【共同通信杯】今年の関東総大将になり得る器 東大HCの本命はタスティエーラ

東大ホースメンクラブ

共同通信杯の前走着順別成績,ⒸSPAIA

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近年はGⅠへの登竜門として定着

今週日曜、東京競馬場を舞台にGⅢ共同通信杯が行われる。セレクトセールで2億9700万円の値がついた高額馬・東スポ杯2歳S2着ダノンザタイガー、ホープフルS4着ファントムシーフ、朝日杯FS3着レイベリング、新馬戦を圧勝したタスティエーラ、タッチウッドなどがエントリーしてきた。

昨年の勝ち馬ダノンベルーガ、2着ジオグリフ、一昨年の勝ち馬エフフォーリア、3着シャフリヤール、2019年1着ダノンキングリー、2着アドマイヤマーズなど、近年はクラシックレースをはじめとする3歳GⅠへの最重要ステップとなっている一戦。名馬への登竜門を駆け上るのは実績馬か新星か。過去10年のデータを参考に馬券戦略を考えていく。


「前走3着以内」が勝利へのキーワード

共同通信杯・前走着順別成績,ⒸSPAIA


<共同通信杯・前走着順別成績>
1着【6-4-4-25】勝率15.4%/連対率25.6%/複勝率35.9%
2着【1-2-0-8】勝率9.1%/連対率27.3%/複勝率27.3%
3着【2-1-3-4】勝率20.0%/連対率30.0%/複勝率60.0%
4・5着【0-2-1-10】勝率0.0%/連対率15.4%/複勝率23.1%
6着以下【0-1-2-31】勝率0.0%/連対率2.9%/複勝率8.8%
※過去10年、前走取消【1-0-0-0】

過去10年の東京新聞杯では前走3着以内だった馬が9勝。唯一該当しない2016年1着ディーマジェスティは前走のホープフルSを取り消しており、前々走の未勝利戦を勝っていた。事実上の前走勝ち馬といっていい。

この傾向は一過性のものではなく、1986年以降の37レースで見ても前走3着以内が34勝。前走4着以下からの勝利は2003年ラントゥザフリーズが最後、しかもこのレースは中山開催だった。今年も前走で馬券になった馬を中心に買い目を組むべきだろう。前走3着以内だった馬はウインオーディン、コレペティトール、タスティエーラ、タッチウッド、ダノンザタイガー、レイベリングの6頭。

また、前走芝1800m以上の新馬戦を勝っていると【2-2-2-1】複勝率85.7%で、好走6頭中5頭は新馬戦で先行策を取っていた。今年はタスティエーラをピックアップしたい。また重賞組は東スポ杯2歳S、朝日杯FSの2レースから連対馬が出ており、ダノンザタイガーとレイベリングの評価が上がる。

前走4着以下は【0-3-3-41】。好走6頭は全て前走重賞組で、うち4頭にオープンクラス以上の連対歴、残り2頭は芝2000m戦の連対歴があった。ファントムシーフとロードプレイヤーを検討しておきたい。


新馬戦はGⅠ級、名門から新星登場

◎タスティエーラ
名門・堀宣行厩舎から登場した新星。新馬戦はテンから出していって2番手を確保、4角から長く脚を使ってラスト3F11.2-11.1-11.2のラップを刻んでの圧勝だった。ラスト5F58秒3のレースラップも秀逸、何より秋の東京最終週でこの数字を出したという事実を強調したい。過去の東京芝1800mの2歳戦において、ラスト5F58秒3以下のレースを逃げずに勝った馬はイスラボニータ、ニシノデイジー、コントレイル、ジオグリフ、イクイノックス、ソールオリエンスとこの馬のみ。GⅠ級とみてよいだろう。

京成杯を圧勝したソールオリエンスと並ぶ、現3歳世代の関東のエース格。ダービー馬になる資格ありとみる。鞍上にも名手・福永祐一騎手を確保、最低でも連対で収得賞金を積みたいところ。

◯レイベリング
新馬戦で大外を回しての上がり3F33秒1圧勝から只者ではなかったが、朝日杯FSの走りはなお素晴らしかった。道中内に進路をとっていたドルチェモア、ダノンタッチダウン、キョウエイブリッサなどが上位を独占する中、終始外を回しながら勝ち馬からクビ+クビ差の3着。GⅠの舞台、前半4F45秒7の締まった流れで、全くコースロスがなかった馬たちと互角の走り。出走馬中最も強い内容だったといっていいだろう。

1986年以降の共同通信杯において、前走朝日杯FS(前身含む)で4角5番手以内から3着までに入った馬は【2-4-0-3】。1990年アイネスフウジン以降6連続連対中のデータに合致している。新馬戦を圧勝した東京コースに戻るのもプラス要素で、タスティエーラの最大のライバルに挙げたい。

▲ファントムシーフ
好メンバーの阪神芝マイル戦を快勝、野路菊Sでは4コーナーを外の3番手からねじ伏せるスケール感あふれる走りを披露した。ホープフルSではわずかに行き脚がつかず7番手からの競馬、直線で追い出してからは伸びたものの前を捉えるには至らずといった内容の4着。それでも上がり3F2位のタイムでまとめ、最低限の格好をつけた。鞍上の指示に素早く反応してキレるタイプではなく、トップギアへの移行までに間があり、そのため中山コースでは間に合わなかった。

前述の内容から東京コース替わりはこちらも絶好。ただタッチウッド、ダノンザタイガーまで素質の差はなく、当日の馬場傾向などで細かな上げ下げが必要だろう。

以下タッチウッド、ダノンザタイガー、ロードプレイヤーに印を回す。馬券は◎―◯の馬連を本線、その他相手4頭には◎をアタマに固定する馬単とする。

▽共同通信杯予想▽
◎タスティエーラ
◯レイベリング
▲ファントムシーフ
△タッチウッド
×ダノンザタイガー
×ロードプレイヤー

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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