【エリザベス女王杯】唯一のGⅠ馬ジェラルディーナは消し ハイブリッド式消去法
藤川祐輔
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5つのデータから絞れた馬は?
先週のアルゼンチン共和国杯では、条件をクリアしたマイネルウィルトス、ヒートオンビート、チャックネイトが好走。勝利したゼッフィーロこそ消去対象としていたが、3着同着で推奨馬4頭中3頭が馬券に絡む上々の結果であった。
今週は11月12日に京都競馬場で行われるGⅠエリザベス女王杯を予想する。今回は登録馬15頭を対象に、2020~22年の阪神開催を除いた京都開催の直近10回(2010~19年)のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし。条件に当てはまった馬を消去していく。
『前走GⅢ以下』×『非ディープインパクト系産駒』 ★0.0%★
前走海外レース馬を除いた前走クラス別の成績を見ると、GⅡ以上を使っていた馬が【8-9-9-84】(複勝率23.6%)と馬券圏内の殆どを占めていた。反対にGⅢ以下から転戦してきた馬は【0-1-1-57】(同3.4%)で、大半が通用していない。
この組からはラキシス(13年2着)、ピクシープリンセス(12年3着)が好走しているが、2頭はいずれもディープインパクト系産駒であった。同系統産駒を除くと【0-0-0-52】(同0.0%)と1頭も好走馬が出ておらず、今回はこれを凡走データとして用いる。
今年は5頭がGⅢ以下からの転戦となるが、その内3頭がこのデータに該当する。重賞実績のあるククナやアートハウスも含まれるが、消去リスト行きとなる。
【今年の該当馬】
・アートハウス
・ククナ
・ゴールドエクリプス
『前走府中牝馬S』×『前走10人気以下』 ★0.0%★
前走で府中牝馬Sを使っていた馬は過去10年で63頭おり、当レースにおける主要ローテーションとなっている。成績は【4-4-3-52】(複勝率17.5%)となっており、多くの好走馬がこの組に含まれる。
だがこれを前走10人気以下の馬に限定すると、成績は【0-0-0-16】(同0.0%)と厳しいデータが浮かび上がる。前走を勝利していたノボリディアーナ(15年12着)、マイネイサベル(12年7着)の2頭もこのデータに該当しているだけに、府中牝馬Sで2桁人気だった馬は軽視したい。
【今年の該当馬】
・ライラック
『5歳以上』×『前年エリザベス女王杯5着以内実績なし』 ★0.0%★
続いては年齢に関するデータを取り上げる。当レースにおいて馬券に絡む馬は3、4歳の若い馬が中心で、成績は【9-7-9-74】(複勝率25.3%)と好走率も含めて優秀だ。一方で5歳以上の馬は【1-3-1-69】(同6.8%)と苦戦を強いられている。
また、5歳以上で馬券に絡んだ5頭は全て、前年エリザベス女王杯で5着以内善戦の実績があった。この実績が無かった馬に限ると成績は【0-0-0-61】(同0.0%)となり、全く好走できていない。
今年は5歳以上の馬が7頭出走予定だが、昨年の勝ち馬ジェラルディーナ以外の6頭はこのデータに該当する。対象の61頭全てが馬券外に沈む極端なデータであるだけに、ここに該当した馬は全て消去してしまいたい。
【今年の該当馬】
・イズジョーノキセキ
・ディヴィーナ
・ビッグリボン
・マリアエレーナ
・ローゼライト
・(ククナ)
『キャリア21戦以上』×『前走6着以下』 ★0.0%★
先程は年齢に着目したが、各馬のキャリアを見てもベテラン勢には厳しい傾向が伺える。特にキャリアが21戦を超えると、成績は【1-3-0-50】(複勝率7.4%)と好走率が大きく落ち込む。この中でも特に前走で6着以下に沈んでいた馬が振るっておらず、成績は【0-0-0-22】(同0.0%)となっている。
このデータには1つ前の凡走データを回避したジェラルディーナなどが該当してしまった。今年のメンバーでは唯一のGⅠ馬であり上位人気が想定されるが、今年に入ってからは4戦して一度も馬券に絡めていない。ピークアウトしつつある印象も否めないだけに、今回は消去リスト行きとする。
【今年の該当馬】
・ジェラルディーナ
・(イズジョーノキセキ)
『3歳馬』×『同年重賞勝利実績なし』 ★7.1%★
年齢、キャリアを重ねた馬の成績が悪いのとは対照的に、3歳馬は【3-4-3-29】(複勝率25.6%)と古馬相手に堂々たる結果を残している。だが、同年の重賞勝ち鞍が無かった馬に限ると、成績は【0-1-0-13】(同7.1%)と殆どの馬が好走できていない。
今年は3歳馬が3頭出走予定だが、この中で重賞勝利実績があるのはハーパーのみ。シンリョクカ、ブレイディヴェーグの2頭は世代最上位の実力馬とは言い難いだけに、古馬相手では荷が重いとみて消去対象とする。
【今年の該当馬】
・シンリョクカ
・ブレイディヴェーグ
全ての条件を終えて、不安データに該当しなかったのはサリエラ、ハーパー、ルージュエヴァイユの3頭となる。
中でも特に注目したいのがサリエラだ。今年の目黒記念では3着に敗れたが、このレースで掲示板に入った5頭の内、3頭が今秋のGⅡレースで好走しており、ハイレベルな1戦だったといえる。ここで牡馬相手に55.5kgを背負って好走した点は、十分に評価すべきだろう。
新潟記念では7着に敗れたが、コンディションが整わなかったということで、参考外でいい。むしろこの惨敗で評価が落ちるなら、馬券的な妙味も含めて積極的に狙いたい1頭だ。
《ライタープロフィール》
藤川祐輔
98年生まれ、新進気鋭の若手ライター。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。以前は別媒体での執筆を行っていたが、より「予想」にフォーカスした記事を書きたいと考えSPAIA競馬への寄稿をスタート。いつの日か馬を買うのが夢。
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