【カペラS】「前走5着以内×距離短縮」が単勝回収率255% 血統から適性高いメタマックスが3連勝なるか

貴シンジ

カペラステークス 距離短縮組の好データ(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

先週のステイヤーズSはダンディズムを推奨し9番人気6着。実力は発揮したが、レースがかなりスローペースだったこともあって、勝ち馬に上手く逃げ切られてしまった。引き続き長距離戦では注目が必要だ。さて今回は12月10日(日)に中山競馬場で行われるカペラSについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の敗因」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった23頭を検討対象とし、過去10年分のデータを使用する。


重要データ:距離短縮馬に注目

前走距離別成績,ⒸSPAIA


カペラSは中山ダート1200mという、他場の同距離戦と比べ、スタミナが求められる条件から前走距離が有効なデータになる。今回が距離延長となる馬の成績は【0-0-0-4】で好走馬はゼロ。同距離は【4-6-5-74】で好走馬の数こそ多いが、単勝回収率は27%、複勝回収率は48%で低調だ。

一方、今回が距離短縮となる馬は【6-4-5-51】で単勝回収率119%、複勝回収率71%。レース全体の単勝回収率が65%、複勝回収率が56%であることを考えると優秀だ。距離短縮組の中でも前走5着以内だった馬は【5-2-4-18】で単勝回収率255%、複勝回収率128%とさらに妙味が増す。今回人気が想定されるパウオレ(除外対象)やリュウノユキナはいずれも前走同距離。好走してくる可能性は十分あるが、妙味は距離短縮馬にある。

【今回が距離短縮で前走5着以内の出走予定馬】
・オーロラテソーロ
・ジレトール(除外対象)
・メタマックス


前走の敗因:テレ玉杯オーバルスプリントのオーロラテソーロ

オーロラテソーロの前走はテレ玉杯オーバルスプリント。このレースは前に行ったドライスタウトとスマイルウィが1、2着で、オーロラテソーロは中団から脚を伸ばして3着という結果だった。

短距離馬にしてはストライドが広い走り方をする馬で、コーナー4つの競馬場よりワンターンの中央競馬の方が合っている。また、前走は不良馬場だったこともあってノメったのも敗因の一つだろう。兵庫GTへの出走を視野に入れているという情報もあるので、カペラSを使って兵庫GTに行くのかそれとも直行するのかは不明だが、出走できるなら面白い存在になりそうだ。


血統解説:パウオレ、メタマックス

・パウオレ
日本での牝祖は母エイシンピカデリー。母の産駒では全姉ララシャルロットがJRAで1勝を挙げたくらいで繁殖成績が優秀なわけではない。ただ祖母のLady's Laughterは現役時に米GⅢのガーデニアHで3着。同じファミリーにはフラワーボウルインビテーションH(GⅠ・芝10F)勝ち馬のChelsey Flowerがいてそれなりに活力のあるファミリーだ。

エイシンピカデリーがDanzigの2×4という積極的なインブリードを持っており、本馬の母系はかなりスピード性能が高い。父ヘニーヒューズはパワーも持っている馬だから、ダートスプリンターとしてはバランスの良い血統構成だ。中山ダート1200mは【3-1-0-0】とオール連対中で適性も高い。現状除外対象になっているが、オーロラテソーロなど地方重賞との両にらみをしている馬が多いため、出走が叶う可能性はある。

パウオレの血統表,ⒸSPAIA


・メタマックス
外国産馬で、伯父にあたるSeeking Daylight(父Seeking the Gold)が現役時にブルックリンH(GⅡ・ダ9F)を勝利している。目立つクロスは持ち合わせていないが、母系も米国血統でダート色が強く、父がInto Mischiefの牡馬だからダートのマイル以下に特化したタイプといえるだろう。

前走の銀嶺Sを逃げ切って2連勝としたが、先行、差しの競馬もできるタイプで無理に主張する必要はない。パワーも兼ね備えた血統で中山の急坂も苦にしないところから、激流になりやすいカペラSは適性に合っていそうだ。行きたい馬を行かせて自分のペースに持ち込めば3連勝の可能性も十分にあるだろう。

メタマックスの血統表,ⒸSPAIA


Cアナライズではメタマックスを推奨

今回はメタマックスを推奨する。好走データの「距離短縮で前走5着以内」に該当しており、中山ダート1200mや激流となりやすいカペラSへの適性も高いことが推奨理由だ。また、大型馬の叩き2戦目で上積みも大きい。相手としては出走してくるなら、という条件付きだが、オーロラテソーロ。前走の敗因が明確で、今回のコースもこなせそう。人気もなさそうで妙味も十分だ。

出走できた場合、人気する可能性が高いパウオレ。こちらは中山巧者だが、カペラSは差し有利になりやすいという点が不安要素だ。逃げ、先行での押し切る競馬しかできないタイプなので足元をすくわれる可能性は十分にある。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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