【ヴィクトリアマイル】ソダシ連覇の可能性を探る！　プラスデータ多数も気になるデータを発見

2023/05/12 06:00

東大ホースメンクラブ

ⒸSPAIA

この記事のレース

ヴィクトリアマイル

GⅠ

5月14日(日)　東京11R

白毛の女王が連覇に挑む

今週は東京芝1600mを舞台に春のマイル女王決定戦・GⅠヴィクトリアマイルが行われる。今年は、中距離、マイル、スプリントと様々な路線から豪華メンバーが集結。二冠牝馬スターズオンアース、東京新聞杯2着から悲願のGⅠ獲りに挑むナミュール、昨年の安田記念覇者ソングラインら、見応えたっぷりのメンバー構成だ。

中でも一際注目を集めるのは、昨年の女王ソダシ。芝のマイルでは【4-0-1-0】と安定感抜群の馬であるが、今回はD.レーン騎手への乗り替わりなど、馬券を検討する上で頭を悩ませる要素もある。そこで今回はソダシ連覇の可能性について、過去10年データから探っていく。

休み明けはプラス

ヴィクトリアマイルの年齢別成績,ⒸSPAIA

＜ヴィクトリアマイル・過去10年の年齢別成績＞
4歳【4-6-2-61】勝率5.5%/連対率13.7%/複勝率16.4%
5歳【4-3-7-58】勝率5.6%/連対率9.7%/複勝率19.4%
6歳【1-1-1-23】勝率3.8%/連対率7.7%/複勝率11.5%
7歳以上【1-0-0-5】勝率16.7%/連対率16.7%/複勝率16.7%

まずは年齢別成績。今回はスターズオンアースやナミュール、ナムラクレアら4歳勢を5歳馬のソダシが迎え撃つ構図だ。勝率は拮抗、連対率は4歳が優勢、複勝率は5歳が優勢とどちらも譲らない形。このデータからも、ソダシは十分勝ち負けできると言えそうだ。過去にもアーモンドアイやグランアレグリア、ヴィルシーナらが5歳で勝利しており、この3頭は全て過去にマイルGⅠ勝ちの経験があった。マイルGⅠ・3勝のソダシもこれに続けるか、注目だ。

ヴィクトリアマイルの間隔別成績,ⒸSPAIA

＜ヴィクトリアマイル・過去10年の間隔別成績＞
中4-8週【8-7-8-101】勝率6.5%/連対率12.1%/複勝率18.5%
中9-24週【2-2-0-12】勝率12.5%/連対率25.0%/複勝率25.0%
半年以上【0-0-0-4】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%

次に前走からの間隔について。ソダシは前走がマイルCSであり、このヴィクトリアマイルが約6ヶ月ぶりの実戦となる。なお、過去10年で前走マイルCSからヴィクトリアマイルに出走した馬はいない。ソダシが該当する中9-24週は、主流の中4-8週組を大きく上回る成績。ソダシ自体も中10週以上で【3-0-1-1】(唯一馬券外に敗れたのは2000mの22年札幌記念)と休み明けに好走する馬であり、ヴィクトリアマイルが今年初戦になる点はプラスに捉えて良いだろう。

乗り替わりは不安要素

＜ヴィクトリアマイル・過去10年の前走着順別成績＞
前走1着【0-3-0-38】勝率0.0%/連対率7.3%/複勝率7.3%
前走2着【1-3-3-21】勝率3.6%/連対率14.3%/複勝率25.0%
前走3着【1-1-3-8】勝率7.7%/連対率15.4%/複勝率38.5%
前走4着以下【8-3-4-80】勝率8.4%/連対率11.6%/複勝率15.8%

前走の着順別成績から分かる通り、ヴィクトリアマイルは巻き返しの効くレースだ。前走1着馬が過去10年で1勝も挙げることができておらず苦戦する一方、前走4着以下の馬が8勝を挙げているのが特徴。適性外の高松宮記念で大敗した馬や、牡馬相手に惜しくも敗れた馬が牝馬相手のこのレースで巻き返すことが多いため、このようなデータになっているようだ。

ソダシが該当する前走3着組は好走率が高い。前走のマイルCSは、一線級の牡馬相手に3着。先日のマイラーズCで3着に好走したソウルラッシュに競り勝っての3着であり、今回のヴィクトリアマイルでの巻き返しは十分あり得るだろう。

＜ヴィクトリアマイル・過去10年の乗り替わりの有無別成績＞
同騎手【8-6-6-94】勝率7.0%/連対率12.3%/複勝率17.5%
乗り替わり【2-4-4-53】勝率3.2%/連対率9.5%/複勝率15.9%

最後に騎手について。今回のソダシはデビューからタッグを組んできた吉田隼人騎手から、レーン騎手に乗り替わる。19年にノームコアで同レースを制した名手への乗り替わりはプラスと捉えたいところだが、乗り替わり組の成績は、継続騎乗組の成績よりやや落ちる。

牝馬は牡馬に比べ乗り難しいと言われており、その分継続騎乗が有利に働くのではないのだろうか。また、先週のレーン騎手は単勝1番人気で11敗を喫しており不調。ヴィクトリアマイルと同じコースで行われたNHKマイルCも1番人気のカルロヴェローチェで5着に敗れている。気難しいソダシを上手くエスコートできるのか、一抹の不安が残る。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。