【全日本2歳優駿予想】唯一のマイル戦勝ち実績が魅力 イーグルノワールが4連勝で世代頂点へ
菊池敬太
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砂の2歳王者決定戦
2023年12月13日(水)に川崎競馬場で全日本2歳優駿(JpnⅠ・ダート1600m)が実施される。昨年の覇者デルマソトガケは世界に羽ばたき、今秋にはBCクラシックで2着など活躍している。今年はJBC2歳優駿を制したフォーエバーヤングをはじめ、兵庫ジュニアグランプリを快勝したイーグルノワール、同2着馬のサトノフェニックス、当レースのトライアルである鎌倉記念を制したホッカイドウのサントノーレなどJRAと地方から実力馬が参戦。2歳ダート王の称号を手にし、来年の新たなダート路線の主役に躍り出るのはどの馬か。過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す。
過去10年の人気では、1番人気が【5-1-2-2】で勝率、連対率、複勝率全てで50%を超えている。2番人気は【1-4-0-5】、3番人気は【2-2-1-5】で、ともに連対率で40%以上をマークしていた。
所属はJRAが7勝を含む16連対(栗東8、美浦8)と圧倒的にリード。地方馬はホッカイドウと川崎と船橋と浦和がそれぞれ1連対で、近年では2019年のヴァケーション(川崎)、2020年のアランバローズ(船橋)が優勝を果たしている。
実績面は連対馬20頭中15頭が「重賞勝ち馬かダートの連対率100%」。残る5頭はJRAの1勝クラス(旧500万下)を勝利していた。また、連対馬19頭が前走で2着以内。連対馬の脚質は【逃げ3先行10差し6追込1】で、小回りコースだけに先行勢の活躍が目立つ。
4連勝でイーグルノワールが2歳王者に輝く
◎イーグルノワール
2戦目のダート転向後3戦3勝。前走の兵庫ジュニアグランプリで重賞を初制覇した。「連対馬20頭中15頭が重賞勝ち馬かダートの連対率100%」のデータに合致し、小回り向きの先行力は脚質面でプラス。左回りのマイル戦は2走前に経験している。そこで負かしたアマンテビアンコ(3着)は後にカトレアステークスを勝利しており、レースレベルは高かった。今回のメンバーで唯一マイル戦を勝っている点は強みだ。
◯フォーエバーヤング
デビュー2戦目でJBC2歳優駿を制覇。砂を嫌がって位置を下げる幼さは見せていたが、上がり最速の末脚で差し切った内容からも高い能力を示した。マイルや左回りへの対応に加えて小回りコースがポイントになるが、ポテンシャルの高さは相当なものがあり、好位で流れに乗って競馬ができれば好勝負に持ち込める力はある。
▲サトノフェニックス
前走の兵庫ジュニアグランプリはイーグルノワールと一騎打ちの展開でわずかハナ差及ばなかったが、最後まで食らいつく勝負根性を見せた。マイルと左回りが初めてとなるが、デビューから連対を外していない点は強調材料。祖母に2005年の覇者グレイスティアラがいる血統背景で、むしろコース替わりはプラスに働いてもいい。
ほか、JRAのナスティウェザーは前走で1勝クラスのなでしこ賞を快勝。2走前にはサトノフェニックスにクビ差と健闘しており、重賞でもやれる実力がある。ダート戦に限れば連対を外しておらず、初のマイル戦をこなせれば上位に加わってもおかしくない。JRAのゼルトザームは函館2歳ステークスを制し、兵庫ジュニアグランプリでも3着とダート適性も示した。スタートに課題が残るが、スムーズに運べればチャンスはある。鎌倉記念を勝ったホッカイドウのサントノーレは川崎での出走経験がある点は強み。前走は斤量57キロが響いたが、定量戦なら展開ひとつで上位に食い込める。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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