【京都大賞典】人気と上がり3F順位からレースを分析 京大競馬研の本命はブローザホーン

京都大学競馬研究会

京都大賞典 上がり3F別成績(2011~2020年),ⒸSPAIA

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上位人気中心のレース

10月9日(月)に京都大賞典(GⅡ・芝2400m)が京都競馬場で行われる。昨年はヴェラアズールが圧巻の内容で勝利し、その後ジャパンCも続けて勝利するなどハイレベルの一戦になった。今年はそのヴェラアズール、GⅠ戦線常連のディープボンド、目黒記念勝ち馬ヒートオンビート、鳴尾記念勝ち馬ボッケリーニなどが揃った。過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。

京都大賞典の人気別成績,ⒸSPAIA


まず、2011年から2020年に京都競馬場で行われた京都大賞典における人気別成績について調べた。ここでは、上位人気の馬が順当に好走するケースが多いと分かる。

5番人気以内の馬は【8-4-10-28】で勝率16.0%、連対率24.0%、複勝率44.0%。今年ならヒートオンビート、ディープボンド、ボッケリーニ、ヴェラアズール、ブローザホーン、プラダリア辺りが上位人気だろう。

一方、6番人気以下の馬は【2-6-0-68】で連対率10.5%に留まるなど、上位人気の馬と比べて振るわない。このような傾向からも穴馬は無理に狙わず、まず上位人気馬の精査を中心にしていきたい。


上がり3Fの順位が結果に繋がりやすい

京都大賞典の上がり3F別成績,ⒸSPAIA


次に、同じく2011年から2020年の上がり3F順位別成績について調べた。すると、上がり順位が結果に直結しやすいという傾向が分かった。

上がり3F順位が3位以内の馬は【8-5-6-12】で勝率25.8%、連対率41.9%、複勝率61.3%の好成績を残している。逆に、4位以下の馬は【2-5-4-83】で複勝率11.7%と差は歴然だ。

このような傾向から、メンバーや展開、馬場等を考慮した上で、速い上がりを使えそうな馬を高く評価したい。


好走条件を満たす馬を中心に

◎ブローザホーン
「5番人気以内」かつ「上がり3F3位以内」の2つの条件を満たす可能性が最も高いのはこの馬だろう。2勝クラスを勝利した潮来特別からの4戦はどれも上がり3F順位が3位以内と、末脚に関してはメンバー上位だ。

近走を見る限り、2000mのレースでは距離不足で追走に苦労しており、距離を延長して優れたパフォーマンスを見せている。2400m戦は好条件だ。また良馬場以外では【4-1-1-2】の道悪巧者であり、レース前日から当日にかけて雨予報で、馬場が渋りそうなのは間違いなくプラスに働く。今回は最内枠に入ったが、2400mという距離と、隣2頭がこの馬よりも後方でレースを進めそうなことからも、位置取りが極端に悪くなることはなさそう。差し損ねのリスクは大きな不安点にはならない。

少し乗り難しい面がありそうで、継続騎乗していた岩田康誠騎手から乗り替わるのはプラスとは言えないが、菅原明良騎手も潮来特別で騎乗しており、調教にも複数回跨っているので大きな不安点にはならない。レース間隔が若干空いているが、状態に関しても気になる点はない。

◯ボッケリーニ
こちらも上位人気は確実な1頭。そこまでキレるタイプではないが、GⅡやGⅢであれば上がり3Fの順位が3位以内になるケースが多い。

良くも悪くもGⅠの壁を体現している馬で、GⅡ、GⅢに限れば6戦連続馬券内に入っているものの、GⅠでは1度も掲示板に入ったことがない。先述のように、キレ勝負になると少し厳しい印象で、馬場が渋って上がりが多少かかりそうなのはプラス。7歳になって少しの衰えは見られるが、元々持っている力を考えればこのメンバーに入っても地力は上位。状態的にもしっかりと整って、ここでは好走できる状態にある。

▲ディープボンド
末脚に関しては疑問符が付くが、こちらも間違いなく上位人気に支持される一頭。前走宝塚記念は圧倒的に差し有利な展開を、中団より前に付ける競馬で5着に入り、地力の高さを証明した。

キレ勝負になると分が悪いが、スタミナ勝負になると持ち味が発揮されるタイプ。そのため、開幕週の京都という条件はそこまで良い条件ではないが、雨が降ってタフな馬場になりそうなのは歓迎だ。年齢を重ねて4、5歳時程の強さは感じないが、それでもGⅠ戦線で毎回好走する馬ではあり、このメンバーなら地力は最上位。ただ休み明けで、本番はこのレースではなく状態的に最高とは言い難いが、それでも好走を期待できる状態にはある。

△ヴェラアズール
上位人気に支持されるかは微妙だが、末脚はメンバー最上位。昨年の京都大賞典、ジャパンCは大箱コースでスローな展開。この馬にとってピッタリの条件に合致したこともあり、強い内容で勝利を挙げた。その後国内で走った2レースはある程度ペースが流れた上に、中山芝2500m、阪神芝2200mという不向きなコースで度外視可能だ。

今回は明確な逃げ馬がおらず、アフリカンゴールド、アイアンバローズ辺りが逃げるにしてもスローが予想され、かつ直線が長いコースというこの馬向きの条件となる。好走確率は近走に比べて上がる。とはいえ、道中マクる馬などが出てきてペースが乱れると力を発揮しにくいように思えるので、その点は減点したい。また、状態面もまだ余裕残しに映るためこの評価にした。

×ヒートオンビート
安定感は高く、大崩れはしない印象。前走は展開に恵まれた面も大きいので高く評価は出来ない。良馬場の方が合いそう。

×マイネルウィルトス
穴で狙うとすればこの馬。道悪でのパフォーマンスは優秀で、一時は凱旋門賞行きも考えられた程。近走も時計が速くなると厳しいが、馬場が渋るなどタフなレースになれば好走している。ここでも一発あってもいい。

日、月曜日は雨予報。雨の影響で開幕週ながらある程度時計の掛かる馬場になることを想定。買い目は◎から印を打った馬への3連複流しで勝負する。

▽京都大賞典予想印▽
◎ブローザホーン
◯ボッケリーニ
▲ディープボンド
△ヴェラアズール
×ヒートオンビート
×マイネルウィルトス

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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