【秋華賞】小回りコースも差し馬が台頭 東大HCの本命は三冠に視界良好のリバティアイランド
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牝馬三冠最終戦
今週日曜日、京都競馬場でGⅠ・秋華賞が行われる。牝馬三冠ロードの終着点となるこのレースに、オークスで衝撃の6馬身差勝ちを見せた二冠馬リバティアイランドをはじめ、ローズSをレコード勝ちしたマスクトディーヴァ、紫苑Sでは馬群を縫って差し切り勝ちのモリアーナ、クイーンSで古馬を破ったドゥーラなど多くの実力馬が揃った。
リバティアイランドの三冠達成に否が応でも注目が集まるが、果たしてどのような2分間のドラマが展開されるのか楽しみに見届けたい。本レースは一昨年、昨年と阪神で代替されたため、京都で行われた13〜20年(8回)のデータから傾向を探っていく。
軸は差し馬
<秋華賞の脚質別成績>
逃げ【0-1-0-7】勝率0.0%/連対率12.5%/複勝率12.5%
先行【0-0-2-23】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率8.0%
差し【8-4-6-51】勝率11.6%/連対率17.4%/複勝率26.1%
追込【0-3-0-36】勝率0.0%/連対率7.7%/複勝率7.7%
秋華賞は直線およそ330mの内回りコースを使用するが、京都開催の近8回で逃げ先行は勝っておらず、連対も18年ミッキーチャームの1回だけ。差しが全8勝をあげており、馬券圏内を独占する年も珍しくない。
ラップタイムを参照すると、いずれの年も前半5Fが60秒を切っており、また重で行われた17年を除いて2F目に10秒台が計時されている(17年も11秒0)。京都の芝コースは3〜4コーナーのアップダウン以外ほぼ平坦であるがゆえに、序盤のペースが上がりやすい。その分を差し引いても非常にタフな展開となるのが秋華賞の特徴だ。
差し馬に関してもう少し掘り下げる。まず前走脚質別にみると逃げ【0-0-0-3】、先行【0-2-2-17】、差し【6-1-4-25】、追込【2-1-0-5】。後ろから進める戦法を経験してきた馬ほど好成績を残していることがわかる。
つぎに前走着順別では1着【3-1-2-9】、2着【3-0-1-3】、3着【1-2-1-8】、4着以下【1-1-2-31】。キレイな戦績の馬が引き続き好走する傾向だ。軸は差し馬から奇をてらわずに選び、点数を絞って勝負するのがよいだろう。
圧倒的実力でいざ三冠へ
◎リバティアイランド
桜花賞は先行したコナコースト、ペリファーニアが粘り込みを図るなか、本馬は4コーナー16番手と普通ならば厳しい展開。しかしそこから上がり3F32秒9の「鬼脚」で追い込み、そのまま2、3着に入った2頭をあっさりかわし去った。その走りは18年に三冠を達成した名牝・アーモンドアイを彷彿とさせるものだった。オークスもグレード制導入後最大着差(1秒0)での勝利で、まさに圧倒的。この馬が倒される光景は想像しにくい。マークが最大級の強さになる中で簡単ではないだろうが、いつも通りに脚をため、しっかり落ち着いて走ることができれば戴冠は間違いない。三冠牝馬の称号を引っ提げ、古馬との手合わせに挑みたい。
◯マスクトディーヴァ
ローズSは芝1800mの日本レコードを0秒8更新したという派手さもさることながら、そのタイムを生んだ緩みのないペースに対応し、上がり3F33秒2(2位)の脚を使ったことも好内容だった。リバティアイランドの一本被りが予想される中で妙味も望める方だろう。コンビを組んで2連勝の岩田望来騎手が引き続き乗るのも心強く、GⅠでも好勝負可能だ。
▲ドゥーラ
オークスでは4コーナー14番手から追い込んでハーパーとクビ差の3着。上がりはリバティアイランドと0秒1差と、瞬発力は高いレベルにある。クイーンSでも3コーナー過ぎからマクって進出し、かつ鋭い差し脚を持続できたことで古馬勢を撃破。斤量の恩恵もあったとはいえ価値ある勝利だった。直線は短くとも差し有利の舞台ならチャンス十分だ。
以下オークス2着のハーパー、紫苑S1、2着のモリアーナ、ヒップホップソウルまで印を回す。馬券は◎1着固定、◯以下相手の3連単で勝負する。
▽秋華賞予想▽
◎リバティアイランド
◯マスクトディーヴァ
▲ドゥーラ
△ハーパー
×モリアーナ
×ヒップホップソウル
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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