【日本ダービー】タスティエーラとファントムシーフは真っ先に消し! ハイブリッド式消去法で確実に残る3頭は

八木遊

2023年東京優駿の消去法データ,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週のオークスは、1着リバティアイランドと2着ハーパーが消去を免れていたが、3着ドゥーラを1つ目のデータで消していた。穴馬として期待したシンリョクカは、直線で伸びを欠いて5着まで。ヴィクトリアマイルに続く的中とはならなかった。

今週はいよいよ競馬の祭典・日本ダービー(以下ダービー)。いつも通り、過去10年のデータから複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、条件に当てはまった馬を順番に消していく。除外対象(*)のトーセントラムを含む19頭を対象に進めていきたい。


『前走から乗り替わり』×『前走GⅠ』★0.0%★

まずはダービーでは恒例ともいえる騎手の乗り替わりデータから。ダービーでの乗り替わりが鬼門になっているのは多くのファンも知るところだろう。実際に過去10年の成績は【1-1-2-55】(複勝率6.8%)と大苦戦。注目したのは馬券に絡んだ4頭の前走で、いずれもGⅡ以下のレースから臨んでいた。つまり、皐月賞を含めたGⅠからの参戦組は馬券圏内ゼロ。その成績は【0-0-0-38】(同0.0%)だった。最初にこの消去データを取り上げたい。

対象の19頭のうちノッキングポイントだけが執筆時点で鞍上未定。他の18頭も想定にはなるが、以下の5頭が条件に当てはまった。皐月賞で2~3着に入ったタスティエーラとファントムシーフは乗り替わりが仇となり、真っ先に消去する。

【今年の該当馬】
・タスティエーラ
・ファントムシーフ
・フリームファクシ
・ベラジオオペラ
・ホウオウビスケッツ


『前走0秒5以上の差で負け』×『前走上がり4位以下』★3.2%★

2つ目は、「前走で勝ち馬から0秒5以上の差で負けていた馬」を取り上げたい。過去10年の成績は【1-0-3-73】(複勝率5.2%)なので、このデータだけでも消去対象。ただしハイブリッド式ではもう1つのデータを掛け合わせる。今回は前走時の上がり順位をピックアップ。これが4位以下の馬は【1-0-1-61】(同3.2%)と複勝率はさらに低くなった。

今年この条件に当てはまったのは7頭。うち3頭はすでに消去済みのため、新たにグリューネグリーンやショウナンバシットなど4頭を消去リストに加えたい。

【今年の該当馬】
・グリューネグリーン
・ショウナンバシット
・トーセントラム*
・(フリームファクシ)
・(ベラジオオペラ)
・(ホウオウビスケッツ)
・メタルスピード


『キャリア6戦以上』×『非サンデーサイレンス系』★3.2%★

3つ目のデータはキャリアと血統を掛け合わせた。具体的には「ダービーまでに6戦以上のキャリアを重ねたサンデーサイレンス系以外の馬」が対象。過去10年で31頭が出走していたが、【0-0-1-30】(複勝率3.2%)の成績が残っていた。

今年この条件に当てはまったのは3頭。新たに消えたのは昨年のホープフルSでワンツーを決めた、ドゥラエレーデとトップナイフの2頭だった。

【今年の該当馬】
・(グリューネグリーン)
・トップナイフ
・ドゥラエレーデ


『前走GⅡ以下』×『前走4角6番手以下』★4.2%★

1つ目のデータで前走GⅠのデータを用いたが、ここでは【3-1-4-59】(複勝率11.9%)の前走GⅡ以下を取り上げたい。掛け合わせるのは前走時の4角通過順だ。これが5番手以内の馬は【2-1-4-36】(同16.3%)と、ダービーでも健闘していた。一方で、同6番手以下だった馬は【1-0-0-23】(同4.2%)。唯一馬券に絡んだのは、13年優勝馬のキズナだった。

今年は以下の3頭がこの条件に当てはまった。青葉賞で優先出走権を獲得した、スキルヴィングとハーツコンチェルトはどちらも4角6番手以下。さらに毎日杯から参戦のノッキングポイントも、4角通過は7番手だったため消去対象となった。

【今年の該当馬】
・スキルヴィング
・ノッキングポイント
・ハーツコンチェルト


『前走馬体重増』×『今回馬体重増』★5.6%★

4つの条件を終えて、19頭のうち14頭を消去した。最後に取り上げるのは前走時と今回の馬体重増減データだ。過去10年でどちらのレースにもプラス体重で出走していた馬は18頭いたが、馬券に絡んだのは1頭だけで、【1-0-0-17】(複勝率5.6%)という成績が残っている。最後はこの組み合わせを採用したい。

残っている5頭のうち、前走がプラス体重だった馬は以下の3頭。もし今回もプラスで出走するなら消去対象となる。

【今年の該当候補】
・サトノグランツ
・シャザーン

全ての条件を終えて確実に残るのは、シーズンリッチ、ソールオリエンス、パクスオトマニカの3頭。皐月賞馬ソールオリエンスは、東京へのコース替わりで前走以上のパフォーマンスも見込めそう。シーズンリッチは父ドゥラメンテ、母の父ハーツクライという血統から距離延長はプラスになるとみる。パクスオトマニカはハナを切ったレースで4戦3勝の好成績。単騎逃げが見込める今回は、3着なら十分あるとみている。

買い目はレース当日の馬体重発表後に決まるが、最大で5頭の三連複ボックス買い。もし5つ目のデータで2頭がそろって消えた場合は三連複1点で勝負予定だ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。今年の回収率は37.0%(5月21日現在)。

《関連記事》
【日本ダービー】「不利データ」を打ち破り皐月賞を制覇 Cアナライズはソールオリエンスを信頼
【日本ダービー】参考レース振り返り データは皐月賞組が好成績、ソールオリエンスの二冠に期待
【日本ダービー】最少キャリアは3戦のフサイチコンコルド、歴代最高の馬連配当は5万4,470円! 「最高記録」を振り返る

おすすめ記事