【注目2歳馬】凱旋門賞馬の全弟シンエンペラーが快勝　3番手追走からラスト11.1-11.0で突き抜ける

ⒸSPAIA（撮影：三木俊幸）

府中の高速馬場にも対応

11月4日（土）の東京5Rに組まれた芝1800mの新馬戦は、栗東・矢作芳人厩舎所属、Siyouni産駒シンエンペラーが勝利した。半姉にブリーダーズカップフィリー&メアターフなどGⅠ・7勝をあげたSistercharlie、全兄に凱旋門賞を制したSottsassがいる良血。2022年8月に行われたアルカナ1歳セールにて210万ユーロ（約2.8億円）で落札されたことでも話題となっていた。

スタートは抜群に良かったが最初の200mは13.4と遅い出だし。向正面に入ったところでガラスノブルースがレースの主導権を握る展開のなか、道中は3番手のインでじっと脚をためる形で流れていき、1000m通過は1:01.7というペースだった。

直線に向いたところで鞍上の横山武史騎手がハミをかける仕草で少し手綱を動かすと、一頭分しかないわずかなスペースに怯むこともなく、残り400mで先頭へ。4角9番手にいたトゥルーサクセサーが外から追い上げるも、さらに加速して3馬身突き放した。

勝ちタイムは1:48.1。道中やや頭の高い走法で直線はフラフラする場面もあり若さを感じさせるも、ラスト11.1-11.0と素晴らしいラップを刻んだ。血統面から府中の高速馬場の適性がどうかと感じていたが、そんな懸念を吹き飛ばす好内容のデビュー戦だったと言えるだろう。

ナミュールの半妹がデビュー予定

今週末、京都競馬場で行われるデイリー杯2歳Sは夏の新潟開催開幕週の新馬戦を快勝した2頭に注目する。芝1800m戦をレコード勝ちしたカンティアーモ（美浦・木村哲也厩舎）は2番手追走から、直線で並びかけられるも再び盛り返す好内容。スピード能力はメンバーを見渡しても最上位とみている。

ダノンキラウェア（栗東・中内田充正厩舎）は勝ちタイムこそ平凡だが、好位追走から上がり33.2の末脚で余裕十分の走りだった。全兄はNHKマイルCを勝利したダノンスコーピオンで、血統面からも重賞の舞台でどこまでやれるか楽しみだ。

新馬戦では11日（土）の東京芝1600m牝馬限定戦にエピファネイア産駒アルセナール（美浦・木村哲也厩舎）が出走予定。半姉にナミュール、ラヴェルと2頭の重賞勝ち馬がいる血統で、1週前は美浦Wコースで6F82.4-67.4-53.0-38.8-25.1-12.4をマークしている。

同日の東京芝1800m戦を予定しているアルアイン産駒のワイマング（栗東・池江泰寿厩舎）は、1週前に栗東CWコースで6F82.4-67.5-52.6-37.9-23.7-11.7、10月上旬からCWで好タイムの調教を連発するなど、乗り込み量豊富で態勢は整っていそうだ。その他、同じレースには父ブラックタイド、母アパパネという良血バードウォッチャー（美浦・国枝栄厩舎）などもデビューを予定している。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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