【朝日杯FS】人気と前走4角位置から難解なレースを分析 京大競馬研の本命はシュトラウス
京都大学競馬研究会
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3番人気までは安定した成績
12月17日(日)に朝日杯FS(GⅠ・芝1600m)が阪神競馬場で行われる。東スポ杯2歳S勝ち馬シュトラウス、デイリー杯2歳S勝ち馬ジャンタルマンタル、秋明菊賞勝ち馬ダノンマッキンリーなど注目の馬が揃った一戦、過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。
阪神開催の過去9年の朝日杯FSにおける人気別成績について調べた。ここでは3番人気までの成績が特に優秀であることが分かる。
1番人気は【4-2-2-1】で馬券外は牝馬のミスエルテ(2016年4着)のみ。2番人気【2-3-1-3】、3番人気【1-1-2-5】もそれぞれ半数ほどは馬券に絡んでいることから、最低限どちらかは予想に組み込むべきだろう。今回であればジャンタルマンタルが1番人気、シュトラウス、ダノンマッキンリーが2、3番人気になる可能性が高い。
4~5番人気の成績は【0-0-1-17】で、馬券に絡んだのは2021年3着ダノンスコーピオンのみ。あまり高い評価をするべきではない。今年はセットアップ、エコロヴァルツが該当しそうなところだ。
6~9番人気の馬は【2-2-0-32】で、複勝率は11.1%とあまり高いわけではないが、勝ち馬や連対馬は出ている。10番人気以下は【0-1-3-62】で複勝率は6.1%となっており、組み込むとしても1頭程度に留めるのがいいだろう。
前走好位で競馬した馬に要注目!
次に前走4角位置別成績について調べると、前走好位で競馬していた馬が好走傾向にあることが分かる。
前走4角位置が2~4番手の馬は【8-4-5-45】。過去9年で8頭の勝ち馬を輩出している。ジャンタルマンタル、シュトラウス、オーサムストローク、タガノエルピーダなどが該当する。
これに比べるとやや劣るが、同5~9番手の馬は【1-4-2-45】とそれなりの成績を残している。ダノンマッキンリー、エンヤラヴフェイスなどが該当する。10番手以下だった馬は【0-1-1-10】と勝ち馬こそ出ていないものの複勝率16.7%。そこまで悪い成績ではない。今年はナムラフッカーが該当する。
成績不振なのが前走4角1番手の馬で【0-0-1-20】。好走は人気薄で3着に入ったボンセルヴィ―ソ1例のみで、大半は厳しい結果に終わっている。セットアップ、エコロヴァルツの2頭が該当馬だ。
好走条件を満たす馬を中心に
◎シュトラウス
想定2~3番人気、前走4角3番手と好走条件を満たす。ブルーメンブラットの仔に関して言えることはシンプルで、「能力はとてつもなく高いが気性面に大きな課題を抱えている」ということ。特にこの馬は能力の高さ、気性の荒さ双方できょうだい一のものがある。新馬戦で持ったまま1.5秒差を付け、ちぐはぐな競馬でゴンバデカーブース、ボンドガールと接戦を演じる能力はあるものの、世界の名手レーン、ルメール、モレイラを以てしても折り合い面に課題を見せた。
ただ、前走は展開等の有利やメンバーレベルの低さがあったとはいえ1800mの東スポ杯を快勝。新馬戦に比べれば気性面の成長は見て取れた。レースや調教などを見る限り、能力はメンバー中で間違いなくトップであり、自分の力さえ出せれば間違いなくここは通過点になる。
今回は気性面から前に行きたがるエコロヴァルツ、先行して結果を出してきたセットアップ、オーサムストロークが内に揃ったためペースが流れそう。気性面に不安がある本馬にすればありがたい展開になりそうだ。馬群に入れるよりも外をノビノビ走らせたほうがまだマシに思えるので、大外枠もプラス。鞍上マーカンド騎手はテン乗りで、過去3走と比べると若干折り合い面に不安はあるが、それでも技術はかなり高い騎手なので期待したい。
◯ジャンタルマンタル
想定1番人気、前走4角3番手。最大の魅力はレースセンスの高さで、キレ味に優れているワケではないが、好位で折り合ってそこから上手に抜け出す王道の競馬がしっかりとできる。前走も比較的外の馬場状態が良さそうだったなか、内から伸びて0.3秒差の快勝。内容面も高く評価できるものだった。直線に坂のあるコースは初めてだが、1800mをこなしたスタミナがあれば坂のある1600mには十分に対応できるだろう。先述したようにそこまでキレるタイプでもないので、前日に雨が降って多少なりとも時計がかかりそうなのは歓迎だ。
▲オーサムストローク
想定6~9番人気、前走4角2番手で好走条件を満たす可能性が高い。前走はスローな展開に恵まれた面もあり、高い評価はしにくい。しかし、未勝利戦の内容は優秀で、比較的ペースも流れた中山マイルを逃げて0.9秒差を付けた。スローより、流れて全体的に上がりのかかる競馬の方が向きそうで、今回は展開も味方するだろう。気性に若干の不安はあるが、セットアップ、エコロヴァルツらを行かせて3番手辺りから競馬できればチャンスはある。
△エンヤラヴフェイス
能力は高い。とにかく揉まれ弱いので8枠はプラス。
×ダノンマッキンリー
能力は高いが、距離延長はプラスではない。
×ナムラフッカー
前走距離短縮で一変。今回はもう少し位置を取りたい。
買い目は◎◯-▲△×の3連複4点と3連単マルチ24点で勝負する。
この世代の牡馬マイル路線で強いなと思ったのはゴンバデカーブース、ショーマンフリート、エコロブルームの3頭。まさかこの舞台に1頭も出てこないとは思ってもいなかった。ただ、この3頭でまだ重賞に出ていない2頭の名前は覚えておいて損はないと思う。
▽朝日杯FS予想印▽
◎シュトラウス
◯ジャンタルマンタル
▲オーサムストローク
△エンヤラヴフェイス
×ダノンマッキンリー
×ナムラフッカー
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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