【秋華賞】ここは通過点、アーモンドアイを超えろ 京大競馬研の本命はリバティアイランド

京都大学競馬研究会

秋華賞の主な前走レース別成績(過去10年)

ⒸSPAIA

近年のトレンドはオークスからの直行、トライアル組は紫苑Sから選べ

10月15日(日)に京都競馬場で秋華賞(GⅠ)が行われる。圧倒的な強さで春二冠を達成したリバティアイランドが三冠を懸けて出走する。他にもオークス上位のハーパーやドゥーラ、トライアルを勝った新勢力マスクトディーヴァやモリアーナなども参戦して18頭フルゲートでの一戦となる。

リバティアイランドを倒す実力馬の登場が期待されたが、秋のトライアルはオークス出走馬の多くが凡走し、展開ひとつで着順がめまぐるしく入れ替わる混戦であることを示した。展開頼みで同馬を倒すことは非常に難しく、今回は事故がなければリバティアイランドは負けないという前提でヒモ探しに徹したいと思う。

秋華賞の前走レース別成績,ⒸSPAIA


過去10年の秋華賞について、前走レース別成績を調べた。近年特に好走馬を輩出しているのはオークスからの直行組で【4-1-1-15】。アーモンドアイやデアリングタクト、アカイトリノムスメといったオークス上位馬が勝ちきる例が多く、春に力を見せていた馬であればここでも順当に走っていることが分かる。

昨年は2、3着がオークスからの直行で、「休み明け初戦が秋華賞」という馬が初めて2頭も馬券に絡んだ。外厩などの発達によって、賞金上位馬は無駄にレースを使って疲れさせることなく、GⅠに出走して力を発揮させることが可能になった。そして今後この流れはさらに加速していくだろう。今回もリバティアイランドはじめ、直行組を重視したい。

トライアル組では紫苑S組がリード、オープン時代も含めて【4-4-0-38】と数の面では直行組より優秀だ。近年は率では直行組に劣るが2着は確保といった例が多く、昨年は久しぶりにスタニングローズが直行組を逆転して紫苑Sとの連勝を決めた。過去の実績が評価され今年からGⅡ昇格を果たした紫苑Sは、これからも最重要トライアルとして君臨し続けるはずだ。

一方、近年影が薄くなっているのがローズS組で成績は【2-3-7-54】。2015年ミッキークイーン以降勝ち馬は出ていない。ローテーションで能力が変わる訳ではないが、縁起の面で「勝ち切れていない」というデータは重要な意味を持っており、強い馬がそのレースを避ける十分な理由になり得る。結果として20年、22年には馬券内ゼロという不名誉な記録も作っている。これからは軽視していくレースになってしまうのだろう。今年のローズSも上位に来た馬は展開利を受けた印象が強く、やはり軽視したい。

事故がなければ勝てる とにかく無事に

◎リバティアイランド
二冠牝馬。阪神JF以降強い勝ち方しかしておらず、桜花賞は馬場と展開を無視した差し切り、オークスは加速ラップを踏んで6馬身突き放す圧勝で、大半の馬とは勝負付けが済んでいる。内枠や京都コース、道悪など不安材料はあるが、力の劣る3歳牝馬に本馬を締めて出させないといった芸当が出来るかは疑問符がつく。リーディング争いをしている川田将雅騎手なら不利を受けないように、スムーズに競馬を組み立てることも容易である。おそらくこれらの不安も杞憂に終わるだろう。勝つこと前提の馬券を組みたい。

◯ヒップホップソウル
紫苑S2着。厳しいペースを先行し、一度は完全に抜け出した点で力上位を示した。不利を受けたフェアリーS以外は安定して走っており、距離の長かったオークスも6着と大崩れしていないのは評価したい。道悪も問題なく、横山武史騎手が継続騎乗であることもプラス材料だ。マジックキャッスルやカレンブーケドールのような惜しい成績が続いており、相手も強すぎるためアタマは不可能だが、2着争いなら可能だ。

▲ハーパー
桜花賞4着、距離が延びたオークスは2着と前進し世代上位の力を示している。近年のトレンドであるオークスからの直行組でもある。ただルメール騎手の会見が「リバティアイランドにはお手上げ」という趣旨で、やはり逆転は不可能とみる。オークスでは後ろと差があまりなく、逆転される余地はあるが、それでも着拾いの競馬で2、3着は十分狙えるだろう。

△コナコースト
桜花賞2着。オークスでは全く伸びなかったため距離に不安はあるが、2000mなら能力で乗り切れる。

×ドゥーラ
前走クイーンSは完勝も、斤量有利があった。後ろからしか競馬が出来ないため展開ハマれば。

×モリアーナ
紫苑Sでは直線だけで全馬ごぼう抜きのパフォーマンスを見せた。ドゥーラ同様展開に恵まれたい。

馬券はリバティアイランド1着軸、ヒップホップソウルを2、3着軸にした三連単4×2の8点で勝負する。

個人的な話になるが、京都競馬場は家から近いため現地参戦を予定していたものの、ウイルス性結膜炎のため観戦を自粛することにした。現地に行かれる皆様にはその強さをしっかり目に焼き付けてもらいたい。(文:福山)

秋華賞 予想印
◎リバティアイランド
◯ヒップホップソウル
▲ハーパー
△コナコースト
×ドゥーラ
×モリアーナ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


《関連記事》
【秋華賞】二冠牝馬リバティアイランドに不安データ コナコーストら3頭の番狂わせに期待
【秋華賞】「2歳重賞を勝っていない桜花賞好走馬」が複勝率7割 データで導く穴馬候補3頭
【秋華賞】過去10年のレース結果一覧

おすすめ記事