【神奈川記念】ヴィブラフォンが2番手追走から押し切り H.ドイル騎手とともに重賞初勝利

三木俊幸

2023年神奈川記念勝ち馬ヴィブラフォン,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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「今回もうまくいけばチャンスがあると思っていました」

川崎記念が来年から4月開催となるため、今年限りとして行われた神奈川記念(重賞・ダート1600m)。1〜3番人気のJRA勢がいずれも重賞未勝利というメンバー構成となったなか、勝利したのはH.ドイル騎手騎乗で5番人気の4歳牝馬ヴィブラフォンだった。

好スタートを決めると、内からポリゴンウェイヴを行かせてそれをピッタリとマークする形で2番手を追走。向正面に入り800mを50.4で通過するとペースが上がり、3角で早め先頭へと躍り出た。そのまま直線に向き、ゴール前は外からキャリックアリードに差を詰められたが、1:42.9(稍重)というタイムで押し切った。

2023年神奈川記念のレース経過,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ドイル騎手は今回の勝利でJRA、地方を通じて日本での重賞初勝利。「初めて地方競馬で騎乗して勝てたことに感謝して、ただただ気持ちが一杯になっています」と嬉しさを口にした。

神奈川記念を勝ったH.ドイル騎手,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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前走3勝クラスの奥羽Sで初コンビを組み、見事に逃げ切り勝ち。「スピードがあってすごく良い馬だと思っていたので、今回もうまくいけばチャンスがあると思っていました」と振り返ったように、小回りコースと力強さを武器に、早仕掛け傾向がある鞍上とも手が合っていた印象を受けた。この重賞勝利をきっかけに、5歳を迎える来年は牝馬ダート路線で活躍してくれることを期待したい。

2023年神奈川記念勝ち馬ヴィブラフォン,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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上がり最速を使うも3/4馬身及ばず

2着も4歳牝馬で3番人気だったキャリックアリード。こちらも前走で3勝クラスのTUF杯を勝利して以来の一戦。道中は8番手のインを追走し、最後の直線だけ外に持ち出すというレースぶり。使った上がりは40.1でメンバー最速。3/4馬身届かなかったものの初の地方競馬でも力は証明した。今回の結果も含めて【4-1-2-0】、間隔を空けながら使われてきているがまだ底を見せておらず、ヴィブラフォンと同様に来年は更なる飛躍が期待される。

2023年神奈川記念2着のキャリックアリード,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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3着は3歳牡馬のユティタム。春は青竜Sを勝利し、続くジャパンダートダービーでは4着という成績だったこともあり、今回は1番人気に支持された。前走の福島民友C6着から挑んだ一戦だったが、3番手追走から直線に向くも、ヴィブラフォンとの差を詰められなかっただけでなく、キャリックアリードにも差された内容はやや物足りないものだった。

2023年神奈川記念3着のユティタム,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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