【函館2歳S】短距離のセオリー通り馬体重のある馬狙い 雄大な馬体と稍重経験が活きるタヤスロンドン

佐藤永記

函館2歳Sの馬体重別成績,ⒸSPAIA

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短距離戦の基本に立ち返る

JRA2歳戦最初の重賞、函館2歳S。毎年のことながら、キャリアが1戦か2戦の馬たちが大半なので、比較や傾向をみるのが非常に難しい。当日の馬体を見て考えたいレースというのが本音ではあるのだが、それでも傾向を見ていくと軸馬は絞れてくる。

函館2歳S馬体重別成績(過去10年),ⒸSPAIA


まずは1200mの短距離重賞であること。短距離といえば大型馬のほうが活躍しやすい。函館2歳Sでも同様で、軽量馬が走れないわけではないが、過去10年で見ても馬体重460Kg以上が【7-7-6-58】。同期間7月の2歳馬の平均馬体重が約453kg前後であることを考えると、馬券圏内の3分の2は馬体重の担保がある馬が優勢となっていると言える。

函館2歳S馬体重別成績(過去10年),ⒸSPAIA


次に早い時期の2歳重賞だけあって、デビュー戦を能力差で逃げ切ってしまった馬が多く登録してくる。初重賞で初めて控える競馬をすることになる馬が、果たして対応できるだろうか。過去10年のデータを見ても、前走が逃げだった場合は【3-4-3-48】で、先行は【7-6-7-57】。前走控えた馬の方が優勢の結果だ。

そして今週の函館は、執筆時点で土曜に雨模様。昨年、稍重馬場だったように、今年も絶好の良馬場というわけにはいかなさそう。開催も終盤のため、馬場状態的には力がいる方向にシフトしている。実際に昨年の勝ち馬ブトンドールは新馬戦で稍重を勝っており、3着馬オマツリオトコはダートで新馬戦を勝っている。馬場が重くなるのであれば、良馬場以外やダートの経験が活きる可能性がある。

馬体重460Kg、先行して新馬勝ち、新馬がダートか良馬場以外の芝。馬体重は新馬時を参考にするとして、この条件を満たしている馬を探すと、今年は一頭しかいない。


まだ底を見せてないタヤスロンドン

それがタヤスロンドンだ。函館芝1200mの新馬戦でデビューし、馬場状態は稍重。496kgという雄大な馬体で、3角2番手から追わずに4角先頭に押し上げた。5頭立てだったこともあり、抜け出した後に強襲してきた馬に少し詰め寄られたものの、余裕のある内容だった。丹内祐次騎手はレース後に「1頭にならない方が真面目に走る」「駐立をもう少し練習する」とコメントしている。課題はあるものの、裏を返せば伸び代十分だ。

もちろん他の馬も出走経験が少なく、まだ実力は測れない。タヤスロンドンが単勝で狙えるかはなんとも言えないところ。しかし、人気になりそうもないので、連軸や、3連複・ワイドの軸にして高配当を期待したい。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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