【オークス】レコードはラヴズオンリーユーの2:22.8、三連単最高払戻は54万8,190円 優駿牝馬の色々な「最高記録」

緒方きしん

2023年オークス、歴代最高記録,ⒸSPAIA

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最多勝種牡馬はディープインパクト

2023年5月21日に第84回オークスが行われる。過去にはメジロラモーヌやアーモンドアイ、デアリングタクトなどの三冠牝馬はもちろん、エアグルーヴやシーザリオなどの名牝が勝ってきた伝統のレースだ。そんなオークスの様々な記録を振り返る。

最多勝利種牡馬はディープインパクト。ジェンティルドンナ、ミッキークイーン、シンハライト、ラヴズオンリーユーと4頭の優勝馬を輩出した。さらにはヴィルシーナやハープスター、アカイトリノムスメなど5頭が2着に入っている。(1986年以降の記録を参照)

レースレコードもやはりディープインパクト産駒で、2019年にラヴズオンリーユーが2:22.8という勝ち時計を記録している。同馬は曽祖母に世界的な名牝Miesqueを持つ良血馬。新馬戦、白菊賞、忘れな草賞と、重賞未出走のままオークスへ参戦した。

キャリアは少なくともオークスでは1番人気に推されたラヴズオンリーユー。M.デムーロ騎手を背に、道中8~10番手からレースを進めると、直線で鋭い末脚を繰り出してカレンブーケドールをクビ差で差し切った。

ラヴズオンリーユーが叩き出した2:22.8というレコードは、2012年に同じくディープインパクト産駒のジェンティルドンナが記録した2:23.6を0.8秒も上回る超高速タイムだった。2着カレンブーケドールは、のちにジャパンC2着や天皇賞(春)3着などの実績馬で、3着はのちのグランプリ3勝馬クロノジェネシスと、走破タイムも相手関係もハイレベルなオークスだった。

ラヴズオンリーユーはオークス制覇後しばらく勝ち切れず、次の白星は5歳2月の京都記念だった。しかし5歳シーズンは、3歳後半~4歳シーズンの悔しさを晴らすかのように、QE2世C、BCF&Mターフ、香港Cと海外GⅠを3勝した。その功績により、同年のJRA最優秀4歳以上牝馬およびエクリプス賞最優秀芝牝馬を受賞し、歴史的名牝となった。


大荒れを呼んだエリンコート

ラヴズオンリーユーが勝った2019年は1番人気での勝利だったが、戦歴からオッズが高くなったようで、単勝は4.0倍。2着カレンブーケドールもスイートピーS勝ち馬だったが12番人気で、馬連は251.4倍の万馬券。さらに枠連配当は84.2倍で歴代最高配当だった。

馬連の歴代最高配当に君臨しているのが、427.5倍となった2011年のオークスで、この時の三連単5481.9倍も歴代最高配当となっている。勝ち馬エリンコートも重賞未挑戦で忘れな草賞を制し、オークスに挑戦した馬だった。父が名短距離馬のデュランダルという血統的な不安要素もあってか7番人気だったが、レースでは鞍上の後藤浩輝騎手が「これしかない」というようなズバリの名騎乗を見せ、見事に差し切った。2着には1勝馬ピュアブリーゼが逃げ粘り、上述の大波乱を呼び込んだ。

ちなみに単勝配当の最低額は、のちのGⅠ・9勝馬アーモンドアイを抑え2009年のブエナビスタが記録した1.4倍。歴代2位はシーザリオの1.5倍で、スペシャルウィーク産駒がワンツーを飾っている。3頭に続く1.6倍のデアリングタクトもまた、父母シーザリオの父がスペシャルウィーク。どうやらスペシャルウィークの血はオークスで人気に応える血統のようだ。今年はドゥラメンテ産駒やキタサンブラック産駒が人気を集めそうだが、来年以降も記憶の片隅に残しておきたい。

オークス血統といえば、今年は歴代優勝馬の娘が2頭出走登録している。ミッキークイーンの娘ミッキーゴージャスは、この舞台に強いディープインパクトの血が騒ぐか期待がかかる。父がミッキーロケットと、ロマンある配合である点にも注目したい。もう一頭のイングランドアイズはヌーヴォレコルトの娘だが、抽選対象となっている。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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