【朝日杯FS】前走1600m重賞で先行した馬が堅実 東大HCの本命はジャンタルマンタル

東大ホースメンクラブ

朝日杯FSの主な前走芝レースの距離別成績

ⒸSPAIA

2歳マイル王者決定戦

今週日曜日、阪神競馬場でGⅠ・朝日杯フューチュリティステークスが行われる。デイリー杯2歳Sの覇者ジャンタルマンタル、東スポ杯覇者シュトラウス、秋明菊賞を快勝した2億4200万ホース・ダノンマッキンリー、札幌2歳S以来の競馬となるセットアップなどが集結した。

昨年は1、2、3番人気の堅い決着となったが、今年はどのようなレースが繰り広げられるか。阪神開催となった14年以降、過去9年のデータを参考に馬券戦略を検討する。

基本は前走マイル組

朝日杯FS、前走距離別成績,ⒸSPAIA


<過去9年の朝日杯FS 前走距離別成績>
1400m【1-2-3-47】勝率1.9%/連対率5.7%/複勝率11.3%
1600m【6-6-5-40】勝率10.5%/連対率21.1%/複勝率29.8%
1800m【1-1-1-14】勝率5.9%/連対率11.8%/複勝率17.6%
※前走ダート除く。その他【1-0-0-8】

このレースにおいて重要なのが前走距離。前走がマイル戦(芝のみ。以下同様)の馬は高い複勝率をマークしている。昨年の1〜3着馬も全てマイルからの参戦だった。内訳を詳しく見ると、中心は前走重賞組【4-6-4-25】複勝率35.9%。そこで逃げ先行した馬が【4-3-3-10】、かつ「上がり3F2位以内」もクリアしていれば【3-2-1-3】複勝率66.7%とさらに好走率が上がる。この9頭は平均人気2.2と人気馬ばかりだが、単勝回収率はプラス域(107%)。好位をとるレースセンスの良さと、そこから伸びる末脚を見せてきた馬は素直に買いだ。

前走マイル以外の馬は馬券に絡まないわけではないが、凡走率が高い。その限られた好走例はどのような馬だったのか。こちらも内訳を詳しく見る。

前走1400m戦組は前走1着だと【1-2-2-25】複勝率16.7%とまだチャンスもあるが、負けていると【0-0-1-22】とほぼ全滅。前走1800m組も同様で、前走1着【1-0-1-5】、2着以下【0-1-0-9】となっている。別距離組は前走1着馬を押さえ、負けた馬はバッサリ消してしまっていいだろう。

完成度の高さは随一

◎ジャンタルマンタル
新馬戦の勝ち時計1分47秒4は京都芝1800mの新馬戦史上最速。道中は好位に控えながらの競馬ができており、レースセンスの良さも垣間見えた。このとき2着だったキープカルムも次戦で未勝利をしっかり勝ち上がっている。本馬は2戦目のデイリー杯も道中は好位で運び、かつ上がり3F2位の脚を使って2馬身差の快勝。キャリアはまだ2戦しかないが、いずれも隙のないレースぶりで、すでに高い完成度を誇る。引き続きその安定感に信頼をおきたい。

◯ダノンマッキンリー
9月末に阪神の新馬戦でデビュー勝ち。次走の秋明菊賞でも1頭だけ違うスピードを見せつけ、勝ち時計も1分20秒7と優秀。ポテンシャルの高さが目を引く。これまで使われた2戦はいずれも1400m戦で、マイルへの対応を懸念されている。確かに14年以降、マイル以上の距離を経験していない馬が朝日杯を勝利した例はないが、馬券に絡んだ例は19年2着タイセイビジョンなど複数存在する。相手に組み込みたい。

▲エコロヴァルツ
夏の福島新馬ではスローペースを3番手で折り合い、のちに萩Sを制するルシフェルに1馬身3/4差をつけて快勝。続くコスモス賞は向正面まで2番手につけていたが、抑えきれない感じでハナに立つと、直線ではどんどん差を広げて6馬身差の圧勝。のちにOPを勝つコスモディナーを負かしている。ドウデュースで2年前にこのレースを制した名手・武豊が引き続き騎乗するのも心強い。しっかりポジションを取れればGⅠの舞台でも好走可能だ。

△シュトラウス
新馬戦で2着馬に9馬身差をつけたパフォーマンスは確かにド派手。ただし他の出走馬8頭のうち勝ち上がったのは2頭で、1勝クラスを突破した馬は今のところゼロ。メンバーレベルは微妙と言わざるをえない。またサウジアラビアRCで終始折り合いを欠き3着に敗れ、前残りの展開を利して勝ち切った東スポ杯でも序盤で行きたがったように、コントロール面での課題を露呈してきた。最終追い(美浦坂路)のタイムを見ると2F目が最も速く、最後は12秒台後半まで落ちており、折り合いの心配は今回もつきまとう。相手にとどめたい。

以下エンヤラヴフェイス、セットアップまで印を回す。馬券は◎軸、◯以下相手の3連複で勝負する。

▽朝日杯FS予想▽
◎ジャンタルマンタル
◯ダノンマッキンリー
▲エコロヴァルツ
△シュトラウス
×エンヤラヴフェイス
×セットアップ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


《関連記事》
【朝日杯FS】シュトラウス、ダノンマッキンリーは消し ハイブリッド式消去法
【朝日杯FS】「前走上がり最速33秒台で1着」は複勝率66.7% データで導く穴馬候補3頭
【朝日杯FS】過去10年のレース結果一覧

おすすめ記事