【日経新春杯】所属と種牡馬から好走馬を探し出す 京大競馬研の本命はヒンドゥタイムズ

京都大学競馬研究会

日経新春杯の所属別成績

ⒸSPAIA

栗東勢に有利なレース!

1月14日(日)に日経新春杯(GⅡ・芝2400m)が京都競馬場で行われる。今年は重賞2勝馬サトノグランツ、ダービー3着ハーツコンチェルト、菊花賞4着リビアングラス、函館記念3着ブローザホーンなど注目の馬が揃った。過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。

日経新春杯の所属別成績(京都開催時),ⒸSPAIA


まず、京都競馬場で行われた直近10回の日経新春杯における所属別成績を調べた。ここでは栗東所属馬の方が好成績を挙げていることが分かる。

美浦所属馬は【1-0-2-16】で勝率、連対率5.3%、複勝率15.8%。今年はハーツコンチェルト、ブローザホーン、ハーツイストワール、シンリョクカ、ナイママが該当する。これに対して栗東所属の馬は【9-10-8-97】で勝率7.3%、連対率15.3%、複勝率21.8%。栗東所属馬が全ての指標で美浦所属馬を上回っている。

京都芝2400mに適性がある種牡馬は?

京都芝2400mの種牡馬別成績,ⒸSPAIA


次に、2011年以降の京都芝2400mにおける種牡馬別成績について調べた。最初に注目したいのはハービンジャー産駒だ。【6-10-4-37】勝率10.5%、連対率28.1%、複勝率35.1%で、単勝回収率は200%、複勝回収率は102%と優秀な成績を残している。ヒンドゥタイムズとカレンルシェルブルが該当する。

次に注目したいのはディープインパクト産駒。こちらも【37-23-21-116】で勝率18.8%、連対率30.5%、複勝率41.1%、単勝回収率89%、複勝回収率77%と優秀だ。ディアスティマとレッドバリエンテが該当する。

ハーツクライ産駒は【15-14-14-98】で勝率10.6%、連対率20.6%、複勝率30.5%、単勝回収率71%、複勝回収率59%。先述した2頭には劣るがまずまずの成績だ。ハーツコンチェルト、ハーツイストワールが該当する。また、サンプル数は少ないものの、サヴォーナとリビアングラスなどが該当するキズナ産駒は【0-0-4-5】で複勝率44.4%となっている。

好走条件を満たす馬を中心に

◎ヒンドゥタイムズ
栗東所属のハービンジャー産駒。前走京都大賞典は展開的に恵まれていない中で、3着とクビ差の4着。先着を許した3頭プラダリア、ボッケリーニ、ディープボンドはGⅠ戦線で勝負しているような馬たちだった。

この馬が得意とするのは上がりがかかる展開で、自身の上がりが35秒以上のレースでは9戦中8戦で「馬券内もしくは0.6秒差以内の敗戦」に留めている。唯一の大敗はこの馬向きではない小回り、かつGⅠの大阪杯だった。今開催の京都芝は開幕週からかなり時計がかかる状態であり、複数のジョッキーが馬場の緩さを指摘していることからも、上がりのかかる競馬が得意なこの馬にとっては絶好の条件になる。

近走はなかなか行き脚がつかず末脚勝負になることも多く、小回りより直線が長めのコースの方がこの馬にとってはプラス。また小倉大賞典を勝利しているように直線平坦コースも合うので、京都芝2400mは絶好の舞台だろう。相手関係としては4歳馬が人気を集めそうだが、まだ不安な点がある馬も多く、本馬は前走くらい走れば通用する可能性は十分ある。8歳馬でも衰えは感じられず調教も良い。鞍上のルメートル騎手も技術的な不安は大きくはない。上手くエスコート出来ればチャンスはある。

◯レッドバリエンテ
栗東所属のディープインパクト産駒。前走は得意としない関東圏での競馬かつ、直線序盤でかなり詰まっていながら0.4秒差の7着。展開が向いたことなどを加味しても評価したい内容だった。輸送が得意なタイプではなく東京、中山以外での成績は【4-2-2-1】で、唯一の馬券外も未勝利戦時代のもの。ディープインパクト産駒でありながら上がりのかかる展開でも好走しており、熊野特別では重馬場で2着に0.7秒差を付けて勝利。今の京都コースにも対応可能だ。鞍上が中内田厩舎で昨年2番目に勝利の多かった西村淳也騎手に替わるのも期待できる。ハンデも55kgと軽めで、持っている能力に対してかなり有利な斤量だ。

▲カレンルシェルブル
栗東所属のハービンジャー産駒。近走は2000mを中心に使われているが、そこでは追走に苦しみ最後方から追い込む競馬しか出来ておらず、この距離延長はプラスだ。遡れば2200mのセントライト記念4着、2400mの緑風S2着など2000mより長い距離にも実績がある。キレ勝負よりは上がりが多少かかったほうがいいタイプで、今の京都コースは間違いなく合う。鞍上も武豊騎手に乗り替わり。どれ程の人気になるかは読めないが、距離延長と鞍上強化がハマれば4歳馬を上回ることは十分可能だろう。

△ブローザホーン
能力は高い。心房細動明けだけが不安点。

×サヴォーナ
前走はスタートで後手を踏んだ。ある程度前目で競馬出来ればチャンスはある。

×シンリョクカ
近走内容は悪くなく、この馬の走りが出来れば一発あってもおかしくない。

買い目は◎-◯▲△×の馬連、3連複流しで勝負。3年連続3回目の日経新春杯の担当になりますが、今回は過去になく穴馬たちで勝負。個人的には過去2回と比べても上位人気馬の不安は大きいように感じる。

▽日経新春杯予想印▽
◎ヒンドゥタイムズ
◯レッドバリエンテ
▲カレンルシェルブル
△ブローザホーン
×サヴォーナ
×シンリョクカ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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