【日経新春杯】差し追い込みが決まるコースで躍動 京大競馬研の本命はヤマニンゼスト

京都大学競馬研究会

日経新春杯インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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差し、追込が決まりやすいコース

1月15日(日)に日経新春杯(GⅡ・芝2200m)が中京競馬場で行われる。昨年は4歳馬ヨーホーレイク、ステラヴェローチェのワンツー決着と新しい世代の波を感じさせる結果になった。今年はジャパンC3着馬ヴェルトライゼンデ、青葉賞勝ち馬プラダリア、オールカマー2着馬ロバートソンキーなどがエントリー。過去のレース傾向などを踏まえて予想していく。


過去3年同コース重賞好走馬・4角位置と上がり3ハロン順位,ⒸSPAIA


まず、2020年以降の中京芝2200m重賞7レースで馬券圏内に入った21頭の、4角位置と上がり3ハロン順位について調べた。

ここで注目したいのは、中京芝2200m重賞は差し・追込がかなり決まりやすい点。2020年神戸新聞杯、2021年日経新春杯、2022年神戸新聞杯の3レースでは極端なハイペースではないにも関わらず、4角16番手から好走馬が出ている。ほか、4角でそれなりに前だった好走馬も、道中動いて前に押し上げた馬や、好位から速い上がりを使っていた馬が多い。

先行して上がり上位3位以内を出せずに馬券内に入ったのは、2021年京都新聞杯2着ルペルカーリア、2021年神戸新聞杯3着モンテディオぐらいで、前者はシャフリヤールやプログノーシスがいた毎日杯で4着に入った実績馬、後者に関しては不良馬場で他馬が伸びあぐねたといった事情があったので、特殊な条件でなければこのような馬の好走は難しいと言える。先行しながらそれなりに速い上がりを使える馬はもちろんだが、このコースであれば末脚自慢の馬も同じように高く評価するべきだ。


雨予報も考慮して

◎ヤマニンゼスト
前走菊花賞は1.2秒差の6着で結果としては着差を付けられたが、勝ち馬はダービー3着アスクビクターモア、2着馬は有馬記念2着ボルドグフーシュという強敵相手であったことと、そして4角で不利があったことを踏まえれば十分健闘した内容であった。上がり3Fの脚に関しては優れたものがあり、競馬の形が定まっていなかった最初の2戦と、スムーズな競馬が出来なかった菊花賞を除けばどれも上がり3Fのタイムは3位以内。差しが決まりやすい中京芝2200m重賞にはマッチする。

33秒台の上がりが求められるスローからの瞬発力勝負は厳しい馬だが、今回はアフリカンゴールド、キングオブドラゴンと逃げ馬が複数いることでペースが流れて、また馬場も渋って多少上がりがかかるレースになりそう。重賞で勝ち切るには若干足りない面もあるが、今回はハンデが楽という事もあり、その足りない面を補えそうなのもプラスだ。調教過程も順調で状態面での心配もなさそうなので、ここではしっかりと能力を発揮できる。札幌での1勝クラス・藻岩山特別を見て、神戸新聞杯や日経新春杯に出走してくれば狙いたいと思っていた1頭。好走を期待したい。

◯プリマヴィスタ
前走中日新聞杯はイン前有利な展開の中、外めの進路を通って0.2秒差の6着に入った。脚質に関しては定まったものがないが、近走と同じような後ろからの競馬をしてほしい。スローからの瞬発力勝負になると厳しいのでこちらも馬場が渋った方が確実にプラス。中京芝2200mは過去2勝、レコードも持っている相性のいいコース。小回りよりは、大箱コースの方が確実に合うタイプで、距離に関しても2000mよりは2200mや2400mがいいだろう。展開さえ向けば一発あってもおかしくない。

▲ダンディズム
ここ9戦いずれも出遅れ、かつ上がり3位以内を記録し続けている馬。とにかくスタートが下手で、その上重賞レベルになるとマクる競馬も出来ないので、直線だけで追い込む競馬にならざるを得ない。しかし先述のようにこのコースでは追い込みが届くので、好走できる可能性はある。稍重以上の馬場であれば【2-2-1-1】とかなりの好成績を残している道悪巧者であり、雨は大歓迎。近走はなかなか展開が向かずに負けが続いているが、展開次第では重賞でも馬券に入る力はある。

△ロバートソンキー
新馬戦とGⅠ以外では常に馬券内に入っている安定感のある馬。また、GⅠを除いた9戦ではどれも上位3番目以内の上がりを使えていることからも、差しが決まりやすい中京芝2200m重賞では期待出来る。前走は内有利の馬場の恩恵を受けたとはいえ、前有利の展開の中で内から先行したジェラルディーナ相手に0.2秒差の走りが出来た。また、2200mは【2-1-1-0】と得意な距離でもある。こちらも馬場は渋った方が確実にいいタイプなので、週末天気が崩れそうなのはプラス。鞍上の経験値不足は心配ではあるが、この馬とは上手くコンタクトが取れているので、大きなマイナス点にはならない。

×ヴェルトライゼンデ
前走は馬場と展開の恩恵が大きかったが、左回りの方が合うことを再確認できた。スローであれば好位から速い上がりを使えるが、ペースが流れた時に同じようなことができるか疑問。59kgという斤量面の不安もあり、オッズと釣り合わないのでこの評価。

×ヴェローナシチー
末脚は魅力的だが、近走を見る限りヤマニンゼストとは差がある。

買い目としては、◎からの3連複流しで勝負。前残りになったら仕方ないという予想です。

▽日経新春杯予想印▽
◎ヤマニンゼスト
◯プリマヴィスタ
▲ダンディズム
△ロバートソンキー
×ヴェルトライゼンデ
×ヴェローナシチー

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
25年以上の歴史がある、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。



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