【東海S】キズナの血とリーディングジョッキーの力を借りて 京大競馬研の本命はハギノアレグリアス

京都大学競馬研究会

京大式、東海S有力馬の評価,ⒸSPAIA

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粒ぞろいのメンバー構成

1月22日(日)に中京競馬場で東海S(GⅡ)が行われる。みやこS2着のハギノアレグリアスが重賞初制覇を狙う他、浦和記念を勝ったクリノドラゴン、リステッド競走で力をつけたハヤブサナンデクンやサンライズウルスなどが参戦する。

先日レースレーティングの数値が発表され、フェブラリーSの前哨戦2レースのうちGⅡ格の東海Sの方が根岸Sよりレーティングが低いことを知った。今年はそんな不名誉な記録を消し飛ばす彗星が現れないだろうか。勢いのある馬も多く、長い目で見たいレースになりそうだ。


中京ダ1800mはキズナにお任せ 古馬へニーヒューズはマイナス

過去5年同コース種牡馬別成績,ⒸSPAIA


まずは過去5年の中京ダート1800mにおける種牡馬別成績を、今回出走する馬を中心に調べた。

勝ち数、連対数トップはルーラーシップだが、出走馬に産駒がいないため割愛。これに迫る勢いを持つのがキズナ産駒で【16-11-13-96】、単勝回収率が驚きの286%。この数値は2年前に単勝256倍の大穴をあけたことによるもので鵜呑みにできないが、1番人気の成績だけに絞っても【8-2-3-1】とほぼ全頭が馬券入りしている。人気馬の信頼度も高いため、回収率を抜きにしても外せない種牡馬だ。ハギノアレグリアスには追い風になるデータだ。

他に当該コースで10勝以上をあげるのはキングカメハメハ【15-13-12-94】、ハーツクライ【13-12-13-97】、へニーヒューズ【10-16-16-107】がいるが、へニーヒューズ産駒は5歳以上になると【0-3-1-24】と数字が落ちる。サンライズウルス、スマッシングハーツはともに年齢を感じさせない走りをしてはいるものの、データ上は厳しい。


注目馬の診断 プロミストウォリアは信頼できるか

2023年東海S注目馬診断,ⒸSPAIA


1番人気想定のハギノアレグリアスから見ていこう。前走みやこSでは内を伸びてはいたものの、外の差し馬に屈して2着。2走前太秦Sと比較すると直線の手応えもよろしくなく、馬群を突く形は望ましくないと考える。キャリアの浅さによる所だろうか。みやこSの時計は歴代で最も遅く、これがチャンピオンズカップであればもう少し時計を詰めないといけなかったが、乾燥した今のダートであれば良馬場の持ち時計1分51秒1で問題なく対応出来るだろう。先述のキズナ産駒の成績を含めて信頼度はかなり高い。

3番人気想定のハヤブサナンデクンは頭数の少なくなってきたゴールドアリュール産駒。先ほど紹介から漏れたがゴールドアリュール産駒の中京ダ1800m成績は【7-10-6-78】の複勝率22.8%であまり良くない。三宮Sと同様の走りが出来ればシリウスSは勝てる内容、レースレベルだったはずなのだが、そのシリウスSでは完敗。近2走はワンターン、右回りと当馬には合わない条件であったため、中京に帰ってくることはプラスではある。しかし3走前の敗因を休み明けで解決してしまって良いのだろうか。血統含めて強くは推せなかった。

最後はプロミストウォリア。6歳ながら3度の骨折でキャリアわずか6戦。新潟で勝利歴があり、左回りを苦にする馬ではなさそうだ。ただ気になるのは持ち時計の遅さ。馬場の違いはあるが、1800m1分52秒0でいきなり重賞に臨むのはあまりに不安だ。4年前、5連勝でここに出走して優勝したインティは、前走で稍重ながら1分49秒4で走破しており、既にGⅠ馬顔負けの快速を誇っていた。ダートのオープン競走は大変層が厚く、オープンで連勝が止まる例は多数存在する。インティレベルにならないと昇級戦で安心して馬券を買えない。もちろん持ち時計が全てではなく、能力を隠し持っている可能性はあるが、現状の結果だけでは手を出したくない。単騎逃げ想定で展開が非常に向くため押さえは必要だが、評価は低めとした。


今度こそ四位厩舎にタイトルを

◎ハギノアレグリアス
前走みやこSに続いての本命。内を突くも伸びきれず2着ではあったが、展開関係なく重賞でもやれるところを示した。中京は条件戦で2勝をあげる得意コースで、怪我明け以降は順調に使えているところも高評価。血統面での後押しがあり、今年も絶好調の川田騎手を配した。条件馬時代に川田騎手が騎乗しておりテン乗りではない点もプラス。必勝態勢だ。

◯ロードレガリス
オープン2勝をあげており、このメンバーでは実績上位の馬。近2走は小回りコースで外を回す大味な競馬で、展開も全く向いていなかった。それでも続けて掲示板に上がってくるのは実力がある証拠。展開に関わらず末脚はきちんと使ってくれるため、前走よりは長い直線、昨年当レースを勝った松田騎手への乗り替わりを生かして更なる前進を期待したい。

▲ハヤブサナンデクン
4走前三宮Sが非常に強い内容。シリウスSの完敗は気になるが、中京は得意であり、使いつつ上昇していれば重賞でも通用する。サルサディオーネの回避でスローの流れが見込まれることもプラス。

△オーヴェルニュ
中京GⅡ、GⅢでは大崩れしない。ただしチャンピオンズカップは能力差による完敗で、他の先行馬にも後れを取っているなど、衰えが見られる。

×プロミストウォリア
条件戦の内容は平凡で能力面の信頼は出来ない。こちらもサルサディオーネの回避で逃げ残るチャンスは出来たが紐まで。

馬券はハギノアレグリアス1着固定の三連単12点と、人気薄ロードレガリスの単複で勝負する。月曜時点ではサルサディオーネが作り出すハイペースによって先行総崩れ、大波乱まで想定していた。少し残念ではあるが競走馬は無事が第一、中央に戻る機会があればまた応援したい。(文:福山)

東海S 予想印
◎ハギノアレグリアス
◯ロードレガリス
▲ハヤブサナンデクン
△オーヴェルニュ
×プロミストウォリア

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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