【マイルCS】今年の秋GⅠはルメール騎手と川田将雅騎手が1着独占 京大競馬研の本命はセリフォス

京都大学競馬研究会

2023年マイルCSの枠番別成績(京都開催の直近7年)

ⒸSPAIA

ルメール騎手、川田将雅騎手が今年のGⅠも圧倒的

11月19日(日)に京都競馬場でマイルチャンピオンシップ(GⅠ)が行われる。昨年の覇者セリフォスや、一昨年のNHKマイルカップ以来のGⅠ制覇を狙うシュネルマイスター、富士Sを勝ったナミュールに京成杯AH覇者のソウルラッシュなど16頭が揃った。

先週(エリザベス女王杯)は3歳馬を切って勝負して見事に馬券を外し、落ち込んでいる最中に結果を振り返っていると、今年のGⅠで共通する傾向を見つけてしまった。今回はその傾向に沿って予想を組み立てたい。

今秋GⅠの3着以内騎手,ⒸSPAIA


まずは今秋GⅠの騎手別成績を調べた。ルメール騎手が3勝3着1回、川田将雅騎手が2勝3着2回着外1回。予想などしないでこの2人を買うだけで当たるようになっている。

春も含めた今年のJRA・GⅠ成績は、ルメール騎手が【5-2-4-3】、川田騎手が【4-1-2-9】で両者とも他の騎手を圧倒している。特にルメール騎手は事故のあった日本ダービーを除くと、上位人気に乗って馬券外に敗れたケースが桜花賞(4着)以降はない。

また、両名とも騎乗のあった今年のGⅠレース14競走中、両者とも馬券外に敗れたのはその日本ダービーのみだ。先週の筆者のように人気になっているルメール騎手、川田騎手を両方切って勝負することが馬鹿の所業であることが分かるだろう。

勝ち負けになるような馬に騎乗したときは両者の騎乗の巧さも目立つ。圧倒的人気を背負いながらマークをかわし、不利なく回ってくる技術がずば抜けている。今週もルメール騎手、川田騎手が1、2番人気になる可能性が高い。シュネルマイスター、セリフォスともに実力は確かで切れない。レース中のミスが少ない方が勝つだろう。

大外は実は良枠 ムーア騎手を背にどこまで戦えるか

マイルCSの枠順別成績(京都開催時),ⒸSPAIA


次に過去10年のマイルCSのうち、京都開催7回分の枠順別成績を調べた。

勝利数が最も多いのは実は8枠で、18頭立てピンク帽からの勝利が3回ある。ある程度差しの決まる今の馬場で、不利なく外を走りやすい8枠は良枠といえる。一方で2014年にはミッキーアイルが8枠17番から1番人気を裏切って大敗している。【3-0-0-18】が示すように運の要素が強い枠であることも確か。ナミュールがどこまで戦えるか注目だ。

人気のシュネルマイスターが入る5枠は【0-1-0-13】と良くない。人気馬があまり入っていない側面はあるが、内と外から挟まれ思うように実力を発揮できない枠と言える。シュネルマイスターは枠の不利を克服できるか。

2023年マイルCSの枠番別成績(京都開催の直近7年),ⒸSPAIA


脚質に自在性あり 不利を受ける可能性が少ない方を本命に

◎セリフォス
昨年の同レース覇者で、安田記念2着と実績は言うことなし。脚質も先行から追い込みまで対応可能で、展開に応じた競馬ができるのが強みだ。距離の長かったドバイターフなど負けたレースはどれも敗因が明確で、関西圏のマイルに戻る今回は負けられない一戦になる。今回の直行ローテは中内田厩舎の得意とするところで、「古馬戦で不調な厩舎」と言われたことももはや過去の話になった。川田騎手との黄金タッグであれば連対は堅いだろう。

◯シュネルマイスター
NHKマイルカップ以降GⅠ勝ちはないが、コース問わず確実に末脚を発揮してくる。今年のマイラーズカップのように何事もなく回ってくれば1着も当然考えられる。しかし昨年のマイルCSで外から進路を潰されたり、毎日王冠でイン突きに失敗したりするなど、後ろからしか競馬ができないことによる不利を受けやすい馬。運がないともいえる。特に今回はセリフォスが2つ外にいるため、川田騎手に外から締められる可能性が高いと考えて2番手。それでも、その他はひと捻りで差しきれる。

▲ナミュール
富士Sを好時計で快勝。牡馬相手でも戦えることを示した。枠はこの馬には相性の悪い大外16番枠であるが、レース傾向としては悪くない。ムーア騎手が乗る以上、大外ぶん回しのような雑な競馬になるとは考えにくく、展開的な不利を受ける可能性は低い。だが安田記念で大敗しているように、牡馬相手のGⅠでは上位2頭を上回るだけの評価材料は現状ない。

ソウルラッシュやエルトンバローズも確かに強力ではあるが、評価した3頭が力を100%発揮すれば、この2頭にチャンスが回ってくることはないと考え、馬券はセリフォスの単勝と3頭の三連複1点で勝負する。

筆者は、馬の実力差を騎手の努力や格下馬の根性で埋め合わせ、最後まで結果が分からない点に競馬の魅力を感じ、高揚感を覚え、お金を出している。最近のGⅠは上位騎手が難なく走り、直線入り口の時点で勝ち馬がどれか読めてしまうことが多くないだろうか?

この程度の予想がかすりもしない、驚きの展開があってもいいと思うのだ。たたき合いやポジション取りなど、全人馬の執念や貪欲さをもっともっと見せて欲しい。(文:福山)

マイルCS 予想印
◎セリフォス
◯シュネルマイスター
▲ナミュール

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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