【東海S】武豊騎手は得意コースで勝率25.3%、連対率48.0% 東大HCが京都ダート1800mを徹底検証

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コース紹介

今週末は京都ダート1800mコースでGⅡ東海Sが開催される。GⅠフェブラリーSの前哨戦として行われる本レース。グリーンチャンネルCを快勝したオメガギネスや連勝中のブライアンセンスなど、4歳勢を中心に今年の飛躍を誓う馬たちが集結した。今年は2020年以来4年ぶりに京都競馬場で開催される。

京都ダート1800mが舞台の重賞は今週行われるGⅡ東海S(従来は中京開催)と、チャンピオンズCの前哨戦であるGⅢみやこSの2レース。今週は同コースの特徴をデータで分析していく(使用するデータは2019年1月19日〜2024年1月14日)。

まずはコース紹介。正面スタンド前、直線半ば辺りからスタートする1周コース。スタートから1コーナーまでは約280mあり、向正面の途中からは高低差3mの緩やかな坂を上る。3コーナー手前で坂を上りきると、そこから4コーナーに向かって下り坂となる。最終直線は平坦で329mとなっている。

重賞では差し馬が台頭

まずは枠別成績から見ていきたい。

京都ダート1800m・過去5年の枠別成績,ⒸSPAIA


<京都ダート1800m・過去5年の枠別成績>
1枠【33-28-23-290】勝率8.8%/連対率16.3%/複勝率22.5%
2枠【33-21-35-310】勝率8.3%/連対率13.5%/複勝率22.3%
3枠【30-35-30-327】勝率7.1%/連対率15.4%/複勝率22.5%
4枠【37-43-36-336】勝率8.2%/連対率17.7%/複勝率25.7%
5枠【40-27-27-388】勝率8.3%/連対率13.9%/複勝率19.5%
6枠【49-38-43-375】勝率9.7%/連対率17.2%/複勝率25.7%
7枠【17-44-44-421】勝率3.2%/連対率11.6%/複勝率20.0%
8枠【43-46-45-411】勝率7.9%/連対率16.3%/複勝率24.6%

7枠の勝率の低さが目立つが、その両隣の6枠や8枠がまずまずの成績を残しているため、外枠不利とまでは言えないだろう。回収率に関しては内が好調。2枠は単勝回収率115%と唯一プラス域をマークしており、穴馬はロスの少ない内枠から狙うのが吉だ。

過去10年の同コースで行われた重賞に限定すると、8枠が【3-1-1-11】で勝率18.8%(単勝回収率117%)と抜けた成績を残している。また、単勝回収率100%を超えているのが、8枠以外では1枠と2枠。特に2枠は【1-3-0-10】で複勝回収率も115%だ。穴馬は内枠からという傾向は重賞でも変わらないと見て良いだろう。

次に脚質別成績について見ていく。

京都ダート1800m・過去5年の脚質別成績,ⒸSPAIA


<京都ダート1800m・過去5年の脚質別成績>
逃げ【68-41-26-163】勝率22.8%/連対率36.6%/複勝率45.3%
先行【141-159-115-530】勝率14.9%/連対率31.7%/複勝率43.9%
差し【55-48-103-1084】勝率4.3%/連対率8.0%/複勝率16.0%
追込【9-16-29-1051】勝率0.8%/連対率2.3%/複勝率4.9%

ダート戦らしく前有利の傾向が強い。差し、追込の勝率はともに10%未満と後方勢には厳しい数字が並んでいる。逃げた馬は単勝回収率241%、複勝回収率155%と妙味も十分で、素直に前にいけそうな馬を狙うのが良いだろう。また、前走逃げた馬が1、2枠に入った場合も【10-5-2-38】で勝率18.2%、単勝回収率150%と狙い目だ。

こちらも過去10年の同コースで行われた重賞に限定して調べてみた。すると後方勢が台頭していた。全体成績では圧倒的だった逃げが【0-0-0-8】と全滅。先行は4勝と健在だが、差し2勝、追込1勝と後方待機勢も健闘している。上がり3F最速を記録した馬は【2-4-3-1】複勝率90.0%、複勝回収率255%。重賞での軸は末脚自慢で決まりだ。

芝で活躍の種牡馬が好調

続いては種牡馬別成績を紹介する。

京都ダート1800m・過去5年の種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<京都ダート1800m・過去5年の種牡馬別成績>
ルーラーシップ【14-5-14-81】勝率12.3%/連対率16.7%/複勝率28.9%
ハーツクライ【11-11-6-70】勝率11.2%/連対率22.4%/複勝率28.6%
エンパイアメーカー【11-9-4-43】勝率16.4%/連対率29.9%/複勝率35.8%

トップは14勝でルーラーシップ。中でも2歳馬は【3-1-1-4】で勝率33.3%、単勝回収率158%と非常に優秀。3歳【9-3-8-58】勝率11.5%、4歳以上【2-1-5-19】同7.4%と、年齢を重ねるごとに勝率が低下しており、、狙うなら若くて勢いのある馬が良いだろう。

11勝、2着11回で2位にランクインしたのはハーツクライ。こちらはルーラーシップとは逆で4歳以上で成績が上昇。2、3歳【3-7-4-40】勝率5.6%、4歳【5-2-1-14】勝率22.7%、5歳【3-1-1-9】勝率21.4%となっている。特に5歳は単勝回収率310%、複勝回収率116%と妙味も十分だ。

3位は11勝、2着9回でエンパイアメーカー。単勝回収率119%、複勝回収率106%とどちらもプラス域。勝率も16.4%で上位2頭を上回っている。

その他、このコースと好相性なのがダノンレジェンド。【2-5-1-6】で複勝率57.1%、複勝回収率182%と安定感を発揮している。今年の東海Sには産駒のミッキーヌチバナが出走する予定だ。他では、オメガギネスの父ロゴタイプは【1-0-0-4】、ブライアンセンスの父ホッコータルマエは【4-2-2-43】で単勝回収率198%を記録している。

最後は騎手別成績をチェックしていこう。

京都ダート1800m・過去5年の騎手別成績,ⒸSPAIA


<京都ダート1800m・過去5年の騎手別成績>
松山弘平【19-17-14-107】勝率12.1%/連対率22.9%/複勝率31.8%
武豊【19-17-3-36】勝率25.3%/連対率48.0%/複勝率52.0%
幸英明【18-23-16-115】勝率10.5%/連対率23.8%/複勝率33.1%

トップは松山弘平騎手。末脚を生かす騎乗に長けており、上がり3F最速を記録した馬は【13-3-2-1】で勝率68.4%、複勝率94.7%という驚きの成績だ。前走で上がり3F最速だった馬に騎乗した場合も【2-1-6-8】複勝率52.9%、単複の回収率はともにプラス域だ。また、2~4枠での複勝回収率が100%を超えており、内枠で狙いたい。

3着数の差で惜しくも2位となったのが、淀の鬼・武豊騎手だ。逃げた際は【4-4-1-1】で複勝率90%と圧巻の成績。全19勝のうち16勝を逃げ先行で挙げており、前で競馬ができる馬に騎乗した際は信頼度が高い。単勝回収率は1、4、8枠でプラスであり、内枠から外枠どこからでも結果が出せるオールラウンダーだ。

3位は幸英明騎手。京都ダート1800mで行われたみやこSでは19年のヴェンジェンス(7番人気1着)や23年のメイクアリープ(6番人気2着)など複数穴を開けている。重賞成績【1-2-0-0】で単勝回収率623%、複勝回収率283%、ここ5年ではパーフェクト連対を果たしており、必ず買い目に入れておきたい。

今年の東海Sでは松山騎手がミッキーヌチバナ、武騎手がスマッシングハーツ、幸騎手がタイセイドレフォンに騎乗予定。ほか注目馬では、オメガギネスに騎乗予定の戸崎圭太騎手はサンプル数が少ないが【0-0-0-5】、ブライアンセンスに騎乗予定の岩田望来騎手は【13-7-12-83】複勝率27.8%という成績を残している。

京都ダート1800mのコースインフォグラフィック,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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