【中山記念】安定した先行力を評価 東大HCの本命はエルトンバローズ
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春の中山開幕を飾るGⅡ
今週日曜日、中山競馬場でGⅡ・中山記念が行われる。皐月賞馬ソールオリエンス、毎日王冠を制しマイルCSでも4着に入ったエルトンバローズ、本レース3度目の制覇を狙うヒシイグアス、中山金杯3着のマイネルクリソーラなどが出走予定。過去10年のデータを参考に、馬券戦略を検討していく。
前残り傾向強い
<中山記念・脚質別成績>
逃げ【1-0-3-6】勝率10.0%/連対率10.0%/複勝率40.0%
先行【8-5-3-19】勝率22.9%/連対率37.1%/複勝率45.7%
中団【1-4-4-30】勝率2.6%/連対率12.8%/複勝率23.1%
追込【0-1-0-35】勝率0.0%/連対率2.8%/複勝率2.8%
中山記念は春の中山開催の開幕週、芝の内回り、1回開催で保護されていたAコースで行われるだけあって、逃げ先行有利の傾向がきわめて強い。逃げ先行馬は複勝率40%超をマーク。昨年だけ差し馬同士のワンツーだったが、14~22年は逃げ先行馬から勝ち馬が出ており、時には馬券圏内を独占することもある。先行力を重視すべきことに変わりない。
逃げ先行馬の内訳を詳しく見ていく。まず3番人気以内かつ前走5着以内なら【6-1-1-1】で勝率66.7%と軸に最適。また4、5歳馬【8-5-2-12】複勝率55.6%に対し、6歳以上は【1-0-4-13】複勝率27.8%と数字を落とす。軸馬は「若く実績のある逃げ先行馬」から選ぶのがよさそうだ。
差し馬についても年齢が重要。4歳ならば【0-1-4-5】で複勝率50.0%、複勝回収率110%とよく3着にくるが、5歳以上は【1-3-0-25】複勝率13.8%と凡走しやすい(勝ち馬は昨年のヒシイグアス)。この馬券に絡んだ4頭は前走勝ちか0.4秒以内の負けだった。また前走上がり3F3位以内だった馬が【1-3-3-6】複勝率53.8%と好成績。上位の末脚を持つ馬は相手に組み込んでおきたい。
先行力武器に重賞3勝目だ
◎エルトンバローズ
前々走の毎日王冠は4番手から直線で抜け出し、ソングライン、シュネルマイスターらの追い上げを封じて勝利。初の古馬との対戦でもレースセンスの良さを発揮した。前走のマイルCSは先行集団の一列後ろを追走する形で、馬券には絡めなかったが勝ち馬ナミュールから0秒2差の4着と健闘。マイルGⅠに対応できるスピードも見せた。先行力のあるこの馬にとってコンパクトな中山芝は向いていそうで、軸として馬券を組み立てたい。
◯マイネルクリソーラ
昨年夏のWASJ第2戦(3勝クラス)は札幌らしく2~4着を4角4番手以内の馬が占める中、6番手から差し切り勝ち。前走の中山金杯は外々を回されながら、先行集団に取り付き3着を確保。内目をスルスルと伸びた勝ち馬とは位置取りの差があった。前走中山金杯で3着以内だった馬は【3-1-1-2】(過去10年)と中山記念でも好成績を残している。今回も馬券圏内を期待してよいだろう。
▲ヒシイグアス
8歳の古豪。中山記念はすでに21、23年と2度制しており、それを含め中山は【5-2-0-1】とまさにホームグラウンド。前走の香港Cもタイム差なしの3着に入っており、まだまだ衰えを見せていない。差し馬ゆえに展開の助けはある程度必要だろうが、昨年差し切った実績を鑑みれば軽視不可能な一頭だ。JRAの同一平地重賞3勝目となれば、ダイヤモンドSを3勝したフェイムゲーム以来9頭目となる。
以下ソールオリエンス、ボーンディスウェイ、ラーグルフまで印を回す。馬券は◎1着固定の馬単で勝負する。
▽中山記念予想▽
◎エルトンバローズ
◯マイネルクリソーラ
▲ヒシイグアス
△ソールオリエンス
×ボーンディスウェイ
☆ラーグルフ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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