【ドバイWCデー回顧】イクイノックスが圧巻の走り　ドバイワールドC・ウシュバテソーロなど日本馬3勝の活躍

ⒸSPAIA（撮影：三木俊幸）

レコードタイムで逃げ切り

現地時間3月25日にドバイ・メイダン競馬場で行われたドバイワールドカップデー。日本から総勢26頭が参戦し、出走した6レース中3勝と活躍した。勝利した3レースを中心に結果を振り返っていこう。

今年のドバイワールドカップデー、日本勢の目玉的存在だったのは、ドバイシーマクラシック（GⅠ・芝2410m）に出走した昨年の年度代表馬イクイノックス。圧巻の走りを披露した。レースは10頭立て、スタンド前でスタートを切った各馬はどの馬が逃げるのか牽制しあうようにも見えたが、好スタートを切ったイクイノックスの鞍上ルメール騎手に迷いはなかった。

マイペースで逃げ、2番手にモスターダフとボタニクが続く。直線に向いて、後続馬が追われ始める一方でイクイノックスは手応え抜群で数回軽く気合をつけられるだけ。まるで調教で走っているかのように、楽々と駆け抜けての大楽勝。道中6番手追走から追い込んできた2着ウエストオーバーに3.5馬身差をつけた。

勝ちタイム2:25.65は、2021年にミシュリフがマークしたタイムを1秒も上回るレコードで、圧倒的な力を世界中に誇示した。ルメール騎手は「最高の馬だとわかっていましたし、逃げることができて良かったです」と喜んだ。さらに、ともにドバイシーマクラシックを勝利し、先日この世を去ったハーツクライを追悼する勝利にもなったとのコメントを残した。次なるターゲットはどのレースになるのか、非常に楽しみだ。

その他の日本馬は、連覇を狙ったシャフリヤールが5着、香港ヴァーズ優勝馬ウインマリリンは6着という結果に終わった。

道中最後方追走

メインレースのドバイワールドカップ（GⅠ・ダート2000m）には8頭の日本馬が出走した。前走のサウジカップを勝利したパンサラッサは大外枠から、楽に逃げることができず、ハナ争いが激化。リモースとの競り合いは残り800m付近まで続いた。息が入らない格好となったパンサラッサは4角で後退、見せ場なく10着に沈んだ。

勝利したのは道中最後方を追走、勝負所で外を回して徐々に進出を開始したウシュバテソーロ。残り150mで先に抜け出したアルジールスをあっさりと交わしさると2.75馬身差で勝利。日本調教馬としては2011年のヴィクトワールピサ以来2回目、ダート開催では初めてのドバイワールドカップ制覇となった。また川田将雅騎手も日本人として初の同レース優勝騎手に輝いた。

それ以外の日本馬は、テーオーケインズが6番手のインでレースを進め、直線はウシュバテソーロと並んで追い上げ4着、クラウンプライドが5着、ジオグリフが11着、カフェファラオは12着、ヴェラアズールは13着、ジュンライトボルトは15着だった。

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日本馬が1〜4着

3歳馬によるUAEダービー（GⅡ・ダート1900m）には5頭の日本馬が出走。1〜4着まで独占という素晴らしい結果を残してみせた。レースを引っ張ったのはサウジダービー3着から挑んだデルマソトガケ。2番手にドゥラエレーデ、3番手にコンティノアールと日本馬が先行集団を形成。

直線に向いてデルマソトガケがドゥラエレーデを振り切ると後は差が広がる一方で、最終的には5.5馬身差をつけて圧勝した。先行した3頭がそのままの着順で、4着には中団からレースを進めたペリエールが入る結果。もう一頭参戦したゴライコウは12着と伸びを欠いた。

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ダノンベルーガは追い込み届かず

ドバイターフ（GⅠ・芝1800m）に出走したダノンベルーガは後方から追い込み、3連覇を果たしたロードノースから0.75馬身差の2着。セリフォスも一瞬伸びかけたが、距離の壁があったのか最後は脚色鈍って5着、ヴァンドギャルドは14着だった。

ⒸSPAIA（撮影：三木俊幸）

ドバイゴールデンシャヒーン（GⅠ・ダート1200m）には4頭の日本馬が出走したが、最先着はリメイクの5着。2年連続で2着とあと一歩の競馬が続いていたレッドルゼルは6着、フェブラリーS優勝馬のレモンポップは10着、サウジアラビアから転戦してきたジャスティンは12着。ゴール前は最内からスルスルと伸びたシベリウスと外から追い込んだスイッツァランドによる大接戦となったが、ハナ差でムーア騎手騎乗のシベリウスが制した。

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まだ日差しの強い時間帯に行われたゴドルフィンマイル（GⅡ・ダート1600m）に出走し、連覇を狙ったバスラットレオンは2番手を追走するも4着。そのすぐ外から運んだウインカーネリアンは6着、ラウダシオンは11着と勝利ならず。スタートしてからハナを奪った地元UAEのアイソレートが5.5馬身差で後続に影すら踏ませなかった。

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ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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