【東京新聞杯】好成績の前走GⅠ組が中心 東大HCの本命はマスクトディーヴァ

東大ホースメンクラブ

東京新聞杯の主な前走クラス別複勝率(過去10年),ⒸSPAIA

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マイル戦線を占う一戦

今週日曜は東京競馬場でGⅢ・東京新聞杯が行われる。ローズSをレコード勝ちし秋華賞で2着に入ったマスクトディーヴァ、マイルCS3着ジャスティンカフェ、NHKマイルC2着以来の競馬となるウンブライル、昨年の覇者ウインカーネリアンなどが顔を揃えた。

2019年の覇者インディチャンプは後に春秋マイルGⅠを制覇したように、マイル戦線を占う重要な前哨戦となる。ここを制し春に弾みをつけるのはどの馬か。過去10年のデータから馬券戦略を検討していく。

前走GⅠ組を軸に

東京新聞杯の前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<東京新聞杯・前走クラス別成績>
3勝クラス【4-1-0-8/13】勝率30.8%/連対率38.5%/複勝率38.5%
OP・L【0-3-1-38/42】勝率0.0%/連対率7.1%/複勝率9.5%
GⅢ【1-3-4-42/50】勝率2.0%/連対率8.0%/複勝率16.0%
GⅡ【0-0-3-12/15】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率20.0%
GⅠ【5-3-2-16/26】勝率19.2%/連対率30.8%/複勝率38.5%
(海外:【0-0-0-2/2】)

前走クラス別成績を見ると、各数字の良さが目立つのは前走3勝クラスと国内GⅠ組。しかし今年は3勝クラス組が不出走のため、国内GⅠ組のデータから検討する。まず前走着差別にデータを見ると、1秒未満負け【5-2-2-9】に対し、1秒以上負け【0-1-0-7】と、タイム差が1秒未満だったかが重要。今年GⅠから臨むウンブライル、ジャスティンカフェ、マスクトディーヴァの3頭はこれをクリアしている(前走が米GⅠ・BCマイルのウインカーネリアンは除く)。

レース別にみると、ジャスティンカフェのマイルCSは【2-0-1-11】。秋華賞組はわずかに1例、一昨年に秋華賞2着から出走したファインルージュが2着に入っている。また、18年勝ち馬リスグラシュー、23年2着ナミュールも前年の秋華賞2着馬だった(この2頭は秋華賞→エリザベス女王杯→東京新聞杯というローテ)。マスクトディーヴァは引き続き信頼できるだろう。

その他から挑んでくる馬についても見ておく。前走GⅢ組で馬券に絡んだ例のほとんどは【1-2-3-28】の京都金杯組。このうち京都金杯で0秒2以内負けだと【1-0-2-6】複勝率33.3%。それ以外のGⅢはターコイズS【0-1-0-3】、中山金杯【0-0-1-3】である。

OP・L組は前走の勝ち負けを問わず全体的に凡走率が高くなっているが、馬券に絡んだ4頭には「前走2番人気以内」という共通点があった。

古馬の壁も難なく突破だ

◎マスクトディーヴァ
前々走のローズSは7番人気ながら、次走でエリザベス女王杯を制するブレイディヴェーグの追い込みを封じて勝利。逃げたユリーシャがかなり速いラップ(前半5F57秒3)を刻んだこともあり、勝ちタイムはJRAレコードを0秒8更新する1分43秒0だった。2着に敗れた秋華賞も上がり3F33秒5の鋭い差し脚を発揮し、ゴール前の勢いは抜群。リバティアイランドに0秒1差と唯一肉薄し、まさに「負けて強し」という言葉がピタリと当てはまるレースだった。

GⅠ実績のある馬が揃う一戦でも地力上位。最大の持ち味であるキレ味が生きる東京コースもプラスに働きそうだ。ここは通過点として、春シーズンへと繋げて欲しい。

◯ジャスティンカフェ
昨年は1番人気に支持されるも4着。それでも上がり最速(33秒3)の末脚を発揮してウインカーネリアンに0秒1差まで迫った。その後ダービー卿CT2着を経て挑んだエプソムCでは、粘り込みを図る2、3着馬を外からかわし切って念願の重賞初勝利。前走のマイルCSでもマイルの一線級を相手に3着を確保したことは大きい。こちらも広い東京コースなら引き続き上位だ。

▲ウインカーネリアン
昨年はスムーズに先手を奪うと、11秒台前半のタフなラップを刻み続け、直線では粘り腰を発揮。ナミュールら差し勢を封じて逃げ切った。UAE遠征を経て臨んだ安田記念は掲示板外に敗れたものの、1F延長の毎日王冠では0秒3差の5着。今回は帰国初戦となるが、追い切りを見る限り状態は良好で、7歳でもまだまだ戦えそう。今回もハナを奪って自分のペースに持ち込み、連覇達成といきたいところだ。

以下、NHKマイルCを上がり最速で2着としたウンブライルを△、トゥードジボン、マテンロウスカイに×を打つ。馬券は◎軸、◯以下相手の3連複10点で勝負する。

▽東京新聞杯予想▽
◎マスクトディーヴァ
◯ジャスティンカフェ
▲ウインカーネリアン
△ウンブライル
×トゥードジボン
×マテンロウスカイ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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