【東海S】グリーンチャンネルCの内容はGⅠ級 京大競馬研の本命はオメガギネス
京都大学競馬研究会
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京都ダート1800mは前目で立ち回れる馬を軸に
1月21日(日)に東海ステークス(GⅡ)が行われる。例年は中京競馬場で行われるが、変則開催により今年は京都で施行される。デビュー以来4戦3勝で重賞初制覇を狙うオメガギネス、条件戦2連勝中のブライアンセンス、前走初ダートで太秦Sを快勝したヴィクティファルスらここが試金石という馬から、OP特別3勝のペプチドナイル、他にもウィリアムバローズといった実績馬が揃っている。このレースが行われる京都ダート1800mのコース形態、想定される展開を踏まえて予想していく。
まず京都ダート1800mのコース形態をみる。1コーナーまでの距離は約280mであり、向正面の途中から緩やかな坂を上り、3コーナー入り口から4コーナーめがけて一気に下る。
注目すべきは初角までの距離が非常に短い点だ。先手争いは内有利で、加速する2F目にコーナー、その後向正面上り坂のため前半のペースは落ち着きやすい。序盤~中盤に脚を温存できた先行勢は3コーナーからの下り坂で加速をつけやすく、直線に入るまでに後方勢が先行勢とのポジション差を埋めにくい。そのため、そのまま先行勢が押し切るケースが多い。
これは数字からも明らかで、過去10年の京都ダート1800m、OPクラス以上のレースにおける4角4番手以内の馬の成績を調べると、計20戦で【16-12-7-63】勝率16.3%、連対率28.6%、複勝率35.7%、単勝回収率167%と非常に優秀だ。
特に2016年以降の16戦では、昨年のみやこSを除く15戦で4角4番手以内の馬が勝利。例外となったみやこSも勝ち馬セラフィックコール以下の2~4着は4角4番手以内の馬が独占している。したがって今回も先行馬を中心に予想をしていく。
展開面から恵まれる馬は
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。まず前走先行しているのはオメガギネス、キリンジ、バビット、ペプチドナイルの4頭だが、初ダートのバビットは行き脚がつくか不明。これを考慮すると、オメガギネス、キリンジ、ペプチドナイルの3頭に、2~3走前先行しているウィリアムバローズ、タイセイドレフォンの2頭を加えた計5頭が序盤から前目に位置を取る実質的な先行馬だ。
このクラスで出走馬16頭に対し先行馬5頭は少なく、それぞれ離れた枠に入った。コース形態からも序盤の先手争いは激しくなりにくいため、この5頭は展開面からも評価したい。また今週末の京都は雨予報だが、京都ダート1800mは馬場が渋ると逃げ馬の成績が良馬場時よりも上昇する。雨が降ってもやはり先行馬を狙いたい。
秘める能力はGⅠ級
◎オメガギネス
デビューから連対率100%とまだ能力の底を見せていないオメガギネス。4戦全て上がり最速で、持ち時計もかなり優秀だ。衝撃的だったのは前走グリーンチャンネルC。初の古馬戦であったが、3番手を先行し、2着に0.6秒差をつけ圧勝。走破時計1:34.3は非常に速い時計で、東京ダート1600mにおいて「勝ち時計1:35.0以内」「上がり最速」「2着に0.4秒差以上」で勝利した馬はオメガギネス含め、クロフネ、カフェファラオ、ワンダーリーデル、カネヒキリ、ルヴァンスレーヴら7頭のみ。間違いなくGⅠ級の能力を秘める。先行馬が恵まれる展開と今週の渋い馬場なら、不良馬場の東京マイルからの延長は再度の好条件。この手薄なメンバーならアッサリ通用する。
◯ペプチドナイル
昨年の夏以降にOP特別を3勝。前走ベテルギウスSは59キロの斤量を背負いながらも、このクラスでは初めて好位に控える形から馬群を割って快勝。前走からの斤量減かつ先行馬が恵まれる今回は、明らかに最有力候補の一頭だ。それでいて想定人気は真ん中あたり。前走でOPクラス入りを果たしたブライアンセンスが上位に推されるメンバーの中ではオッズ妙味もある。他の先行馬から離れた内目の枠も本馬には向く。
▲タイセイドレフォン
前目から粘りこみを図る一頭。京都での成績は【1-1-0-2】で平城京S(OP)も勝利している。着外となった平安S(4着)も前目で粘ってOP上位馬に差のない競馬、みやこSでも後退してきた馬が壁になり直線ほぼ追えなかったため度外視可能だ。太秦Sでは1000m通過1:00.5というHペースで差し有利な展開を3番手で追走し、粘って0.2秒差の2着と最も強い競馬をしている。人気薄が想定され、先行馬が恵まれる今回はオッズ妙味あり。
△ウィリアムバローズ
前走は普段とは違う後方からの競馬、かつ距離ロスが大きく厳しい展開でも3着にきており、実績もこのメンバーでは最上位。先行して粘り込む得意の形ならば好走は必至。
×ヴィクティファルス
前走初ダートの太秦SはHペースで差し有利な展開が向いたとはいえ、早めに動き出す競馬で勝利。今回は展開が向く。
×ミッキーヌチバナ
前走ベテルギウスSは前2頭に残られたが、コーナー通過順位8-8-6-9と一度位置を落としながらの3着であり、力負けという感じではない。展開次第では逆転もあるか。
×ブライアンセンス
今回と同条件で2連勝中、どちらも上がり最速をマーク。勝ち上がった得意条件で力を出し切れれば。
買い目は◎単勝と◎-◯▲△-◯▲△×の3連複12点で勝負する。(花田)
▽東海S予想印▽
◎オメガギネス
◯ペプチドナイル
▲タイセイドレフォン
△ウィリアムバローズ
×ヴィクティファルス
×ミッキーヌチバナ
×ブライアンセンス
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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