-0-41】と厳しい数字だ。これを最初の凡走データとして採用する。

今年は6頭が消去対象となった。スタニングローズやライラックといった実績馬も混じったが、どちらもマイルが合うとは思えない中距離タイプ。心置きなく消してしまおう。

【今年の該当馬】
・キタウイング
・サウンドビバーチェ
・スタニングローズ
・フィアスプライド
・ライラック
・ルージュリナージュ

『阪神牝馬S組』×『前走馬体重470キロ以上』 ★0.0%★

続いて、6頭が出走する阪神牝馬S組について見ていく。前走が阪神牝馬Sだった馬は【4-3-4-57】(複勝率16.2%)。抜群にいいわけでもないが、前哨戦として最低限は機能している。ところが、阪神牝馬Sに470キロ以上で出走していた馬は【0-0-0-19】で、何故か大型馬はこのローテでの好走がなかった。

ここで新たに2頭が消える。ウンブライルもモリアーナも前走は外が伸びる馬場に乗じた面があり、後追いするのはあまり味がない。

【今年の該当馬】
・ウンブライル
・モリアーナ

『非・社台ノーザン系生産馬』×『前走で連対』 ★3.2%★

3つ目は「生産者」を切り口にする。このレースにおいて、生産がいわゆる「非社台系」の馬は【2-3-3-74】(複勝率9.8%)とやや苦戦傾向にある。不思議なことにその好走例の大半は前走で3着以下に敗れていたグループから出ており、前走2着以内は【0-1-0-30】(同3.2%)とむしろ減点要素になってしまう。

今年の該当馬は2頭。中山牝馬Sの勝ち馬コンクシェルは前走が昇級初戦でハンデ53キロと恵まれ、展開的にも前後半49.6-47.5というスローで逃げた利があった。さらなる相手強化で定量のGⅠとなると荷が重いだろう。

【今年の該当馬】
・コンクシェル
・フィールシンパシー

『4歳』×『前走5番人気以下』 ★4.5%★

今度は年齢別データから。ストレイトガールの6、7歳連覇など高齢馬の活躍も目立つヴィクトリアマイルにあって、実は最も回収率が低いのは4歳馬だ。成績は【3-6-3-61】(複勝率16.4%)と極端に悪くもないのだが、単勝回収率は39%、複勝回収率60%と馬券的な期待値がない。ならばこの中から消せる条件を探ってみたい。

掛け合わせたのは前走の人気。前走5番人気以下の馬に限ると【0-1-0-21】(同4.5%)と振るっていない。これを採用する。

ここで新たに脱落したのは大阪杯9番人気13着だったハーパー。オークス以降は一貫して中長距離を使われてきただけに、マイルに慣れた相手との対戦では分が悪いと判断する。

【今年の該当馬】
・(キタウイング)
・(コンクシェル)
・ハーパー

『単勝オッズ20倍以上』×『栗東所属騎手』 ★0.0%★

4つのデータを終えた時点で残った馬はわずか4頭。先週とは違い、極めて快調に消去が進んできた。このままでもいいくらいだが、最後のひと仕上げと行こう。

ラストは騎手に注目。荒れるレースとして知られるヴィクトリアマイルだが、「単勝オッズ20倍以上」の人気薄を好走させたのはもれなく美浦所属騎手だった。「単勝オッズ20倍以上の馬」に「栗東所属騎手」の組み合わせだと【0-0-0-52】。きれいさっぱり馬券圏外だ。

残っている4頭のうち、栗東所属騎手が騎乗する想定なのは下記の2頭。とはいえナミュールのオッズがそんなにつくわけがなく、事実上は消去回避が確定だ。ドゥアイズの方は当落線上。こちらはギリギリまでオッズを注視する。

【今年の該当馬】
・ドゥアイズ
・ナミュール

全ての条件を終えて確実に消去を免れたのはテンハッピーローズとマスクトディーヴァ。そしてナミュールもほぼ100%残り、ドゥアイズの扱いがオッズ次第となる。

マスクトディーヴァとナミュールについては説明不要だろう。それにテンハッピーローズも侮れない。5走前に上がり32.3秒を叩き出すなど末脚は一級品で、阪神牝馬Sでは文中で触れたウンブライルやモリアーナと対照的に伸びない最内を突いての0.4秒差6着。展開次第で上位に顔を出しても不思議はない。

最大4頭ならシンプルに馬連と3連複のボックスでよかろう。ガチガチの馬連だけでもトリガミにならないよう、予算の傾斜には要注意だ。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴13年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮崎敏郎。

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