【阪神JF】アルテミスS連対馬は複勝率50%超え 東大HCの本命はサフィラ
東大ホースメンクラブ
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2歳女王決定戦
今週日曜日、阪神競馬場でGⅠ・阪神JFが行われる。京王杯2歳Sをレコード勝ちしたコラソンビート、新潟2歳S勝ちのアスコリピチェーノ、アルテミスSで2着に入ったサフィラなどの18頭が出走を予定している。
世代トップクラスと目されるボンドガール、チェルヴィニアが回避したことで混戦模様となった一戦。ここから来年のクラシック戦線へ羽ばたく名馬の登場に期待しながら、過去のデータを参考に馬券戦略を検討していく。
まずは重賞連対組から
<阪神JF 前走の結果別成績>
新馬、未勝利【0-1-0-22】勝率0.0%/連対率4.3%/複勝率4.3%
1勝クラスかOPで勝ち【2-4-2-33】勝率4.9%/連対率14.6%/複勝率19.5%
1勝クラスかOPで負け【0-0-0-20】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
重賞で連対【8-3-6-33】勝率16.0%/連対率22.0%/複勝率34.0%
重賞で3着以下【0-2-2-37】勝率0.0%/連対率4.9%/複勝率9.8%
※過去10年。前走地方【0-0-0-3】
ヒントが少ない2歳馬のGⅠとあって、前走の格や内容が重要になってくる。中心はやはりレベルの高い重賞組、そこで連対できる実力を備えた馬である。
まず最も重要な前哨戦であるアルテミスSの連対馬は【5-2-2-7】勝率31.3%、複勝率56.3%と出色の数字を記録している。勝ち馬チェルヴィニアは回避したものの、2着馬サフィラにとっては大きな追い風だ。
母数が多いファンタジーS連対馬は【2-0-1-13】複勝率18.8%と、アルテミスS組より一枚劣る。阪神JFでも馬券に絡んだ3頭に共通するのは、ファンタジーSで上がり3F3位以内であったこと。今年の勝ち馬カルチャーデイはこれを満たさず、再びの激走は想像しにくい。一方、2着ドナベティは上がり3F2位だった。
新潟2歳Sの勝ち馬は【0-1-0-3】で、13年にハープスターが2着に入っている。京王杯2歳Sの連対馬は出走自体が16年レーヌミノルの3着だけ。連対馬以外も含めると【0-1-1-3】だ。
前走クラスが1勝クラスかOPなら勝利が絶対条件で、負けた馬は【0-0-0-20】と馬券にすらなっていない。勝ちは勝ちでもタイム差なしだった馬は【0-1-1-16】複勝率11.1%と厳しい結果。0秒1以上差をつけていると【2-3-1-17】複勝率26.1%とソコソコ馬券になり、勝った例もある。
なお前走が新馬か未勝利だった馬は【0-1-0-22】。昨年シンリョクカが2着に激走しているが、凡走するケースの方が圧倒的に多い。
2歳王者の兄に続け
◎サフィラ
サリオスの全妹。新馬戦は進路を失い内ラチにぶつかるアクシデントもあって3着に敗れたが、未勝利戦は3馬身半差V。続くアルテミスSでは2着も、前半スローかつラスト3F11秒4-11秒2-11秒0の加速ラップで前が全く止まらない展開の中、4角6番手から追い上げ、一列前にいたスティールブルーに先着した。勝ち馬チェルヴィニアとは完成度の差が出た形だろう。そのチェルヴィニアが回避した今回はチャンスは十分。1週前追いでは栗東CWの自己ベストを更新しており、さらに調子を上げて臨んできた。同じ阪神芝マイルで2歳チャンプに輝いた兄に続く。
◯コラソンビート
新馬戦は世代トップクラスのボンドガール、チェルヴィニアにこそ離されたが3着を確保。未勝利を難なく勝ち上がるとダリア賞、京王杯2歳Sと3連勝。特に京王杯2歳Sはレコード勝ちだった。懸念点はデビュー以来すでに4戦を消化していること。阪神JFはキャリア4戦以上の馬が【0-1-0-51】と、使い詰められた馬には厳しいレースであることから一枚割引いた。それでも能力の高さは確実で、新種牡馬スワーヴリチャードがいきなりGⅠホース輩出となっても驚けない。
▲キャットファイト
新馬戦では口を割る場面もあり、3着コラソンビートにも0秒6差つけられ6着と掲示板すら確保できなかった。未勝利でも同様に行きたがるシーンはあったが、直線では鋭く抜け出して力の違いを見せつけた。前走のアスター賞ではうまく折り合って上がり3F最速(33秒7)で、5馬身差のレコード勝ち。レースを重ねるごとに着実に成長を続けている。1勝クラスからのGⅠ参戦だが、それでも十分通用するスピードを持っている。
以下アスコリピチェーノ、ルシフェル、ステレンボッシュ、ドナベティまで印を回す。馬券は◎軸の馬連で勝負する。
▽阪神JF予想▽
◎サフィラ
◯コラソンビート
▲キャットファイト
△アスコリピチェーノ
×ステレンボッシュ
×ルシフェル
☆ドナベティ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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