【競馬】冬の小倉で活躍している騎手を調査 横山武史騎手と鮫島克駿騎手に妙味ある条件発見
高橋楓
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冬の小倉で活躍する騎手を探す
競馬は馬券の買い方ごとのロマンがある。単勝馬券をグッと握りしめて感情移入しながらレースを見るファンもいれば、ここぞとばかりに複勝にドンと張るファンも知っている。またワイドで楽しんでいるファンも多いし、3連系で夢を見るファンもいる。筆者は専ら単勝と馬単。どうしても2~3頭で印に悩んだときには馬連を買うこともある。大体がこの3パターンだ。
今回は先週から小倉競馬場の開催が始まったことから、冬の小倉開催での単勝、複勝の回収率が優れているジョッキーを紹介していきたい。
西村淳也騎手が最多勝 どんな条件でも安定した成績を残す
2019年以降の1、2月に小倉競馬場で行われたレースは昨年までに720戦。まずは条件を問わず、勝ち星のランキングを見ていこう。
1位 西村淳也【49-39-47-324】
2位 藤岡康太【42-33-31-266】
3位 吉田隼人【41-50-35-272】
4位 丹内祐次【32-41-40-357】
5位 藤岡佑介【30-16-16-124】
集計期間:2019年1月1日~2023年2月26日(1、2月の720レース)
1位は若手の西村淳也騎手。実は2018年のデビュー以降、最も多く騎乗しているのがここ小倉競馬場で、勝ち星も一番あげている。今回の集計期間でも49勝で堂々のトップ。勝率10.7%、連対率19.2%、複勝率29.4%と安定した成績を残している。クラスやコースが変わっても大きな穴はなく、小倉では常に狙い目のジョッキーだ。
意外だったのが4位にランクインした丹内祐次騎手。どうしても北海道シリーズでの活躍のイメージが強いが、小倉競馬場でも成績を残している。勝率6.8%で、2019年~2023年函館開催の勝率6.0%を若干だが上回っている。特に1番人気に騎乗したときは【10-4-6-5】で勝率40.0%。複勝率も80.0%あるだけに、馬券からは外せない存在だ。
単勝回収率ベスト5 松若風馬から目が離せない!
次に「回収率」にフォーカスを当てる。騎乗回数が少ない場合、率に大きな差が出てしまうので、今回は「100回騎乗以上かつ10勝以上」をあげているジョッキーに絞って集計をしてみた。
1位 横山武史【15-10-10-91】勝率11.9% 単勝回収率171%
2位 松本大輝【10-10-6-95】勝率8.3% 単勝回収率117%
3位 鮫島克駿【24-33-26-206】勝率8.3% 単勝回収率108%
4位 菅原明良【11-6-4-90】勝率9.9% 単勝回収率106%
5位 松若風馬【18-10-10-147】勝率9.7% 単勝回収率102%
集計期間:2019年1月1日~2023年2月26日(1、2月の720レース)
条件:100回騎乗以上かつ10勝以上
極論ではあるが、この5人は単勝を買い続けていればプラスになるということに数値上はなる。横山武史騎手、鮫島克駿騎手の2名は後述で詳しく見ていく。
ここでは5位にランクインした松若風馬騎手に注目したい。2019年以降、冬の小倉開催で18勝をあげているが、とにかく人気不問で1着まで持ってきている。成績と単勝回収率を見てみると下記のようになる。
1番人気【1-3-0-10】単勝回収率15%
2番人気【4-0-0-8】単勝回収率160%
3番人気【1-2-3-8】単勝回収率55%
4番人気【3-2-3-12】単勝回収率139%
5番人気【2-1-0-15】単勝回収率173%
6番人気【2-1-2-14】単勝回収率113%
7番人気【4-0-0-8】単勝回収率500%
8番人気【1-0-0-7】単勝回収率255%
9番人気以下【0-1-2-65】単勝回収率0%
2番人気と7番人気の成績が全く一緒なのは驚く。気を付けておきたいのが、芝では【15-4-7-100】勝率11.9%で単勝回収率126%なのに対し、ダートでは【3-6-3-47】勝率5.1%、単勝回収率53%と大きく差があること。狙うなら芝のレースだ。
横山武史騎手を狙うときのポイントは3つ
近年でトップジョッキーの仲間入りをした横山武史騎手。人気馬が多く、妙味がないかと思われがちだが、そんなことはない。先にも紹介した通り、2019年以降に行われた冬の小倉開催では堂々の単勝回収率トップに輝いている。もちろん、これは15勝のうち2020年に11番人気、13番人気で勝利していることが大きな要因だ。とはいえ、今回3つの傾向が見つかったので紹介したい。
まず1つ目は「芝レースが狙い目」ということ。芝ダート別の成績は下記の通りだ。(集計期間は2019年1月1日~2023年2月26日の720レース)
芝レース【8-8-3-59】勝率10.3%、単勝回収率193%
ダートレース【7-2-7-32】勝率14.6%、単勝回収率136%
上記でも述べたが、単勝13番人気82.0倍の馬での勝利が大きく芝の単勝回収率の成績を引き上げているが、その他の7勝も5、8、4、3、4、8、1番人気であげたもので、これらの単勝回収率は89%を記録している。
2つ目は「芝1200mとダ1000mは買い」ということだ。両条件の成績は下記の通りで、驚異的な成績を残している。
芝1200m【5-2-1-25】勝率15.2%、単勝回収率389%
ダ1000m【4-0-0-10】勝率28.6%、単勝回収率370%
2桁人気を除き、単勝9番人気以内だけの成績を見てみても、芝1200m【4-2-0-16】勝率18.2%、単勝回収率210%、ダ1000m【3-0-0-8】勝率27.3%、単勝回収率217%と、ハイアベレージを維持している。
3つ目はマイナスデータで、「1番人気の過信は危険」ということだ。1番人気の成績は【2-2-2-4】勝率20.0%、単勝回収率77%と苦戦傾向。逆に2番人気では【4-2-1-7】勝率28.6%、単勝回収率174%と100%近くの差が生まれている。
近年は冬の小倉での騎乗機会が減ってはいるが、ぜひとも覚えておきたいデータだ。
安定感が光る鮫島克駿騎手
最後に佐賀県出身の鮫島克駿ジョッキーを紹介しておきたい。やはり九州開催は気合が入るのか、バンバン馬券に貢献してくれる。2019年以降の距離別成績を見ると下記のようになる。
ダ1000m【3-1-2-20】単勝回収率107%、複勝回収率58%
ダ1700m【7-11-5-51】単勝回収率53%、複勝回収率111%
ダ2400m【0-2-0-3】単勝回収率0%、複勝回収率160%
芝1200m【8-8-7-66】単勝回収率61%、複勝回収率115%
芝1800m【3-5-6-23】単勝回収率394%、複勝回収率115%
芝2000m【3-5-5-33】単勝回収率96%、複勝回収率86%
芝2600m【0-1-1-10】単勝回収率0%、複勝回収率34%
集計期間:2019年1月1日~2023年2月26日(1、2月の720レース)
芝1800mの単勝回収率に関しては、2021年1月に勝利した虹の松原Sで12番人気で単勝12040円を記録し、数字が大きく跳ねている。しかし、複勝回収率でここまでコンスタントに回収率100%を超える騎手は珍しい。とはいえ何でもかんでも購入するのでは妙味がない。
芝1800mの成績についてもう少し深掘りしてみる。上記で述べたように、虹の松原Sの1着が回収率を引き上げているが、同レースを除いた芝1800m成績でも複勝率36.1%と高い率を残している。また芝1800mで前回からの継続騎乗だと【2-2-3-6】勝率15.4%、連対率30.8%、複勝率53.8%で単勝回収率197%、複勝回収率116%と妙味もアップする。鮫島騎手が芝1800m戦で前回から継続騎乗する場合は、ぜひとも馬券に加えておきたい。
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。
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