【ユニコーンS】京都ダート1900mは逃げ先行馬を狙え 本命は前走逃げて圧勝のムルソー
高橋楓
ⒸSPAIA
今年から東京ダービートライアルにリニューアル
ユニコーンSといえば、第1回からシンコウウインディ、タイキシャトル、ウイングアロー、ゴールドティアラ、アグネスデジタルと毎年のように後のGⅠ馬を輩出した出世レースである。第6回から6月の東京マイルに変更、今年からは大井競馬場で行われる東京ダービーの前哨戦となり、この時期に開催が変更された。今回が移行後初のレースになるということで、当該条件の京都ダート1900mという舞台にスポットをあて、攻略の糸口を見出していきたい。
先行有利なコース
ダートコースは一周1607.6mと大きいように見えるが、直線は329.1mしかない。小回りとよく言われる中山競馬場が308mなので、約20mしか差がない。また4コーナーへかけて坂を下り、平坦な直線へ向くレイアウト。どう考えても逃げ、先行馬が有利で速い決着が多くなっている。事実、それは3コーナー時点からの位置取りの数字にも表れている。
<京都ダート1900mの3コーナー位置別成績>
1番手【37-19-14-111】勝率20.4%/連対率30.9%/複勝率38.7%
2番手【46-33-20-135】勝率19.7%/連対率33.8%/複勝率42.3%
3番手【22-23-29-152】勝率9.7%/連対率19.9%/複勝率32.7%
4番手以下【77-105-119-1415】勝率4.5%/連対率10.6%/複勝率17.5%
(集計期間:2014年1月1日~2024年4月21日 181レース)
3角2番手以内の馬が【83-52-34-246】勝率20.0%、連対率32.5%、複勝率40.7%と好成績を残している。出走馬が確定したら、まずは近走でしっかりと先行できていたか、道中でスッと番手につけられていたかに注目したい。ちなみに登録馬の中で前走3角2番手以内だった馬は下記7頭だ。
・クロドラバール
・スナークラファエロ
・ゼンダンスカイ
・ピュアキアン
・マルチャレアル
・ムルソー
・ラオラシオン
安定感抜群の川田将雅騎手
次に当該コース巧者を探していく。まずは2014年以降に行われた京都ダート1900m戦の成績を振り返っていく。
<京都ダート1900mの騎手ランキング>
第1位 松山弘平【19-12-10-66】勝率17.8%/連対率29.0%/複勝率38.3%
第2位 川田将雅【11-9-11-36】勝率16.4%/連対率29.9%/複勝率46.3%
第3位 和田竜二【10-9-13-84】勝率8.6%/連対率16.4%/複勝率27.6%
第4位 C.ルメール【10-2-5-19】勝率27.8%/連対率33.3%/複勝率47.2%
第5位 幸英明【9-13-7-87】勝率7.8%/連対率19.0%/複勝率25.0%
(集計期間:2014年1月1日~2024年4月21日 181レース)
騎乗予定がある中ではやはり川田将雅騎手から目が離せない。ただ勝率が全体成績に比べ突出していないのが気がかりだ。川田騎手は当該舞台で人気馬に乗るケースが多いが、その中でも先行集団を見ながら進める差し馬に騎乗する機会が多い。同騎手の当該コースでの3コーナー通過時の位置取り(過去10年)は下記のようになる。
<川田将雅騎手の京都ダート1900mの3コーナー位置別成績>
1番手【0-2-1-2】勝率0.0%/連対率40.0%/複勝率60.0%
2番手【3-0-1-5】勝率33.3%/連対率33.3%/複勝率44.4%
3番手【3-0-3-9】勝率20.0%/連対率20.0%/複勝率40.0%
4番手【2-2-2-5】勝率18.2%/連対率36.4%/複勝率54.5%
5番手以下【3-5-4-15】勝率11.1%/連対率29.6%/複勝率44.4%
(集計期間:2014年1月1日~2024年4月21日 181レース)
今回、川田騎手が騎乗予定のムルソーは前走3角1番手。データ的には馬券の軸としては最適か。同騎手を狙うときは、2~4番手をすんなり先行できそうな馬に注目だ。
ドレフォン産駒が複勝率52.9%
正直なところ、出走予定馬の父親欄を見て頭を抱えた。当該コースの上位10頭にランクインしている種牡馬が1頭もいないのだ。そればかりか出走登録馬の父14頭中、当該舞台で勝ち星をあげているのは下記5頭しかいない。
<主な出走予定馬の種牡馬別成績>
ドレフォン産駒【4-2-3-8】勝率23.5%/連対率35.3%/複勝率52.9%
ロードカナロア産駒【4-2-1-10】勝率23.5%/連対率35.3%/複勝率41.2%
シニスターミニスター産駒【3-0-2-18】勝率13.0%/連対率13.0%/複勝率21.7%
ホッコータルマエ産駒【2-3-1-13】勝率10.5%/連対率26.3%/複勝率31.6%
レイデオロ産駒【1-0-0-5】勝率16.7%/連対率16.7%/複勝率16.7%
(集計期間:2014年1月1日~2024年4月21日 181レース)
母数が少ないので何とも言えないが、率だけを見るとドレフォン産駒とロードカナロア産駒はおさえておきたい。ちなみに、出走回数が多い下記の2頭の成績も見ておこう。
キズナ産駒【0-4-4-18】勝率0.0%/連対率15.4%/複勝率30.8%
マジェスティックウォリアー産駒【0-1-1-16】勝率0.0%/連対率5.6%/複勝率11.1%
(集計期間:2014年1月1日~2024年4月21日 181レース)
キズナ産駒は1着がなく2、3着まで。マジェスティックウォリアー産駒はイメージ以上に当該舞台では苦戦している。
川田将雅騎手を信頼して本命はムルソー
本命は近2戦逃げて勝っているムルソーとする。今回はピュアキアンが逃げると予想しているので、番手につければ絶好の位置取りとなる。近2走は上がり3F1位、前々走ではこのコースの未勝利戦を勝っていることもポイントが高い。騎乗予定の川田将雅騎手は、当該コースの複勝率46.3%とハイアベレージだ。騎手の安定感も含め、この馬を本命にしたい。
対抗は逃げ予想のピュアキアン。再三書いてきたが、当該コースは逃げ、先行馬を狙うのがセオリー。となると6戦中、逃げた4回で【2-1-1-0】のこの馬を狙わないわけにはいかない。ここまで全レースで騎乗している吉田豊騎手を背に逃げ残りを期待する。
3番手はラオラシオン。この馬の魅力は操縦性の高さ。動けきたいときに動けるのはこのコースに合っている。前走の伏竜Sで1番人気に応えられなかったお返しを期待したい。
以下、先行しても末脚堅実なエイカイソウル、2戦2勝で能力の高さを見せるドレフォン産駒のミッキーファイトまで印を回しておく。
◎ムルソー
◯ピュアキアン
▲ラオラシオン
△エイカイソウル
×ミッキーファイト
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
サクラローレルの馬体の美しさに魅せられ毎週競馬を見るようになる。他に好きな馬はホクトベガ、サイレンススズカ。一口馬主を趣味とし、楽しさを伝えることにも注力している。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
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