【有馬記念】スピードの持続力が問われる一戦 東大HCの本命はジャスティンパレス
東大ホースメンクラブ
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グランプリホースに輝くのは
今週日曜日は中山競馬場でGⅠ・有馬記念が行われる。年末の風物詩、一年のGⅠ戦線の総決算たるこのレースに、天皇賞(秋)2着ジャスティンパレス、ジャパンC3着スターズオンアース、ダービー馬で皐月賞と菊花賞2着のタスティエーラ、皐月賞で衝撃の末脚を見せたソールオリエンス、凱旋門賞で4着に大健闘したスルーセブンシーズ、他にもドウデュース、タイトルホルダー、シャフリヤールなど、グランプリと呼ぶにふさわしい豪華メンバーが出走予定だ。
世界最強ホース・イクイノックスがジャパンCをもって引退。王者の席が空いた今、どの馬が新時代をつくるか。2分30秒のドラマを楽しみにしつつ、中山芝2500mというコースの特性を考えながら、馬券戦略を検討していく。
持続力に注目
<有馬記念 4角通過順別成績>
1〜4番手【8-3-4-35】勝率16.0%/連対率22.0%/複勝率30.0%
5〜9番手【2-6-3-36】勝率4.3%/連対率17.0%/複勝率23.4%
10番手〜【0-1-3-59】勝率0.0%/連対率1.6%/複勝率6.3%
※過去10年
直線の短い中山競馬場で行われるレースだけに、ラストスパートを迎えるまでにいいポジションを取れるかが重要なのは言うまでもない。これはデータにも如実に表れており、近10年は4番手以内で直線に入った馬が8勝。勝率16.0%、複勝率30.0%をマークしている。
このうち3コーナー(2周目。以下同じ)でも4番手以内だった馬は【4-1-3-28】だが、5番手以下だと【4-2-1-7】で、凡走例が一気に減る。3コーナーまでは脚をため、そこからマクリ気味に進出した馬たちが勝利をモノにしていることがわかる。一瞬の加速力というよりは、加速した後もトップスピードを持続させられるタイプが好走しやすい。
次いで連対例の多い4コーナー5〜9番手の馬についても検討する。注意すべきは、3コーナーで4番手以内だった馬が【0-0-0-8】と全滅していること。3コーナーまで良いポジションを取れていても、各馬のギアが上がる4コーナーで自らもしっかり加速できないとリカバーは難しい。また、この組は5番人気以内が【2-4-3-9】複勝率50.0%と好走例の多くを占めており、6番人気以下は【0-2-0-27】。人気薄の馬が差して激走することは考えづらい。
さらなる成長、グランプリ獲りだ
◎ジャスティンパレス
宝塚記念はイクイノックス、スルーセブンシーズにこそかわされたが、4コーナー9番手からじわじわと前に迫り0秒2差の3着。前走の天皇賞(秋)はスタートで後手を踏み、後方2番手での競馬を強いられたが、そこから直線で懸命に脚を伸ばして2着に入り、国内トップレベルの能力を改めて示した。
今年のレースで目立つのは、トップスピードが長く持続すること。昨年の有馬記念では7着に敗れているが、古馬となって阪神大賞典、天皇賞(春)と連勝したように一回りも二回りも成長した。今年こそは上位争い必至だ。継続騎乗の横山武史騎手は一昨年にエフフォーリアでグランプリ制覇の実績がある。近走は後ろからの競馬が続くが、春の2戦は4コーナーで前目につけられているだけに、当日どんな動きを見せてくれるかにも注目したい。
◯タスティエーラ
日本ダービーは4番手を進み残り200mで前に出ると、差してきたソールオリエンスやハーツコンチェルト、ベラジオオペラらの猛追を凌ぎ切った。レースの流れに乗って良いポジションを取れたということが大きい。皐月賞、菊花賞でも2着と力は発揮している。持ち味は高い瞬発力ではなく、一度乗せたスピードを長く持続させられること。有馬記念向きだろう。今年の3歳クラシック戦線を牽引してきた存在であり、古馬のトップホースたち相手でも侮れない存在だ。
▲ドウデュース
昨年のダービー馬で、イクイノックスが生涯で先着を許した2頭のうちの1頭。京都記念の圧勝は鮮烈で、古馬GⅠでの激戦演出を期待させるものだったが、ドバイターフは無念の出走取消。秋初戦の天皇賞(秋)は4番手で進めたことで体力を消耗してしまい7着も、これがガス抜きとなったかジャパンCでは4着(2着リバティアイランドから0秒2差)と着実に良化している。鞍上はこのレースを過去に3勝し、かつデビューから京都記念まで一貫して騎乗してきた、有馬記念とドウデュースをともに知り尽くす武豊騎手。武騎手が久々に乗る今回はさらに期待してよいだろう。3枠5番と枠も悪くない。復活のチャンスは十分だ。
△スターズオンアース
これまで走った11戦全てで馬券圏内を確保しているように、高い実力を堅実に発揮し続けてきた牝馬。牝馬三冠や今年の大阪杯では中団〜後方で脚を溜め瞬発力にかける競馬をしてきたが、ここ2戦は前目につける競馬に挑戦し、ともに3着に入った。追い切りを見てもデキ落ちはなく、今回も同じスタイルで臨めば実力を発揮できるだろうが、鬼門の8枠16番を引いてしまった。ここは押さえ程度にとどめたい。
以下スルーセブンシーズ、ソールオリエンスまで印を回す。馬券は◎軸、◯以下相手の3連複で勝負する。
▽有馬記念予想▽
◎ジャスティンパレス
◯タスティエーラ
▲ドウデュース
△スターズオンアース
×スルーセブンシーズ
×ソールオリエンス
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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