【天皇賞(秋)】瞬発力勝負なら敵なし 東大HCの本命はイクイノックス

東大ホースメンクラブ

天皇賞(秋)上がり3F別複勝率(過去10年)

ⒸSPAIA

国内の中距離最強馬決定戦

今週日曜日、東京競馬場でGⅠ・天皇賞(秋)が行われる。世界最強ホース・イクイノックス、ドバイターフを出走取消となって以来の競馬となるドウデュースを筆頭に、札幌記念を4馬身差で快勝したプログノーシス、春の大阪杯に続いてGⅠ・2勝目を狙うジャックドール、宝塚記念3着ジャスティンパレスなど、国内芝中距離戦線のトップホースたちが一堂に会した。

予想の段階から胸高鳴る豪華メンバーとなった秋古馬三冠の初戦。勝つのは果たしてどの馬か。データをもとに馬券戦略を検討していく。

瞬発力が勝負を分ける

天皇賞(秋)、前半5F58~59秒台だった際の脚質別成績,ⒸSPAIA


<天皇賞(秋) 前半5F58~59秒台だった年の脚質別成績>
逃げ【0-1-2-5】勝率0.0%/連対率12.5%/複勝率37.5%
先行【2-3-1-23】勝率6.9%/連対率17.2%/複勝率20.7%
差し【6-3-4-42】勝率10.9%/連対率16.4%/複勝率23.6%
追込【0-1-1-36】勝率0.0%/連対率2.6%/複勝率5.3%
※2003年以降、計8レース

今年はジャックドールの逃げが濃厚なメンバー構成。昨年の白富士S以降、ジャックドールが逃げを打ったレースはいずれも前半5Fが58~59秒台だった。今回も同様のペースになると予想される。

そこで、現行のコース形態となった2003年以降、前半5F58~59秒台だった天皇賞(秋)8レースを対象に脚質データを分析した。

まず逃げた馬は8頭中3頭が馬券圏内に入っており、母数は少ないが複勝率37.5%をマークしている。集計対象のうち直近2回は連続で3着を確保(18年キセキ、19年アエロリット)しており、ジャックドールはぜひヒモに入れておきたいところだ。

先行と差しは連対率や複勝率がほぼ互角。ただ、03年以降の天皇賞(秋)全体では先行が複勝率23.3%、差しが同20.7%であり、それに比べると(わずかではあるが)差し有利に傾く。なお、ペースが58~59秒台で流れても追込は不振。後方一辺倒の馬は軽視せざるを得ない。

分析対象とした8レースでは、上がり3F3位以内をマークした先行、差しが【6-3-3-2】勝率42.9%をマーク。府中の直線は長く、最後は瞬発力が明暗を分けることには変わりない。好位、あるいは中団くらいの位置でしっかりと折り合い、かつ最後の直線で鋭いキレ味を発揮しなければいけない、究極の実力勝負となる。

再戦へ準備万端

◎イクイノックス
言わずと知れた世界レーティングNo.1ホース。上がり3F32秒7の鬼脚でパンサラッサを差し切った昨年の天皇賞(秋)以降、出走するたびに度肝を抜く走りを見せ続けている。前走の宝塚記念も、ドバイ帰りで状態が万全でなく、加えて大外を回らされても勝ったのだから、日本最強ホースの一頭であることは間違いない。追い切りでもしっかり仕上がった姿を見せており、状態は前走より上向いている。先着を許したダービー以来、およそ1年5ヶ月ぶりとなるドウデュースとの決戦に向けて準備は万端だ。

◯ドウデュース
京都記念では3馬身半差V、上がり3Fはダントツの34秒0と、ダービー馬の貫禄を見せた。ドバイターフは無念の出走取消となってしまったが、イクイノックスらトップホースたちとの対決という、復帰戦としてこれ以上ない舞台が整った。1週前追いでは僚馬を突き放し、最終追いでも坂路でラスト1F12秒0を馬なりで計時。イクイノックス同様、ここに向けて順調に調整を重ねてきた。休み明けも問題はない。

▲ジャックドール
少頭数かつ逃げそうな馬が他におらず、マイペースに持ち込める公算が大きい。前走の札幌記念は1秒7差の6着に大敗したが、道悪の洋芝が応えたか、本来の姿ではなかった。良馬場開催が濃厚な今回は巻き返しを期待できる。8枠とはいえ、11頭立てなら問題視する必要もない。芝中距離界の一線級として、10頭を引き連れどんな走りを見せてくれるか注目だ。

以下ダノンベルーガ、プログノーシスまで印を回す。馬券は◎◯-◎◯-▲△×の3連単フォーメーション6点で勝負する。

▽天皇賞(秋)予想▽
◎イクイノックス
◯ドウデュース
▲ジャックドール
△ダノンベルーガ
×プログノーシス

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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