【ドバイWCデー回顧】日本勢の勝利はフォーエバーヤングのUAEダービーのみ ウシュバテソーロは2着でドバイWC連覇ならず
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
UAEダービー 無敗でケンタッキーダービーへ
2022年はシャフリヤール、パンサラッサなど5勝、2023年はイクイノックス、ウシュバテソーロなど3勝と日本馬が大活躍。それだけに今年も牝馬3冠を達成したリバティアイランド、有馬記念を制したドウデュースなど、日本馬への期待は高まっていたが、現実はそう甘くなく、日本馬の勝利はフォーエバーヤングのUAEダービーのみにとどまった。
そのUAEダービーは、スタート直後からJ.オラスコアガ厩舎所属のアウトバーン、オアシスボーイが並んでレースを引っ張り、フォーエバーヤングは5番手の外を追走。同馬は最終コーナーで2番手までポジションを押し上げると、直線残り200mあたりで粘るオートバーンを振り切り2馬身差で優勝、連勝を5に伸ばした。
勝ちタイムは1:57.89。坂井瑠星騎手は「前走よりさらに馬のコンディションが良かったですし、距離も伸びてよりポジションが取りやすかったです。この馬を信頼して、自信持って乗った結果の勝利だと思います。堂々とチャンピオンとしてケンタッキーに向かえる馬ですし、そのために準備をしていきたいです」と語った。
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ブルーバードカップ3着という実績を持つバロンドールは最後方追走から追い上げるも6着。昇竜S2着から挑んだジョージテソーロは8番手のインから運ぶも直線は伸びず10着という結果だった。
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ドバイWC ウシュバテソーロは連覇ならず2着
メインレースのドバイワールドカップは、地元UAE・B.シーマー厩舎のローレルリバーが大外12番ゲートからすんなりとハナを奪うと、後続を引き離して直線に向き、そのまま8馬身半差で勝利。前走ダート1600m・バージナハールを勝利してから距離延長の一戦だったが、そんな心配は無用の走りだった。
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JRAの発売では1番人気に推され連覇を狙ったウシュバテソーロは、最後方追走から懸命に追い込むも、サウジカップで敗れたセニョールバスカドールを捉えての2着が精一杯。後方2頭目を追走したウィルソンテソーロは4着、3番手からレースを進めたドゥラエレーデは5着、C.ルメール騎手の落馬負傷で急遽O.マーフィー騎手に乗り替わったデルマソトガケは6着に終わった。
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ドバイCS リバティアイランドは3着
芝2410mで争われたドバイシーマクラシックは、ポイントロンズデールが逃げる展開を、2番手から運んだゴドルフィンでC.アップルビー厩舎のレベルスロマンスが2:26.72で押し切り。2022年のブリーダーズカップターフを制した実績馬が3度目のGⅠ制覇を果たした。
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2022年の覇者で3番手からレースを進めたシャフリヤールは、コース適性の高さを見せる形で2馬身差の2着。注目を集めたリバティアイランドは7番手追走から直線は外を伸びたが、2着からさらに1馬身遅れた3着まで。リバティアイランドからクビ差の4着にはジャスティンパレス、L.デットーリ騎手に乗り替わったスターズオンアースは8着と伸びを欠いた。
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ドバイターフ ゴール前はマッチレースに
7Rに行われた芝1800mのドバイターフは波乱の決着となった。ゴール前は道中9番手を追走していたフランスのファクトゥールシュヴァルと後方2、3番手の外で脚を溜めていたナミュールによる2頭のマッチレース。これまでマイルGⅠのサセックスS、クイーンエリザベス2世Sで2着と好走実績があったファクトゥールシュヴァルが短アタマ差でドバイターフを制し、GⅠ初制覇を果たした。
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2着ナミュールは香港マイル3着から挑んだ一戦で、日本では7番人気だったが、改めて地力の高さを示した。10番手のインでじっと我慢の競馬をしたダノンベルーガは馬群を捌いて伸びて3着。1番人気の支持を集めて注目されたドウデュースは、直線で進路が開かず、最後は伸びてきたが時すでに遅しの5着。レースの主導権を奪ったマテンロウスカイは直線で失速して15着だった。
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ドバイGS 地元の古豪が波乱を演出
ダート1200mのドバイゴールデンシャヒーンは、9番人気(JRA発売オッズ)で2番手のインでレースを進めた地元UAEの古豪タズが残り250mで先頭に立つと、後方をグングンと引き離して6馬身半差をつける快勝。果敢にハナを奪ったドンフランキーは、最後失速したものの、2着に粘って日本馬最先着を果たした。
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リヤドダートスプリントを制して挑んだリメイクは後方のイン追走から直線外に持ち出して伸びるも、ゴール手前でナカトミに交わされて4着。中団からレースを進めたイグナイターとケイアイドリーはそれぞれ5、9着に終わった。
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ドバイGC タワーオブロンドンが重賞連勝
馬券発売がなかったその他のレースでは、ドバイゴールドカップに出走した日本馬2頭はいずれも先行したが、アイアンバローズ8着、リビアングラスは11着と結果を残せず。勝ったのはA.オブライエン厩舎所属でR.ムーア騎手騎乗のタワーオブロンドン。レースは中団やや後ろから運び、最後は後続に2馬身差をつけて勝利。前走のレッドシーターフハンデに続き重賞連勝を達成した。
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アルクオーツスプリント 香港のカリフォルニアスパングルが勝利
直線芝1200mで争われたアルクオーツスプリントには、日本からは団野大成騎手騎乗のジャスパークローネが参戦。スタートしてすぐに迷いなく、ただ一頭だけ外ラチ沿いに進路を取ったものの11着に敗れた。
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馬場の内からレースを進めた11頭の中から突き抜けたのは、香港のカリフォルニアスパングル。2022年の香港マイルを制するなどマイル路線を中心に使われてきたが、前走芝1400mのクイーンズシルバージュビリーカップから更なる距離短縮にも対応して勝利した。
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ゴドルフィンマイル 伏兵のトゥーリバーズオーバーが勝利
今年は日本馬の出走がなかったダート1600mのゴドルフィンマイルは、前走サウジカップで3着に入ったサウジクラウン、連覇を狙うアイソレートに注目が集まった。しかし、勝利したのはアメリカから参戦したトゥーリバーズオーバー。重賞実績はGⅡサンパスカルS4着のみと、実績は乏しかったが好位追走からゴール前の混戦を差し切った。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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