【競馬】西村淳也騎手とのコンビは単勝回収率178% 杉山晴紀調教師の「買える条件・買えない条件」

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杉山晴紀調教師の条件別成績,ⒸSPAIA

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初のリーディングトレーナーに輝いた杉山晴紀調教師

2023年のリーディングトレーナーに輝いた杉山晴紀調教師。20年にはデアリングタクトで無敗の牝馬3冠を達成し、昨年もジャスティンパレスやエルトンバローズでGⅠひとつを含む重賞4勝を挙げた。今回の記事ではそんな初のリーディングを獲得し、勢いに乗る杉山調教師の「買える条件・買えない条件」についてデータで徹底検証していく。(参照するデータは2019年1月12日~2024年1月8日の過去5年分)

西村淳也騎手とのコンビは要マーク

杉山調教師の「買える条件」,ⒸSPAIA


<杉山調教師の「買える条件」>
西村淳也騎手【24-14-8-65】勝率21.6%/連対率34.2%/複勝率41.4%
東日本遠征【54-41-34-292】勝率12.8%/連対率22.6%/複勝率30.6%
芝1800m以上【79-58-55-362】勝率14.3%/連対率24.7%/複勝率34.7%
芝×中9週以上【29-17-23-116】勝率15.7%/連対率24.9%/複勝率37.3%

この章では杉山調教師の管理馬の買える条件について検討する。

杉山調教師を語る上で欠かせないのが、西村騎手との黄金コンビ。勝率21.6%、複勝率41.4%という成績はそれだけでも非常に優秀だが、単勝回収率178%、複勝回収率100%と妙味も十分だ。このコンビではエルトンバローズでレーベンスティールやソングラインなどの断然人気の馬を破って重賞2勝を挙げている。今年もエルトンバローズやガイアフォースなどの有力馬が多く揃っており、大舞台でのこのコンビの活躍に期待だ。

また東日本への遠征でも成績が全く落ちない。西日本では勝率11.3%、複勝率30.8%なのに対して、東日本では勝率12.8%、複勝率30.6%と遜色ない成績だ。東日本での単勝回収率は117%とプラス域であり、わざわざ遠征するということは勝負度合いが高いということなのだろう。該当馬を見かけたら積極的に狙いたい。

他にも芝の中長距離戦を得意としており、芝1800m以上なら勝率14.3%、単勝回収率119%とベタ買いするだけでプラスだ。特に成績が良いのが、東京芝1800mと小倉芝2000m。東京芝1800mでは【5-2-0-8】で勝率33.3%、単勝回収率323%、小倉2000mでは【11-6-6-29】で勝率21.2%、単勝回収率110%を記録している。

休み明けできっちり結果を残すのも特徴だ。芝で前走から中9週以上の馬は【29-17-23-116】で勝率15.7%、単勝回収率198%、複勝回収率110%。休み明けを嫌われる分、オッズに妙味が生まれている形だ。「長期休み明けは逆に狙い目」ということはしっかり頭に入れておきたい。

ダートやスプリントでは苦戦傾向

杉山調教師の「買えない条件」,ⒸSPAIA


<杉山調教師の「買えない条件」>
ダート【79-102-75-625】勝率9.0%/連対率20.5%/複勝率29.1%
芝1200m【5-6-3-66】勝率6.3%/連対率13.8%/複勝率17.5%
5歳以上【17-16-25-224】勝率6.0%/連対率11.7%/複勝率20.6%

次に買えない条件について。この章では杉山調教師の管理馬の勝率が10%以下の条件を取り上げる。

芝では【125-88-77-625】で勝率13.7%、単勝回収率108%と非常に優秀な成績を残しているが、ダートだとそれが勝率9.0%、単勝回収率67%にまで落ち込んでしまう。また、ダートでは1着79回に対して、2着102回と芝に比べて勝ちきれない競馬が目立っている。

距離に関しても中長距離戦を得意としている以上、どうしてもスプリント戦の成績は見劣りしてしまう。特に芝1200mでは勝率6.3%、単勝回収率25%、複勝回収率46%と、過剰人気している傾向が見られる。前走も1200mだと【1-0-1-32】とほとんど結果を残せておらず、スプリント戦では、前走からの距離短縮組を狙うのが良いだろう。

また4歳以下と5歳以上で成績に大きな差があるのも特徴。4歳以下の馬は芝とダート合わせて勝率12.5%、複勝率32.5%なのに対し、5歳以上の馬は勝率6.0%、複勝率20.6%と大きく成績が落ちる。芝に限定すると【6-3-8-99】で勝率5.2%、複勝率14.7%とさらに落差は大きくなる。思い返せば、杉山厩舎の代表馬・デアリングタクトも5歳以降は苦戦を強いられた。ジャスティンパレスやガイアフォースなどの主力級が5歳を迎える今シーズンは、杉山調教師にとって試金石となるのは間違いないだろう。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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