【東京大賞典予想】鍵は大井の砂への対応力 キングズソードが世界王者撃破で世代交代へ
菊池敬太
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ダート競馬の総決算
2023年12月29日(金)に大井競馬場で東京大賞典(GⅠ・ダ2000m)が実施される。10年ぶりに9頭立て(2013年は10頭立てから1頭取り消し)となったが、ドバイワールドカップを制して世界王者に輝いたウシュバテソーロをはじめ、JBCクラシックを4馬身差で圧勝したキングズソード、2001年のトーシンブリザード以来となる無敗での南関東三冠を達成した大井のミックファイアなど、年の瀬の大一番にJRAと地方から実績馬が集結した。過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す。
過去10年では、1番人気が【4-3-2-1】と勝率、連対率、複勝率、全てでトップ。2番人気は【2-3-2-3】、3番人気は【3-1-2-4】で、ともに連対率は40%以上。連対馬20頭中16頭が3番人気以内と上位人気の信頼度は高い。
JRA所属馬が全10勝を含む連対馬18頭(栗東15、美浦3)と圧倒的に有利。地方馬は2019年のノンコノユメ(大井)と2020年のカジノフォンテン(船橋)が2着に好走している。
年齢は4、5、7歳馬がそれぞれ5連対でトップタイ。特に5歳馬が4勝、4歳馬も3勝を挙げ、この2世代の活躍が目立つ。以下は6歳馬が3連対、3歳馬が2連対だった。
実績面は連対馬20頭中14頭がGⅠ(JpnⅠ)勝ち馬で、17頭がGⅠ(JpnⅠ)で連対歴があった。JRA所属の連対馬18頭中17頭が前走でGⅠ(JpnⅠ)に出走。地方所属の2頭はともに前走の勝島王冠で連対していた。脚質は【逃げ2先行9差し8追込1】と、先行・差しと好位で立ち回れる馬が活躍している。
キングズソードが真の砂王者へ
◎キングズソード
栗東所属の4歳馬。前走のJBCクラシック(大井)は、3番手からメンバー最速の末脚を繰り出し完勝。2~4着馬にGⅠ・JpnⅠ勝ち馬が続く中、圧勝劇をやってのけた。砂を入れ替えたコースに対応した点は強調材料で、東京大賞典と同じ舞台を経験しているのも魅力。実績、年齢、脚質面で好データに合致しており、世界のダート王を撃破して真の王者へ名乗りを上げる。
◯ウシュバテソーロ
昨年の覇者。今年のドバイワールドカップを制覇し、またたく間に世界のダート王の座へ上り詰めた。前走のBCクラシック(米GⅠ)は5着に敗れたが、国内のダートグレード競走では3戦3勝。力が要るオーストラリア産の白い砂は船橋コースで経験済みだ。海外帰りで仕上がり具合がポイントになるが、帰国後は順調に調教メニューを消化。自慢の爆発力で史上5頭目の連覇も十分ありうる。
▲ノットゥルノ
栗東所属の4歳馬。一進一退の成績が続くが、この舞台はジャパンダートダービー勝ちを含め【1-2-0-1】と相性がいい。前走のチャンピオンズカップは出遅れて力が発揮できなかったが、2走前のJBCクラシックでは積極策で2着に粘った。鞍上には有馬記念をドウデュースで制した武豊騎手を迎え、3戦ぶりのコンビ復活。名手の手綱さばきで久々のGⅠタイトルを狙う。
ほか、ウィルソンテソーロは前走のチャンピオンズカップで鋭い末脚を見せて2着。2走前のJBCクラシックは5着に敗れたが、巻き返してもおかしくない。ドゥラエレーデはチャンピオンズカップで3着に好走。逃げた勝ち馬をマークして0秒3差と上々の内容だった。ダート戦に限れば3戦全て3着以内を確保しており、また、B.ムルザバエフ騎手とは昨年のホープフルステークスを14番人気で制したコンビ。芝・ダートGⅠ制覇の快挙を達成するか注目だ。
大井のミックファイアは南関東三冠を含め、デビューから7戦無敗。遠征で減った馬体重の回復に時間がかかり、JBCクラシックとチャンピオンズカップを回避したが、そのぶん順調な調整を見せている。古馬一線級と初対決で過信はできないが、地元の利を生かせれば好勝負が可能だ。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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