【シルクロードS】3年連続で連対中の前走スプリンターズS組 唯一該当のテイエムスパーダに熱視線

門田光生

シルクロードステークスの所属別成績(過去10年),ⒸSPAIA

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栗東所属馬が優勢

2024年1月28日に京都競馬場で行われる第29回シルクロードS。過去10年、このレースから高松宮記念の勝ち馬が5頭も出ている。トライアルである阪急杯やオーシャンSより、重要な一戦といえるかもしれない。そんなGⅠへと続く道、シルクロードSにはどのような傾向があるのか。除外対象馬のドグマとリバーラを除く18頭について、今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬は46頭出走して、2、3着が3頭ずつ。勝ち馬は1頭も出ていない。2000年以降、美浦所属馬が勝ったのは、2001年トロットスター、2005年プレシャスカフェ、そして2010年アルティマトゥーレの3頭のみだった。一方、栗東所属馬は121頭が出走して、勝ち馬10頭。2、3着は7頭ずつ。連対率でも栗東所属馬が大きく上回っており、栗東有利と考えて間違いない。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牡馬、セン馬(111頭)、牝馬(56頭)それぞれ5勝ずつ。2着は牡馬、セン馬が6頭と多いが、勝率、連対率ともに牝馬が大きく上回っている。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
世代別では、4歳馬が勝利数、連対数、勝率、連対率すべてでトップ。5、6歳は可もなく、不可もなくといったところ。7歳以上は、55頭が出走して勝ち馬、2着馬が1頭ずつだが、8歳以上(21頭)になると連対馬は出ていない。

出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラスと主な前走
勝ち馬が出ているのは、重賞組かOP・L組。3勝クラスからは2着が最高着順(2020年エイティーンガール)。OP・L組は勝ち馬が2頭、2着馬6頭と悪くないが、リステッド(L)に限ると、【0-1-1-23】となり、好走率がガクンと下がってしまう。要因となっているのは淀短距離S組で、OP時代(~2018年)の【1-4-2-10】に対して、リステッド(L)格付け後は【0-0-1-19】。連対率は29.4%→0%になってしまった。

結果が出ている前走は、最多の3勝を挙げている京阪杯とスプリンターズS。京阪杯は連対数も5回で最多タイ。スプリンターズSは、2年連続で勝ち馬を出しており(連対馬でいえば3年連続)、近年で最も勢いのある前走となっている。

他では、タンザナイトSは14頭中1連対、ラピスラズリS(11頭)とカーバンクルS(15頭)は連対馬なしと“宝石シリーズ”のOP・Lレースは低調。なお、クラスにかかわらず、前走でダートを走っていた馬は馬券に絡んでいない。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走着順に関しては少し面白い結果が出ている。連対数は前走1着馬が6頭(1着2頭、2着4頭)と最多だが、勝率や連対率で比較すると、前走2、4、5着馬が上位を形成している。また、前走6着以下になると、好走率は落ちてしまう。

シルクロードS出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走人気は、連対率45.5%の5番人気や勝率23.1%の6番人気馬の活躍が目立っている。

シルクロードS出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータは3つ。まずは毛色。過去10年で、鹿毛が8勝。出走頭数も最多だが、勝率も優秀だった。続いて前走馬体重。前走500キロ以上で出走していた馬は45頭いるが、勝ち馬は出ていない。スプリント重賞は大型馬が好成績を残していることが多いだけに、これは意外なデータといえる。最後にローテーション。中1週で挑んできた馬は17頭いて、連対馬はいない。

その他のデータ,ⒸSPAIA


本命はスプリンターズS組から

シルクロードSのデータをまとめてみよう。

【好走データ】
A「栗東所属」
B「牝馬」
C「4歳馬」
D「前走が京阪杯かスプリンターズS」
E「前走が2、4、5着」
F「前走が5、6番人気」
G「鹿毛」

【好走率ダウン】
H「7歳」

【勝ち馬なし】
I「前走がタンザナイトS」
J「前走馬体重が500キロ以上」

【連対馬なし】
K「8歳以上」
L「前走が淀短距離S(L格付け以降)、ラピスラズリS、カーバンクルS」
M「前走がダート」
N「中1週以内」

今回はプラスデータが全部で7つと多いが、最多はトゥラヴェスーラ、バースクライ、ルガルの4つ。このうち、トゥラヴェスーラは連対馬が出ていないL「8歳以上」、ルガルは勝ち馬が出ておらず、連対率も低いJ「前走馬体重が500キロ以上」に該当するので、ひとまず本命候補から除外。バースクライは前走3勝クラスで、【0-1-2-7】と勝ち馬なし。連対率は10%なので割引データとまではいかないが、本命には推しづらいといったところだ。

また、今回の強データF「前走が5、6番人気」に該当するショウナンハクラクとメイショウソラフネは、いずれもリステッド(L))昇格以降、連対馬が出ていない淀短距離S組なので、これも印は打てない。そこで、プラスデータが3つ、マイナスデータを持っていない馬に目を向けてみる。ジューンオレンジとテイエムスパーダが該当するのだが、注目したいのはテイエムスパーダ。2年連続で勝ち馬、3年連続で連対馬を出している前走スプリンターズS組で、今年はこの馬だけが該当しており、本命としたい。対抗はバースクライ、3番手にジューンオレンジの順でいいだろう。

ルガルのマイナスデータJ「前走馬体重が500キロ以上」は、好走率は低いものの、2着馬が3頭出ている。プラスデータが多いのは魅力で、印はつけておきたい。同じくプラスデータ4つのトゥラヴェスーラ(9歳)は、連対馬なしのK「8歳以上」が致命的だが、9歳馬といえば、2019年にティーハーフが人気薄で3着に突っ込んでいる。3連複のお供という意味で、最後の印を打ちたい。

◎テイエムスパーダ
◯バースクライ
▲ジューンオレンジ
△ルガル
×トゥラヴェスーラ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
昨年、“えべっさん”に行った際、「来年は笹にたくさん吉兆(笹につける小宝)をつけよう」と心に誓ったはずですが、また馬券に負けて、今年もにぎやかな笹とはいきませんでした。来年こそは……。

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