【共同通信杯】前走GⅠワンツーの一騎打ち エコロヴァルツが距離延長、切れ味勝負で逆転

貴シンジ

共同通信杯 前走新馬戦組の好データ(過去10年),ⒸSPAIA

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

先週のきさらぎ賞ではファーヴェントを推奨し2番人気6着。上手くインを突けたと思ったがラスト50mで2、3着馬に挟まれる形になり、川田将雅騎手が手綱を引いて急失速。勿体ないレースになってしまった。

さて、今回は2月11日(日)に東京競馬場で行われる共同通信杯について下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行なっていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の敗因」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった11頭を検討対象とし、過去10年分のデータを使用する。

重要データ:ローテーションに注目

前走クラス別成績,ⒸSPAIA


共同通信杯は先週のきさらぎ賞以上にクラシックと直結するレースだ。近年ではエフフォーリア、ディーマジェスティ、イスラボニータなどが共同通信杯を勝利してその後クラシックでも勝利している。

今年は朝日杯FSの1、2着馬が出走してくるので例年以上にレベルの高いレースになりそうだ。しっかりと分析していこう。まずは前走クラス別成績を見ていく。

前走新馬戦組は【2-3-2-7】で単勝回収率71%、複勝回収率145%。まずまず優秀な成績だ。当然新馬戦から共同通信杯に出走してきた馬は全て前走1着だが、注目したいのは着差。0.3秒差以上をつけて勝利した馬に絞れば【2-1-0-3】で単勝回収率は100%を超える。今年はジャスティンミラノ、ベラジオボンドの2頭が新馬戦からの臨戦だがいずれも0.3秒以上の着差をつけている。注目したい。

前走未勝利戦組は【0-0-0-9】で好走なし。ディマイザキッド、フォスターボンドにとっては割引になるデータだ。

前走1勝クラス組は【4-2-1-21】で単勝回収率109%。最も勝ち馬を輩出しているのは意外にもこの組からの臨戦馬だ。馬券内に絡んだ馬を精査すると、全て前走3着以内だった馬で、成績は【4-2-1-8】単勝回収率204%だ。今年はレリッシュが1勝クラスからの臨戦だが、残念ながら前走は8着だ。

OP・L組は【0-1-0-4】で複勝回収率は32%で低調。唯一馬券に絡んだのは14年のベルキャニオンだが、前走はOP時代のホープフルS。これ以上掘り下げる必要はないだろう。

最後に重賞組。GⅢ【2-1-6-23】、GⅡ【1-0-1-5】、GⅠ【1-3-0-8】でトータルすると【4-4-7-36】で単勝回収率62%、複勝回収率97%。出走取消からの臨戦だったディーマジェスティを除く他の勝ち馬3頭は、14年イスラボニータが東スポ杯2歳S1着、17年スワーヴリチャードが東スポ杯2歳S2着、23年ファントムシーフがホープフルS4着と、GⅠなら掲示板、それ以下の重賞なら連対している。これに該当しないエンヤラヴフェイス、ショーマンフリート、パワーホールは割引が必要だ。

【好走データ該当馬】
・エコロヴァルツ(前走GⅠで2着)
・ジャスティンミラノ(前走新馬で0.3秒差以上勝ち)
・ジャンタルマンタル(前走GⅠで1着)
・ベラジオボンド(前走新馬で0.3秒差以上勝ち)

前走の敗因:朝日杯FSのエコロヴァルツ

エコロヴァルツの前走は朝日杯FSで、結果は2着。このレースはスタートこそ五分に出たが、何度か前をカットされ、その中でも3コーナー入り口でミルテンベルクにがっつり進路をカットされたのが痛かった。その影響で3コーナー通過は15番手、4コーナーでは最後方にいた。直線で大外から一気に追い込むがジャンタルマンタルと0.1秒差の2着までだった。

ジャンタルマンタルは川田将雅騎手が完璧な競馬をしていただけに、ロスはエコロヴァルツの方が大きい。上がり3Fは1位で34.1秒。2位の馬が34.6秒だから一頭だけ脚色が全く違った。もう少しスムーズな競馬なら1着もあっただろう。

血統解説:エコロヴァルツ、ジャンタルマンタル

・エコロヴァルツ
日本での牝祖は祖母クリアーパス。競走馬としての実績はないがその母Masakeがハリウッドオークス(GⅠ・ダート9F)3着の実績馬。エコロヴァルツの従兄弟にはキーンランドCやオーシャンS勝ちのヴェントヴォーチェがいるというファミリーだ。元々米国で繋がってきた牝系で、クリアーパスの父も米血のA.P. Indy。そのためアメリカ的スピードは優れているのだが、父を引き出しやすいようで様々なタイプの産駒が出ている。

本馬の母プティプランセスはA.P. Indyの持続性能が高い脚にキングカメハメハのパワーが備わって芝中距離で3勝。本馬は父がブラックタイドで、さらに末脚の鋭さに磨きがかかった。長躯短背のすらっとした馬体からもマイラーではなく中距離馬。距離延長ならジャンタルマンタルを逆転できるはず。

エコロヴァルツの血統表,ⒸSPAIA


・ジャンタルマンタル
母インディアマントゥアナが米国産馬なので日本での牝祖は母。同馬は現役時にレッドカーペットH(GⅢ・芝11F)を勝利している実績馬だ。完成度が高い馬体をしていて朝日杯FSなら間違いなくエコロヴァルツよりこちらを取りたくなる。

ただジャンタルマンタルの父Palace Maliceは日本の長距離路線で活躍するアイアンバローズやジャスティンパレスの半兄。こちらも血統の構成は朝日杯FSというより1800、2000mあたりがベストだろう。決して距離延長がマイナスになるわけではない。ただ、切れ味というよりは、完成度や操縦性の高さで勝負するタイプだけに、東京コースならエコロヴァルツに軍配が上がると見る。

ジャンタルマンタルの血統表,ⒸSPAIA

Cアナライズではエコロヴァルツを推奨

今回はエコロヴァルツを推奨する。朝日杯FSの1、2着馬が出走してくるという非常にレベルの高い当レース。どちらかがマイラーということであれば取捨選択も簡単だったのだが、エコロヴァルツもジャンタルマンタルも距離が延びて良いタイプだろう。

前走の内容や東京コースへの適性を考えて今回はエコロヴァルツを上に取る。ジャンタルマンタルも決して負けてはおらず、堅い決着になるのではないだろうか。3着候補として挙げるのであれば新馬勝ちから臨戦のジャスティンミラノとベラジオボンドだ。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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