【根岸S】東京コース実績と前走の末脚を評価 東大HCの本命はタガノビューティー

東大ホースメンクラブ

根岸Sの前走脚質別成績(過去10年)

ⒸSPAIA

フェブラリーSを占う重要な前哨戦

今週日曜日は東京競馬場でGⅢ・根岸Sが行われる。武蔵野S2着のタガノビューティーや、連勝の勢いで臨むエンペラーワケア、サンライズフレイム、地方重賞で活躍中のパライバトルマリンやシャマルなど計16頭が出走する。

1着にはフェブラリーSの優先出走権が与えられる前哨戦。昨年覇者レモンポップはその後、フェブラリーSを含めGⅠ・JpnⅠを3勝、最優秀ダートホースに選ばれた。今年のダート戦線を占う重要なレースであることは間違いない。今回も過去10年のデータから馬券戦略を検討していく。

後方からの末脚勝負

根岸Sの前走脚質別成績,ⒸSPAIA


<根岸S・前走脚質別成績>
逃げ【0-1-0-11】勝率0.0%/連対率8.3%/複勝率8.3%
先行【4-3-0-35】勝率9.5%/連対率16.7%/複勝率16.7%
差し【2-3-6-50】勝率3.3%/連対率8.2%/複勝率18.0%
追込【4-2-4-25】勝率11.4%/連対率17.1%/複勝率28.6%
マクリ【0-1-0-2】勝率0.0%/連対率33.3%/複勝率33.3%
※前走海外、競走中止等除く

根岸Sは1400m戦ながら、後方からの決め手勝負になりやすい。前走脚質別成績を見ると、逃げ馬は馬券絡み1度のみ。先行馬も7連対しているが複勝率では差し、追込馬を下回っており、好走例はいずれも前走3着以内の馬だった。エンペラーワケアを過度に嫌う必要はないが、強調点には欠ける。

目を引くのは複勝率が3割近い前走追込馬で、特に前走上がり3Fが2位以内だと【3-2-4-11】で複勝回収率は140%と黒字。今回の出走メンバー中で条件を満たすのはアルファマム、サンライズフレイム、タガノビューティー、ベルダーイメルの4頭。まずはこの4頭から検討していきたい。

「前走追込で上がり2位以内」のうち、前走が重賞だと【3-2-1-6】と半数近くが連対。タガノビューティーとベルダーイメルが該当する。ただし前走カペラS組は【1-0-1-4】、馬券に絡んだ2頭はカペラS3着以内馬であり、1秒0差で6着のベルダーイメルはやや不利か。アルファマム、サンライズフレイムが該当する前走OPは【0-0-3-5】と連対例がない。ただし今年は前走中央重賞組が4頭しかいないメンバーで、大きな減点材料ではないだろう。

三度目の正直でフェブラリーSへ弾みを

◎タガノビューティー
前走の武蔵野Sは2、3走前の敗戦で評価を落としたか6番人気で迎えるも、上がり最速35秒台の脚で追い込み2着。まだまだ衰え知らずの7歳馬だ。東京ダ1400mの成績は【2-2-1-1】と適性面も十分。またデータ的にも前走武蔵野Sは【4-2-1-7】、4着以内なら【4-2-0-4】と優秀だ。今回は中央重賞の実績馬が少ないメンバー構成であり、実力面で最も信頼できるのがこの馬だろうと考え、◎を打った。1、2年前の根岸Sでは連対を外しているが、三度目の正直で勝ち切れる実力と相手関係だろう。

◯サンライズフレイム
キャリア6戦で5勝3着1回、破竹の勢いで現在4連勝中の4歳馬。半兄にドライスタウトがいるダートの良血馬でもある。スタートが上手ではなく、先行しない競馬が多いものの、その点がむしろ好データにと合致する。OP入り初戦の前走は出遅れたものの、メンバー中唯一の上がり35秒台を使い差し切り勝ち。OPクラスでも実力上位であることを示した。ただ東京ダ1400mの経験がなく、久しぶりの長距離輸送であることも考慮し2番手評価とした。

▲アルファマム
直近の4走でOP2勝を含む3勝、4レース全てで上がり1位を記録。2走前は9着と大敗しているが、出遅れかつ着差0秒7と着順ほどの負けではなかった。前走同条件の霜月Sでは12番手から差し切り勝ちを収めており、時計は良馬場で1分22秒7と優秀。コース適性は十分で、前述のデータからも推奨できる1頭だ。ただし勝ったレースの着差がどれも小さく、重賞での力関係が曖昧なため3番手評価とした。

以下、前目の脚質ながら魅力十分のエンペラーワケア、パライバトルマリン、シャマルまで印を回す。馬券は◎軸の3連複(10点)とする。

▽根岸S予想▽
◎タガノビューティー
◯サンライズフレイム
▲アルファマム
△エンペラーワケア
×パライバトルマリン
×シャマル

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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