【東京新聞杯】勝率100%データとともに、飛躍の4歳シーズンへ 東大HCの本命はナミュール

東大ホースメンクラブ

2023年東京新聞杯の前走クラス別成績,ⒸSPAIA

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春のマイルGⅠへつながる一戦

今週日曜、東京競馬場を舞台にGⅢ・東京新聞杯が行われる。オークス3着、秋華賞2着馬ナミュール、昨年の毎日王冠で強豪相手に2着と好走したジャスティンカフェ、関屋記念覇者ウインカーネリアン、京都金杯を好走したエアロロノア、プレサージュリフト、素質馬インダストリア、ピンハイなどがエントリーしてきた。

ヴィクトリアマイル、安田記念といった春のマイル王決定戦につながる重要な前哨戦。例年以上に粒ぞろいのメンバー構成となったレースを制するのはどの馬か、今週も過去のデータを参考に馬券戦略を考えていく。

前走クラス別成績に偏り

東京新聞杯・前走クラス別成績,ⒸSPAIA


<東京新聞杯・前走クラス別成績>
3勝クラス【4-1-0-7】勝率33.3%/連対率41.7%/複勝率41.7%
オープン【0-3-1-39】勝率0.0%/連対率7.0%/複勝率9.3%
GⅢ【1-4-4-39】勝率2.1%/連対率10.4%/複勝率18.8%
GⅡ【1-0-3-15】勝率5.3%/連対率5.3%/複勝率21.1%
GⅠ【4-2-2-16】勝率16.7%/連対率25.0%/複勝率33.3%
※過去10年、前走海外【0-0-0-2】

過去10年の東京新聞杯では前走3勝クラス組とGⅠ組がともに4勝と中心格を担っており、まずは該当馬について検討を加えたい。

3勝クラス組は連対率4割超えの優秀な数字。4勝の内訳は2015年ヴァンセンヌ(3連勝中)、2019年インディチャンプ(2連勝中)、2021年カラテ(2連勝中)、2022年イルーシヴパンサー(3連勝中)といずれも連勝でここに駒を進めたパターンだった。インダストリアは該当せず、人気を集めていても過信は禁物だろう。

オープン組は全体的に不振。好走した4頭は2015年2着アルフレード(朝日杯FS)、2018年2着サトノアレス(朝日杯FS)、2021年2着カテドラル(アーリントンC2着、NHKマイルC3着)、2022年3着カラテ(東京新聞杯)とマイル重賞で既に結果を残していた馬ばかり。シンザン記念2着のあるプリンスリターンが唯一俎上に残るが、同馬は1年2ヶ月の休み明けとあって強気には買えないところ。

今年はGⅡ組が不在、GⅢ組は全頭が京都金杯からの臨戦(【1-2-3-24】複勝率20.0%)のため、このローテーションについて確認。好走馬は全て6番人気以内、連対馬は京都金杯で2着以内もしくは東京芝1600mの重賞で連対歴があった馬に限られる。人気の面で未知数の部分はあるが、プレサージュリフトとマテンロウオリオンを押さえておきたい。

GⅠ組は距離短縮だと2016年以降【2-2-1-0】のパーフェクト。ナミュールとピンハイが該当する。その他マイルCS組が【1-0-1-11】と不振だが、好走馬2頭にはGⅡ以上での連対歴があり、ジャスティンカフェはマークが必要だろう。

悔しさを晴らす勝利でいざGⅠへ

◎ナミュール
阪神JFから支持を集め続ける素質馬で、オークス3着、秋華賞2着の実績は脚力を証明するもの。前走のエリザベス女王杯は5着に敗れたが、道中でぶつけられる不利もあり、小柄な馬体にはタフな重馬場2200mもマイナスに働いた。開幕2週目の東京、距離短縮、マイルは明確に条件好転。東京芝1600mは赤松賞で異次元の末脚を披露した舞台でもある。

過去10年の東京新聞杯で、前走エリザベス女王杯だった重賞馬は【3-0-0-0】のパーフェクト。頂点に立てなかった牝馬三冠の悔しさを晴らす4歳シーズンをいい形で始動してほしい。

◯ジャスティンカフェ
一昨年の10月、中京マイルでラスト3ハロン11.4-11.4-11.3の加速ラップを後方から差し切ったレース、レース上がりより1秒4速い末脚で駆け抜けた昨年の湘南S、サリオスの強襲に敗れたが2着にまとめた毎日王冠など、重賞タイトルこそないが現役屈指のマイラーであることは疑いない。

マイルCSは残り1ハロンで前が壁になってしまい6着。直線はうなる手応えで進出していただけに、まともなら連はあった内容。地力は上位2頭が頭ひとつ抜けている。

▲プレサージュリフト
東京マイルは2戦2勝、新馬戦ではレース上がりより1秒5速い上がりで差し切り、クイーンCではのちの二冠牝馬スターズオンアースを下す、いずれも強い競馬だった。前走の京都金杯はポジションを取りに行ったことが結果的に最後のひと伸びを鈍らせた印象。中団待機から末脚を伸ばす競馬なら一角崩しもありそうだ。

以下マテンロウオリオン、エアロロノア、ウインカーネリアンに印を回す。馬券は◎から印へ流す馬連とする。

▽東京新聞杯予想▽
◎ナミュール
◯ジャスティンカフェ
▲プレサージュリフト
△マテンロウオリオン
×エアロロノア
×ウインカーネリアン

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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