【菊花賞】4角位置と上がり順位から好走傾向を分析 京大競馬研の本命はハーツコンチェルト
京都大学競馬研究会
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4角位置、上がり順位から好走馬を見抜く!
10月22日(日)に菊花賞(GⅠ・芝3000m)が京都競馬場で行われる。今年は久々に皐月賞馬とダービー馬が両方とも出走するほか、連勝中の上がり馬や前哨戦で好走した馬たちも集結した。過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。
京都競馬場で行われた過去10回(2011~2020年)の菊花賞で馬券に入った馬について、4角位置と上がり順位を調べた。
まず注目したいのは好走馬の4角位置だ。4角10番手以降から馬券に絡んだ馬はわずかに5頭。2011年2着ウインバリアシオン、2012年3着ユウキソルジャー、2016年2着レインボーライン、2018年3着ユーキャンスマイル、2020年3着サトノフラッグとなっている。4角で後方にいる馬はなかなか好走出来ておらず、そのような位置取りが見込まれる馬は評価を下げたい。
次に注目したのは上がり順位だ。好走30頭のうち、上がり6位以降は2頭、上がり4~5位は6頭、上がり3位以内が22頭という結果になっている。どの馬が速い上がりを使うか当てるのは難しいが、速い上がりを使えなさそうな馬の評価は下げる方針とする。
また、4角位置だけでは判別しにくいが、京都の菊花賞において純粋に先行して馬券に入った馬は少なく、道中で位置を押し上げて4角で前につけた馬の方が好走する傾向にある。「先行して馬券に入った」と表現できるのは10年で7頭ほどだ。しかも、先行策で馬券になるのは基本上位人気で、最も人気がなかった馬でも7番人気だった。
以上のような傾向から、中団から後方で競馬を進めつつも、道中ある程度動いて4角までに位置を押し上げられる馬を最上位に評価し、次いで人気上位の先行馬……といった順で評価していく。
好走条件に合致
◎ハーツコンチェルト
今回の出走馬で、「中団、後方から道中動いて4角までに位置を押し上げられる馬」といえばこの馬だろう。前走は大外枠がアダとなり道中外を回され続けるばかりか、スローペースの後方からで展開も向かず。それでも勝ち馬と0.1秒差の5着に来ており、悲観する内容ではない。ダービーも一部を除けばスローペースで、前に位置を取っていた馬が有利になる展開。その中を後方から道中積極的に動いて着差のない3着に来ており、内容面では最も高い評価をしたい。
今回は先行馬多数に加え、ある程度速めのラップを刻むであろう逃げ馬がおり、ペースが流れて展開は向きそう。また、先行馬がかなり内枠に固まったことで、この枠からでも道中で外々を回されるリスクは低い。左回り巧者とする見方もあるが、神戸新聞杯の内容がそこまで悪くないことを踏まえれば、回りの問題ではなく中山や阪神の2000mといった立ち回りの巧さを極端に求められるコースが苦手という印象。京都の3000mであれば十分こなせると判断した。
ハーツクライ産駒と菊花賞の相性の悪さが懸念点として挙げられているが、クラシックで好走したスワーヴリチャードやダノンベルーガ、ドウデュースといった有力馬は軒並み菊花賞を走っていない。絶対視するのは危険なデータであろう。
◯ドゥレッツァ
未勝利戦から4連勝でこの舞台へと駆け上がってきた本馬。前走は非常にチグハグな競馬であり、展開もあまり向かない中で勝ち切った点は高く評価できる。今回は大外枠に入ってしまったが、この枠ならば無理に先行するというより後方から道中動かす競馬をしてくる可能性が高い……という期待のもとで、好走条件を満たすと判断した。距離適性は未知数だが、京都芝3000mなら十分にこなせると思う。
▲ショウナンバシット
皐月賞で1角13番手から4角4番手まで押し上げるなど、今回の好走条件を満たすような走りを見せてきた。前走はこの馬には少し時計が速すぎた印象で、道中動けなかったのも仕方ない面があった。今回は前走よりは時計がかかりそうで、先行勢に苦しい展開になる可能性もある。そういった展開ならチャンスは十分。デムーロ騎手が得意とする、遅めのスタートから道中押し上げる積極的な騎乗をしていくことに期待したい。
△タスティエーラ
人気どころの先行馬。皐月賞はかなり強い内容で、ダービー勝利もたまたまではない。距離は問題ないが、展開が前走ほどは向かなそうで、勝ち切るまでは厳しいか。
×サトノグランツ
前走は好内容も、上手く行き過ぎた感もある。とは言え、積極的に乗れる騎手で4角は良い位置を取れそうだ。
×ノッキングポイント
先行馬が内に固まったことで、こちらも内でロスなく競馬が出来そう。距離もこなせるはず。
買い目は、◎から印を打った馬への馬連、ワイドで勝負する。
以下、無印とした馬について簡単に触れていく。リビアングラス、サヴォーナあたりは気になるが、先行勢は展開的に苦しくなりそうで3着が限界と見た。ファントムシーフは前走が案外な内容だった上に、有力馬の中では距離が気になる。
ソールオリエンスは皐月賞の勝ち方は強烈だったが、ダービーが物足りない内容。3000mへの延長も微妙で、道中動かして行けるほどのスタミナはないと判断した。コーナリングにも課題がある馬で、直線で追い込む競馬になりそうなため、人気を背負った状態で買うのは気が進まず、印を回さなかった。
▽菊花賞予想印▽
◎ハーツコンチェルト
◯ドゥレッツァ
▲ショウナンバシット
△タスティエーラ
×サトノグランツ
×ノッキングポイント
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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