【フローラS】唯一の2勝馬、実績を信頼 東大HCの本命はキミノナハマリア
東大ホースメンクラブ
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2枚の切符を賭けた乙女たちの決戦
今週日曜日、東京競馬場でGⅡ・フローラSが行われる。2着までにオークスへの優先出走権が与えられるトライアルレースに、未勝利戦を2馬身半差で快勝したソーダズリング、1戦1勝馬のドゥムーランとブライトジュエリー、君子蘭賞を制したキミノナハマリア、クイーンC4着のイングランドアイズ、フラワーC4着のゴールデンハインドなど、ここから樫の女王を目指す15頭が揃った。
昨年は3連単が25万馬券となり、また一昨年は馬連の払戻金が4万円超となるなど、毎年かなり荒れることで知られるレースだが、今年はどのような決着になるか。今週も過去10年のデータから検討する。
先行+前走1着に注目
【フローラS・過去10年の脚質別成績】
逃げ【0-1-1-8】勝率0.0%/連対率10.0%/複勝率20.0%
先行【3-5-3-25】勝率8.3%/連対率22.2%/複勝率30.6%
差し【5-4-6-60】勝率6.7%/連対率12.0%/複勝率20.0%
追込【2-0-0-49】勝率3.9%/連対率3.9%/複勝率3.9%
まず脚質別成績を確認する。先行、差しからはいずれも好走が多いが、ここ2年連続で前残りの競馬になっていることは注目すべき点だろう。最初の5F通過タイムが59秒より速くなったのは20年(58秒6)のみで、例年それほどハイペースにはならない。はっきりとした逃げ馬がいない今年はなおさらその傾向が当てはまる可能性が高いだろう。
今年の出走馬の中で先行して実績を残しているのはキミノナハマリア、ゴールデンハインド、(未勝利勝ちだけだが)レシプロシティあたり。特にキミノナハマリアはここ3走全て4角4番手以内で進めており、前走の君子蘭賞ではメンバー中最速の上がり34秒5を計時。勝負所でのキレ味も兼ね備えている。
【フローラS・前走着順別成績】
1着【7-3-2-49】勝率11.5%/連対率16.4%/複勝率19.7%
2着【0-2-2-19】勝率0.0%/連対率8.7%/複勝率17.4%
3着【0-1-3-9】勝率0.0%/連対率7.7%/複勝率30.8%
4・5着【2-1-1-26】勝率6.7%/連対率10.0%/複勝率13.3%
6着以下【1-3-2-39】勝率2.2%/連対率8.9%/複勝率13.3%
次に前走の着順とクラスから成績を比較する。オークストライアルらしく未勝利や1勝クラスを勝ってからの臨戦が多いが、なかでも前走1勝クラスを勝った馬は【5-2-0-17】勝率20.8%、単勝回収率266%をマークしている。さらにフローラSで先行できた馬は【1-1-0-1】とサンプルは少ないが好成績。今回先行する可能性が高いキミノナハマリアには追い風だ。反対に前走1勝クラスで馬券圏外だと【1-0-1-27】で、馬券に絡んだのは14年サングレアル(1着)、16年アウェイク(3着)のみと厳しい。
未勝利戦1着馬は【1-1-2-27】複勝率12.9%という成績。勝った例は13年のデニムアンドルビーまでさかのぼる。キャリア1戦馬が【0-0-0-8】と苦戦しているように、新馬・未勝利戦からは一気にレベルが上がることもあって、一枚割り引いて考えざるを得ない。
最後に着順問わず前走レース別の成績を見ると、最も目立つのはフラワーC組【1-3-4-15】だった。またクイーンC組も【0-2-1-8】で、2着に入った2頭(20年ホウオウピースフル、21年スライリー)はいずれもクイーンCで掲示板外だった。距離延長による一変があることは注意しておきたい。
このメンバーなら地力上位
◎キミノナハマリア
君子蘭賞は上がり3F最速34秒5を繰り出し、3馬身差で快勝。長くいい脚を使って、粘り込みを図ったランスオブサウンドをかわした点は評価できる。前走1勝クラス以上かつ、そこで先行して上がり3F最速をマークしていると【2-1-1-3】。メンバー中2勝しているのはこの馬だけで、2000mへの距離延長、かつ重賞でも十分戦える力を備えている。
◯イングランドアイズ
新馬戦ではクイーンC馬ハーパーを破っており、また3着馬マテンロウアルテもその後未勝利戦を勝ち上がっている。前走はスタートで後手を踏み、さらに直線では進路取りにも苦労して4着に敗れたが、1着ハーパーとのタイム差は0秒1とそれほど大きくなかった。新馬勝ちの2000mに戻り、また相手も1勝馬中心となれば実力は上位。勝ち負けする可能性は高い。
▲クイーンオブソウル
最終追いでは古馬2勝クラスのローズボウルと併せ馬を行い、一瞬で加速して3馬身先着。エルフィンS4着、アネモネS3着とリステッドを2戦経験しており、前走で先着した4着馬スピードオブライト、5着馬エッセレンチいずれも次走の1勝クラスを勝っている。距離延長、東京替わりも好材料だ。
以下ゴールデンハインド、レシプロシティ、ソーダズリング、ブライトジュエリーまで印を回す。ソーダズリングの前走は楽に上がり34秒1をマークし、負かした2着馬も次戦で未勝利を突破するなどかなりレベルの高いものだったが、ハーツクライ産駒はこのレース【0-2-0-21】と不振。ここが試金石とみて、あくまで相手にとどめる。馬券は◎◯軸、▲以下相手の3連単マルチとする。
▽フローラS予想▽
◎キミノナハマリア
◯イングランドアイズ
▲クイーンオブソウル
△ゴールデンハインド
×レシプロシティ
×ソーダズリング
×ブライトジュエリー
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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