【マイルCS】毎日王冠惜敗組に好データ 東大HCの本命はシュネルマイスター

東大ホースメンクラブ

2023年マイルCSの前走毎日王冠組の好データ

ⒸSPAIA

秋のマイル王決定戦

今週日曜日、京都競馬場でGⅠ・マイルチャンピオンシップが行われる。父ダイワメジャーに続き連覇のかかるセリフォス、実績馬シュネルマイスター、毎日王冠を制し一気にGⅠ初制覇を狙うエルトンバローズ、富士Sで約1年半ぶりの勝利をあげたナミュール、京成杯オータムHで59kgのハンデを跳ね返し優勝したソウルラッシュなどがエントリーしてきた。

安田記念の勝ち馬ソングラインはBCマイルに出走したため不在だが、それでも粒ぞろいのメンバー構成。果たしてこの混戦を断つのはどの馬か。過去10年のうち、京都で行われた13~19年のデータを参考に馬券戦略を検討する。

前走の着差に要注意

マイルCS、前走富士Sでの結果別成績,ⒸSPAIA


<マイルCS 前走富士Sでのタイム差別成績>
勝ち【0-1-1-2】勝率0.0%/連対率25.0%/複勝率50.0%
0秒5以下負け【1-2-0-18】勝率4.8%/連対率14.3%/複勝率14.3%
0秒6以上負け【1-0-0-12】勝率7.7%/連対率7.7%/複勝率7.7%

今回は前走富士S、毎日王冠組が計9頭と過半数を占める。そこで、前走でこの2レースを使った組の成績を掘り下げていく。

まず富士Sを勝ってきた馬は【0-1-1-2】と健闘しているが、負けた馬はここでも凡走する例が多い。特に着差で0秒6以上負けた馬は【1-0-0-12】と厳しい。唯一巻き返しに成功したのはペルシアンナイト(17年)だが、この年の富士Sは不良馬場(マイルCSは稍重)で例外視できる。今年はソーヴァリアント、イルーシヴパンサー、マテンロウオリオンの巻き返しは厳しいとみる。

また、タイム差0秒5以下の敗戦でも、富士Sで4角10番手以下にいた馬は【0-0-0-9】と全滅。0秒2差2着まで追い込んだレッドモンレーヴも割引対象としたい。

マイルCS、前走毎日王冠での結果別成績,ⒸSPAIA


<マイルCS 前走毎日王冠でのタイム差別成績>
勝ち【0-0-0-2】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
0秒5以下負け【2-0-2-7】勝率18.2%/連対率18.2%/複勝率36.4%
0秒6以上負け【0-0-0-6】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

次に毎日王冠組のデータ。こちらも0秒6以上負けた馬は馬券に絡んだケースがなく、巻き返しは非常に厳しい。今年の出走馬ではエエヤンが該当する。

一方で、敗れても0秒5以下の着差ならチャンスがある。該当するシュネルマイスター、ジャスティンカフェは押さえておきたい。なお毎日王冠を勝った馬【0-0-0-2】はサンプルが少ないが、阪神開催を含む2001年以降に広げると【0-3-0-5】連対率37.5%。一昨年はシュネルマイスターがこのローテーションで2着に入った。エルトンバローズも押さえておきたい。

ほかの出走馬の前走レースも見てみると、安田記念は【1-0-0-2】と勝ち馬を出しているが、それ以外は京成杯AH【0-0-0-5】、カシオペアS【0-0-0-2】、関屋記念【0-0-0-1】。データ数は少ないがすべて馬券圏内ゼロだった。この傾向は阪神開催を加えても変わらない。なお宝塚記念、中京記念、ダート戦からの参戦は例がなかった。


2年半ぶりのGⅠ制覇を

◎シュネルマイスター
昨年は海外やスプリンターズSにも挑戦したが、今年は国内のマイル~1800m戦に専念。同コースのマイラーズCを制覇し、安田記念、毎日王冠と続けて3着に入り、本来の力を再び発揮している。毎日王冠では直線で前が壁になる不利を受け、しかもラスト3Fは11秒4-11秒3-11秒4と他馬も止まらないラップ。大敗してもおかしくなかったが、上がり3F33秒3の脚でタイム差なし(ハナ+ハナ)の3着、これは地力の高さの表れだ。21年NHKマイルC以来、およそ2年半ぶりのGⅠ制覇に期待したい。

◯エルトンバローズ
ラジオNIKKEI賞ではのちにセントライト記念を制するレーベンスティールを抑えて重賞初制覇。毎日王冠でも、相手がやや進路取りに苦戦したとはいえ、ソングラインとシュネルマイスターを撃破した。一線級の馬たちと戦ってきた経験やレースセンスのよさはGⅠでも生きるだろう。最終追切では坂路でラスト1F11秒5をマークしており、さらに状態を上げてきた。初コンビを組んでから4連勝の西村淳也騎手が引き続き騎乗するのも心強く、一気にGⅠ馬に上り詰めてもおかしくない。

▲セリフォス
今年の安田記念は好位のインを選択。レーン騎手が「スーパースター」とたたえたソングラインの差し脚に屈し2着に敗れたが、地力の高さは改めて見せた。昨年このレースを制覇した際(富士S1着→マイルCS1着)とは異なり安田記念からの直行という形となったが、1週前にCWでラスト1F10秒7、最終追いでもラスト1F11秒3を馬なりマークしているように、状態面で減点する必要はない。

以下ナミュール、ジャスティンカフェに印を回す。馬券は◎軸の3連複で勝負する。

▽マイルCS予想▽
◎シュネルマイスター
◯エルトンバローズ
▲セリフォス
△ナミュール
×ジャスティンカフェ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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