【注目2歳馬】ゴールドシップ産駒アドミラルシップがラスト11.4-11.4の追い比べを制す
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
半姉はライラック
11月12日(日)の京都芝2000mを舞台に行われた新馬戦は、アドミラルシップ(美浦・相沢郁厩舎)が勝利した。同馬はゴールドシップ産駒で全兄は札幌2歳Sを制したブラックホール、半姉に昨年のエリザベス女王杯で2着と好走したライラックがいる血統だ。
このレースには他にもジェラルディーナの全妹エヴァンジェリーナが出走するなど、エリザベス女王杯に所縁のある馬が顔を揃えた。アドミラルシップは8頭立ての3番人気、馬体重458kgでレースを迎え、道中は1番人気のヴィレムを見る形で3番手の外を追走。前半1000m通過が1:04.2、600mから1200mまでの中盤が13.1-13.1-13.4と13秒台のラップが続く超スローペースで流れた。
そのまま一団となって迎えた直線は先に抜け出したヴィレムを真ん中に、内には狭いスペースから伸びたキーチパルフェ、外からアドミラルシップと前3頭が横並びで残り100mを通過。ゴール前はヴィレムとの追い比べをハナ差制した。勝ちタイムは2:05.4と遅かったが、道中スムーズに流れに乗ってラスト11.4-11.4の展開できっちりと捉えきった点は評価していい。
広いコースで瞬発力勝負向きというタイプよりは、中距離で持久力が求められる条件が合いそうな印象を受ける。将来的には兄姉たちと同様に重賞戦線で活躍してくれることを期待したい。
好メンバー集結の東京スポーツ杯2歳S
今週末は東京競馬場で出世レースと呼ばれる東京スポーツ杯2歳Sが行われる。登録は11頭で好メンバーが揃った。7月の中京芝2000mの新馬戦を逃げ切ったミカエルパシャ(栗東・橋口慎介厩舎)は勝ちタイムこそ遅かったが、ノーステッキで最後まで加速して後続を完封する内容だった。スピードの違いで逃げる形となったが、先を見据えるうえでは控える競馬でどれくらいの末脚を使えるか見てみたい。
東京芝2000mの新馬戦を制したシャンパンマーク(美浦・蛯名正義厩舎)は、ラスト11.0-11.0の展開から突き抜ける好内容。その他では新潟芝1800mの新馬戦で道中馬群に包まれる展開から余裕のある勝ち方を見せたファーヴェント(栗東・藤原英昭厩舎)、中山芝2000mの新馬戦で4角外に膨れる場面を見せながら3馬身半差をつけて勝ち上がったフォルラニーニ(美浦・手塚貴久厩舎)にも注目だ。
新馬戦では日曜日の京都芝1600m戦に父モーリス、母ヴィブロスという良血、シヴァース(栗東・友道康夫厩舎)が出走予定。1週前に栗東CWコースで6F79.1-64.9-50.9-36.6-23.4-11.8と好タイムをマークしている。血統や馬名からも想像できるように馬主は佐々木主浩氏、どのような走りを見せてくれるのか楽しみにしたい。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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