【有馬記念】3連勝中の黄色帽子が今年も駆ける 京大競馬研の本命はジャスティンパレス
京都大学競馬研究会
ⒸSPAIA
抽選会で明暗分かれる 戦法が限られる外枠は不振
12月24日(日)に中山競馬場で有馬記念(GⅠ)が行われる。二冠牝馬のスターズオンアースや天皇賞(春)勝ち馬タイトルホルダー、ジャスティンパレス、3世代のダービー馬など、引退したイクイノックス以外のトップホースがほぼ全て集まる見栄えのあるメンバー構成となった。
馬のレベルが高め、かつ混戦のため、馬券的中の難易度や予想のしがいも上がっており、筆者としてはこういう「当たると嬉しいレース」を待ち望んでいたところだ。2023年最後の予想記事執筆となる。いい配当の馬券を当てて締めくくりたい。
まずは過去10年の枠順別成績を調べた。多数の記事で取り上げられているデータだが8枠【0-0-1-19】は他枠と比べて明らかに成績不振。唯一馬券になった2018年3着シュヴァルグラン(15番)は、前に1番人気レイデオロを置き、一緒に伸びて3着。ピンク帽の上位進出には人気馬をマークする以外戦法がないことが分かる。13番に上位人気が予想されるタスティエーラがいるため、これをどの馬がマークできるかがカギになる。
そのタスティエーラがいる7枠も【0-1-3-16】と外枠不利を打ち消しきれない結果となっており、アタマ狙いは厳しそうだ。良枠と言えそうなのは5枠【3-2-1-14】、3枠【2-2-1-15】で、近3年は5枠の1番人気が3連勝中。ジャスティンパレスは非常に縁起のよい枠に入ったのではないだろうか。
近年は間隔を空けたローテが主流も、前走ジャパンC組も無視は禁物
次に過去10年の前走レース別成績を調べた。3連覇しているのが前走天皇賞(秋)組で【3-2-1-12】、3着以内の馬に限ると【3-1-1-2】。天皇賞で上位になる馬は単純に能力上位であるため、ここでも当然走ってくるというわけだ。
前走ジャパンC組は【2-2-4-44】。頭数が多く、また近年はゆとりを持ったローテが主流になっているため複勝率は15.4%しかない。しかしハイレベルなジャパンCの上位馬がここでも通用することに疑いはなく、2018年までは毎年1頭以上が馬券に絡んでいたことから、天皇賞組ほどではないにせよ評価したい。
3歳勢のほとんどがここからやってくる、前走菊花賞組は【2-2-2-7】。収得賞金の都合上、ほぼ菊花賞上位馬しか有馬記念に参戦してこないため当然の好成績。しかし、馬券になった6頭に春のクラシックを取った馬はゼロ。20年前まで遡るとゴールドシップやオルフェーヴル、ディープインパクトなどがいるが、彼らは二冠馬あるいは三冠馬だ。同世代に敵がいないほどの実力馬か、秋に大きく力をつけた馬が勢いそのままにという例が多いため、菊花賞で完敗だったタスティエーラ、ソールオリエンスを積極的には買いたくない。
予想は私情抜きで マイナスのない馬を評価
◎ジャスティンパレス
春の天皇賞馬。今年に入ってからの充実ぶりは目を見張るものがあり、特に天皇賞(秋)は展開に恵まれたとはい、それまで使えなかった鋭い末脚で2着まできた。これには非常に驚いた。距離延長はもちろん歓迎で、2歳時に結果を出した中山コースになることもプラス。枠順の並びからおそらく1番人気になりそうで、3連覇中の5枠1番人気になることも好材料。天皇賞(秋)からの臨戦過程も良く、不利がなければ勝ち負け出来るだろう。
◯ドウデュース
天皇賞(秋)では本命を打つもかかって大敗。叩いて良くなったジャパンCは4着と本来の力を出しており、実力は落ちていない。ジャパンC最先着スターズオンアースは枠順抽選会で厳しい枠(8枠16番)に入ったため、必然的にこの馬が繰り上がってくる。小回り自体は京都記念でクリアしており、枠も良好。ジャスティンパレスほどの勢いはないが、武豊騎手に戻って更に前進可能だ。予想とは別に単勝はしこたま買うが、更なる距離延長に課題があるため対抗まで。
▲タイトルホルダー
GⅠ・3勝馬のラストラン。有馬記念では結果が出ていないが、一昨年は枠、昨年は展開に恵まれなかったもので、あまり悲観する必要はないだろう。皐月賞2着、今年の日経賞でぶっちぎったように中山への適性は高く、距離延長も歓迎だ。今年は枠にも恵まれ、前走より状態も上がっているため本来の走りが出来そう。人気ほど実力は落ちておらず、闘志が残っていれば当然、上位に食い込める馬だ。
△シャフリヤール
BCターフ3着。香港の取り消し明けでローテが狂ったことはマイナスだが、小回りのサンタアニタをこなせる馬が、中山がダメとは思えない。好枠から巻き返しを狙う。この馬ももう5歳秋、現役期間は長くは残されていないだろう。ここでもう一花咲かせたい。
×タスティエーラ
菊花賞は完敗の2着。春の二冠が全く当てにならない結果となったが、立ち回りの巧さで馬券圏内入りは可能。枠が良くなく、能力的にまだ疑問を持っている。アタマでは信用したくない。
×プラダリア
タスティエーラの後ろから漁夫の利が狙える穴馬。両枠の並びに恵まれた。
消スターズオンアース
大外枠に入ってしまった二冠牝馬。枠克服のためには有力馬のマークが求められるが、隣の池添騎手もそうはさせまいと激しい抵抗が予想される。タスティエーラの後ろを取るために大きな労力が必要になりそうで、力を十分に発揮できないと判断した。
馬券は3連単◎◯▲→◎◯▲△→印6頭の計36点で勝負する。思い思いの馬券を購入し、皆が楽しめるレースになることを期待する。(文:福山)
予想印 有馬記念
◎ジャスティンパレス
◯ドウデュース
▲タイトルホルダー
△シャフリヤール
×タスティエーラ
×プラダリア
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
《関連記事》
・【有馬記念】スターズオンアースとソールオリエンスは消し ハイブリッド式消去法
・【有馬記念】複勝率7割、単回収率1000%超の最強タッグを発見 データで導く穴馬候補3頭
・【有馬記念】過去10年のレース結果一覧
おすすめ記事