【デイリー杯2歳S】前走マイル1着が強データ 人気のダノンキラウェア、成長したナムラエイハブらに熱視線
佐藤永記
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前走着順が重要
阪神タイガースが日本一になった。なんとなく、そんな書き出しをしたくなるデイリー杯2歳Sが今週末に行われる。京都改修の影響で昨年までの3年間が阪神開催で今年から京都に戻ること、過去10年での平均出走頭数が9.9頭と少ないことなど、注意点が多い重賞だ。
そんなデイリー杯2歳Sには強力な傾向が2つ存在する。ここではそれらを紹介していく。まず1つ目は前走着順だ。
過去10年で前走1着だった馬の成績は【10-10-6-39】。連対馬20頭が全て前走1着だった。その内訳を優勝馬10頭でみても、前走新馬戦3頭、未勝利戦3頭、OP2頭、重賞2頭と、舞台を問わず前走勝ちから順調に来ている馬ばかりだ。さらに過去20年まで範囲を広げても前走1着馬の成績は【19-16-12-89】で、ほぼ前走で勝っている馬しか優勝していないことになる。
マイルGⅠを見据えた馬が優勢
もう1つの強力な傾向が見られるのは、前走距離だ。
過去10年で前走が同距離の1600mだった馬の成績が【6-6-3-21】で勝率16.7%、複勝率41.7%と安定している。他の距離でサンプルが多いのは1200、1400、1800m組なのだが、それぞれ【1-1-1-8】、【1-2-3-19】、【2-1-2-13】で、勝率もそれぞれ9.1%、4.0%、11.1%、複勝率は27.3%、24.0%、27.8%と、全てにおいて同距離からの出走組より劣る結果となっている。
やはり、マイル2歳GⅠを目指し、一貫してマイルを走っている馬のほうが安定しているようだ。
夏に成長したナムラエイハブに注目
「前走1着」、「前走マイル」。これらに該当する馬は、今年は3頭いる。
まずは人気になりそうなダノンキラウェア。新潟外回りで上がり3F33.2を記録し、他馬を圧倒した新馬戦の内容と、昨年のNHKマイルC勝ち馬ダノンスコーピオンの全弟という良血だ。戦歴でも血統でも文句のつけようがなく、事前予想段階で軽視する理由は見当たらない。
R.ムーア騎手が騎乗予定で人気になりそうなフルレゾンも注目だ。前走の阪神未勝利戦は10頭立ての一戦で、4角9番手から大外を回りながら豪快に差し切った勝ち方が良かった。また、前々走の新馬戦では、追い込み届かず勝ち馬から0.5秒差の3着だったのだが、その時の勝ち馬が、GⅢアルテミスS3着馬スティールブルーだった。前走の内容と前々走の着差から考えて、重賞レベルの力はあると見る。
この人気2頭が条件を満たしてしまったため、このままでは堅く収まりそうという結論になりかねないのだが、3頭目の該当馬ナムラエイハブは面白い。
6月と早めにデビューしたものの2着、続く未勝利戦で4着と勝ちきれず、夏競馬は休養を取った。ちょうど3ヶ月ぶりの3戦目では、16kg増で馬体重502kgと大きく成長して参戦してきた。レース内容もそれまでの先行流れ込みとは違い、上がり3F33.6を記録してしっかり伸び、2着に0.6秒差をつけて快勝と、これからに期待を持たせる内容だった。
黄菊賞との両にらみであるため、出走してくれれば、といったところだが、上位2頭を喰ってしまう可能性を秘めた逆転候補ではなかろうか。
<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。
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