【競馬】3連単の最高額は1773万円 2023年中央競馬の高額配当ランキング
緒方きしん
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2023年の高配当レースを振り返る
2023年の中央競馬もついに終了。イクイノックスやリバティアイランドといった超有力馬が人気に応えたレースなど、GⅠでは平穏決着が印象に残るなか、当然ながら人気馬が敗れ高配当が飛び出したレースもある。今回は2023年の高配当ランキングを振り返っていく。
単勝&複勝ランキング! 最高配当は単勝「3万2,810円」、複勝「1万8,020円」
2023年の単勝払戻金ランキングは下記の通り。
1位 9月3日 3万2,810円(新潟・未勝利・芝2200m)
2位 7月9日 3万2,620円(福島・未勝利・ダ1700m)
3位 5月27日 2万6,280円(東京・2勝クラス・ダ1400m)
2022年の単勝ランキングは上位をダートの条件戦が占めていたが、今年のトップは芝の未勝利戦となった。鞍上の水沼元輝騎手は2023年に8勝をあげたが、そのうち6勝が3歳馬と、若駒との相性の良さが目立った。同騎手は単勝配当ランキング第6位(2万1,500円)にも入っており、アッと驚く騎乗が多く、12月には障害戦でも勝利をあげていて、今後も注目したい騎手だ。
単勝ランキングTOP8のうち7戦が3歳未勝利戦。トップの新潟未勝利戦の勝ち馬ケイツークローンはセン馬だったが、他は全て牡馬と、大穴馬券はやや偏った結果となった。単勝配当が最も高額となった牝馬は、小倉2勝クラスのダ1700m戦で勝利したグラストンベリー。重賞で最も波乱となったのはセントウルSで、単勝配当は1万1,260円。勝利したのはテイエムスパーダだった。
続いて複勝払戻金ランキング。
1位 5月13日 1万8,020円(京都・未勝利・芝1800m)
2位 7月23日 1万1,090円(札幌・未勝利・芝1200m)
3位 4月23日 9,760円(東京・未勝利・芝1400m)
複勝ランキングのトップは1万8,020円で、これはJRA史上トップでもある。単勝1.6倍のスイープアワーズが馬券圏外に敗れた一戦で、2着馬ニホンピロパークスが記録を樹立した。複勝ランキングの上位3頭は全て未勝利戦で、上位2頭は「牝馬×2着」と条件が一緒だ。また、2022年のTOP3は全てダート戦だったが、2023年はTOP3が全て芝レースだった。
セオリー通り、斤量有利な伏兵馬の激走が多かった。ランキング2位のブランディー(土田真翔騎手、配当1万1,090円)は51キロ、4位のワイドブリザード(佐藤翔馬騎手、配当8,070円)は53キロ、11位のサンドロップ(小林美駒騎手、配当5,570円)は50キロだった。また、M.デムーロ騎手がフルラインナップ(2,070円)、サンライズアース(1,700円)、ショウナンラウール(1,690円)と伏兵を上位に持ってきていたのも興味深い。
枠連&ワイドランキング! 最高配当は枠連「14万9,110円」、ワイド「9万7,200円」
次は枠連払戻金ランキング。
1位 7月9日 14万9,110円(福島・未勝利・ダ1700m)
2位 4月29日 8万400円(新潟・1勝クラス(牝)・芝1600m)
3位 9月17日 6万1,130円(阪神・1勝クラス・ダ1800m)
枠連はJRA記録を53年ぶりに更新。逃げと2番手につけた5枠2頭による決着でJRA史に名を残した。3着馬は単勝1.9倍の人気馬だったが、3連単も227万5,680円の高額払い戻しとなった。勝ち馬はエーシントップ産駒のボールドトップ。13番人気での激走だったが、昇級後も6、8着と健闘している。エーシントップ産駒には地方で10連敗を喫しながらもJRAに転入して2戦目で2勝クラスを制したエイシンエイトなど型破りな馬が多く、注目したい。
ランキング4位はリステッド競走の淀短距離S。こちらは9番人気ホープフルサインと8番人気カルネアサーダの決着で、2頭は同枠であった。重賞では阪神牝馬Sが6番人気サウンドビバーチェと10番人気サブライムアンセムの決着で1万3,450円となっているが、こちらは同枠ではなく7枠と1枠の決着だった。
続いてワイド払戻金ランキング。
1位 5月27日 9万7,200円(東京・2勝クラス・ダ1400m)
2位 7月23日 7万5,830円 (札幌・未勝利・芝1200m)
3位 8月12日 7万1,500円(小倉・オープン・ダ1700m)
ワイドは1位が5-14、2位が10-13、3位が6-13と、外枠の絡みが目立った。3位のオープン競走(阿蘇S)は1着が約3ヶ月後にJBCクラシックを制するキングズソードで1番人気1着と、一見すると平穏決着だが、殿人気のダンツキャッスルが3着に入ったことで配当が跳ね上がった。
ワイドは配当1位のレースも1番人気馬が2着、2位のレースも2番人気馬が1着と、人気馬が好走した上で伏兵が上位に進出している。また、3位のレースは2着馬キングカメハメハ産駒、3着馬ルーラーシップ産駒と、父子の種牡馬で波乱を巻き起こした。
馬連&馬単ランキング! 最高配当は馬連「28万6010円」、馬単「62万180円」
次は馬連払戻金ランキング。
1位 8月20日 28万6,010円(札幌・1勝クラス(牝)・芝2000m)
2位 7月9日 27万9,440円(福島・未勝利・ダ1700m)
3位 1月9日 20万2,460円(中山・未勝利・ダ1800m)
2023年は馬連で20万馬券が3度飛び出した。上位3レース全てがダート戦だった2022年とは異なり、2023年は芝レースがトップ。4位(19万9,460円)のレースも芝1800m、8位(13万6,790円)のレースも芝1200mと、波乱の芝レースが目立った。
また、3位のダート1800m戦は1着が横山和生騎手、2着が杉原誠人騎手と、重賞勝利もある騎手同士の決着ながら波乱となった。ちなみに、この日の杉原誠人騎手は絶好調で、5、11レース(フェアリーS)と計2勝をあげた。
続いて馬単払戻金ランキング。
1位 7月9日 62万180円(福島・未勝利・ダ1700m)
2位 8月20日 60万3,270円(札幌・1勝クラス(牝)・芝2000m)
3位 1月9日 47万1,060円(中山・未勝利・ダ1800m)
馬連ランキングと顔ぶれは同じだが、1位と2位が入れ替わった。後方からの競馬でデビューから8、10着と苦戦していたボールドトップを先行させ、勝たせた原優介騎手の手綱捌きはお見事。年間勝ち星が2020年から3勝→16勝→14勝ときて2023年は26勝と飛躍。チャンピオンズCでは12番人気のウィルソンテソーロを2着に持ってきたことでも話題を呼んだ。
3連複&3連単ランキング! 最高配当は3連複「144万600円」、3連単「1,773万円」
続いて3連複払戻金ランキング。
1位 8月20日 144万600円(札幌・1勝クラス(牝)・芝2000m)
2位 12月2日 101万3720円(中山・1勝クラス・ダ1200m)
3位 6月18日 96万4370円(函館・1勝クラス・芝1200m)
2023年は3連複で100万オーバーの馬券が2度飛び出した。1位が214万1,740円、2位が162万3,870円と高配当が続出した2022年と比べるとやや物足りないとも言える。
印象的なのは富田暁騎手。1位のレースでは1着、3位のレースでは3着と、穴馬を2度馬券圏内に持ってきた。1年を通じて14番人気馬を5度も馬券圏内に導く手腕は本物で、条件も芝1200mや芝2000m、ダ1700mやダ1800mと多岐にわたる。今年のさらなる飛躍にも期待だ。
フィナーレを飾るのは3連単ランキング。
1位 8月20日 1,773万円(札幌・1勝クラス(牝)・芝2000m)
2位 12月17日 1,764万9,380円(中山・未勝利・ダ1800m)
3位 12月2日 1,353万390円(中山・1勝クラス・ダ1200m)
3連単は3連複とは逆に、1位1,460万40円、2位864万8760円の2022年を凌駕する結果となった。昨年は重賞ファンタジーSでも1着15番人気カルチャーデイ、3着12番人気シカゴスティングが入ったため、230万6,370円と高配当が出た。シカゴスティングに騎乗していた鮫島克駿騎手は、他にも3勝クラス、1勝クラス、新馬戦と様々なレースで12番人気馬を馬券圏内に持ってきている。特に8歳馬ゼーゲンを芝3000mの3勝クラスで勝利に導いたことは印象に残っている。
2023年は前年よりも芝の大荒れレースが目立った印象を受ける。今回取り上げた騎手や条件を参考に、2024年ではビッグな馬券を手にしたい。
ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。
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