【AJCC】好位で運べる力を評価 東大HCの本命は8歳も衰えなしのボッケリーニ
東大ホースメンクラブ
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春に向けての前哨戦
今週日曜は中山競馬場でGⅡ・AJCC(アメリカジョッキークラブカップ)が行われる。重賞でも活躍しているボッケリーニ、マイネルウィルトス、カラテの8歳馬3頭に加え、アルゼンチン共和国杯3着チャックネイト、紫苑Sを制し秋華賞でも5着に入った4歳牝馬モリアーナ、昨年の中山金杯勝ち馬ラーグルフなど12頭が出走を予定している。今回も過去10年のデータから馬券戦略を検討する。
ポジション取りが明暗を分ける
<AJCC・4角位置別成績>
1番手【1-0-1-8】勝率10.0%/連対率10.0%/複勝率20.0%
2〜4番手【7-5-2-24】勝率18.4%/連対率31.6%/複勝率36.8%
5〜9番手【2-4-7-37】勝率4.0%/連対率12.0%/複勝率26.0%
10番手〜【0-1-0-45】勝率0.0%/連対率2.2%/複勝率2.2%
AJCCはどれだけ良いポジションで直線を迎えるかが重要なレース。データを見ても、4角通過順位2桁の馬は【0-1-0-45】とほとんどが着外に敗れている。後方一辺倒の馬はヒモに入れることすらためらうデータだ。
成績がいいのは4角2〜4番手【7-5-2-24】で勝率18.4%、複勝率36.8%。軸はしっかりポジションをとれる器用な馬から選びたい。このうち3角も2〜4番手だと【3-3-2-18】複勝率30.8%なのに対し、5〜9番手なら【4-1-0-3】で勝率50.0%、単勝回収率313%と驚異的な数字になる。道中は好位の一列後ろに控え、3〜4角でロングスパートをかけた馬がそのまま前を飲み込むケースが多い。
一方、4角5〜9番手だった馬は2着、3着までのケースが多くなっている。ただしノーチャンスとまでは言えず、やはりロングスパートをかけて長くいい脚を使える馬なら可能性がある。実際、22年の勝ち馬キングオブコージは3角12番手から4角8番手へ徐々に位置を押し上げていき、そのまま外から差し切った。ただこれはラスト5F〜2F目にかけて11秒台が続き、ややタフな流れになったことも大きい。中団から差し切るにはある程度展開の助けもいる。当日の馬場傾向なども加味して考えたい。
8歳も関係なし、重賞4勝目へ
◎ボッケリーニ
昨年の鳴尾記念は3角から進出を開始し、4角3番手からしぶとく脚を使って勝利。また前々走の京都大賞典は4角4番手から2着に入っている。チャレンジCはベラジオオペラとの競り合いに敗れ2着だったが、まだまだ能力の衰えは感じさせない。
差し馬が多い今年のメンバー中、最もいいポジションで直線を迎えられるのは本馬だろうと考え本命を打った。また、日曜日の関東地方は雨予報。これも稍重以下【1-4-0-1】と道悪歓迎の本馬にとって好条件だ。今回もしっかり前で運べれば馬券圏内は堅い。
◯チャックネイト
3勝クラスの六社Sを勝って臨んだアルゼンチン共和国杯では接触もありながら0秒2差の3着に入り、初重賞でも実力の高さを示した。重馬場の六社Sを勝っており道悪も問題ないだろうから、ここでも重視したい一頭だ。1週前追い切りでラスト1F11秒3をマークしているように上り調子なのも好感が持てる。ただ近4戦は東京を使っており、右回りは22年8月の札幌日刊スポーツ杯(2勝クラス)以来であることを考慮して2番手評価とした。
▲マイネルウィルトス
前々走のアルゼンチン共和国杯は外々を回されながら見せ場十分の2着。前走ステイヤーズSは2周目向正面から徐々に進出して3着。しかし、直線では一旦2番手に躍り出ながらテーオーロイヤルに差された。本馬は決め手勝負になると分が悪く甘さを残してしまう馬ではあるが、重馬場で行われた22年函館記念で2着に入るなどボッケリーニ同様道悪は苦にしない。上がりのかかる競馬なら決め手不足はカバーされるだろう。
以下、金杯勝ちをはじめ中山好走歴の豊富なラーグルフ、道悪適性の高いカラテ、そして迎春Sをマクり勝ちしたアドマイヤハレーまで押さえる。馬券は◎軸、◯以下相手の3連複10点で勝負する。
▽AJCC予想▽
◎ボッケリーニ
◯チャックネイト
▲マイネルウィルトス
△ラーグルフ
×カラテ
☆アドマイヤハレー
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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