【日経新春杯】「4歳」「前走グレイトフルS」などの好データ 成り上がれ、ヴェローナシチー

門田光生

日経新春杯の年齢別成績,ⒸSPAIA

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天皇賞(春)にもつながる一戦

2023年1月15日に中京競馬場で行われる第70回日経新春杯。11月のアルゼンチン共和国杯から始まり、ステイヤーズS、日経新春杯(例年は2400m)、ダイヤモンドSなど、冬場は長距離の重賞レースが目白押し。寒い時期は駅伝やマラソンが行われている光景をよく見かけるが、それと同じなのだろうか。

それはさておき、先は天皇賞(春)にもつながる重要なGⅡ競走。果たしてどのような傾向があるのか。今回も2013年から過去10回分の成績を基にして、データ分析をしていこう。

日経新春杯出走馬の所属,ⒸSPAIA
日経新春杯出走馬の性別,ⒸSPAIA
日経新春杯出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆所属、性別、年齢
連対馬20頭中、19頭が栗東所属馬。勝ち馬も10頭中、9頭が栗東所属。美浦所属馬で連対したのは、2019年の1着馬グローリーヴェイズだけ。

性別でも牡馬、セン馬が10勝、18連対。牝馬は参戦数が少ないこともあり、2着が2頭いるだけとなっている。なお、今年は登録の時点で牝馬はいなかった。

年齢別だと、8勝(11連対)している4歳馬が頭ひとつ抜けている。5歳、6歳から1頭ずつ勝ち馬が出ているが、7歳以上になると、該当する42頭すべてが馬券対象外と不振。

日経新春杯出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA
日経新春杯出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走クラスと主な前走
勝ち馬を出している条件は、2勝、3勝クラスと、GⅡ、GⅠ。前走オープンとGⅢからは1着馬が出ておらず、苦戦の傾向。連対馬で見ると、最も多く出ているのは3勝クラスの7連対(3勝)で、勝ち馬では前走GⅠ組の5勝(6連対)。

レース別だと、菊花賞(3勝)、ダービー(2勝)の3歳限定GⅠ組が強い。逆に古馬GⅠの代表格・有馬記念組は【0-1-0-4】、もっと悲惨なのはジャパンカップ組で【0-0-0-7】と全滅。また、3勝クラスのグレイトフルSからも2頭の勝ち馬が出ており、この点がほかの重賞と少し傾向が違っているところ。

日経新春杯出走馬のハンデ,ⒸSPAIA


☆ハンデ
ここでは19頭が連対している牡馬・セン馬のハンデを見ていく。大きく51キロ以下、52~56キロ、56.5キロ以上の3つに分けると、勝ち馬は52~56キロのハンデを背負った馬からしか出ておらず、56.5キロ以上、もしくは51キロ以下からは勝ち馬が出ていない。

特に51キロ以下だと連対馬も出ていない。56.5キロ以上に該当する17頭も、連対馬は1頭だけ(2022年2着ステラヴェローチェ)。56.5キロ以上背負うということは、それなりの実績がある馬。それを考えると、物足りない数字といわざるを得ない。

日経新春杯におけるその他のデータ,ⒸSPAIA


☆その他
そのほかで気になったデータを挙げてみる。このレースも年始の京都金杯と同じくハンデ戦らしく、前走着順がいいことは必ずしも結果に結びつくわけではないが、10着以下となると該当する47頭すべてが連対を外している。また、0.9秒以上負けている馬も、63頭中連対したのは2021年の2着馬ミスマンマミーア(新潟牝馬Sで1.4秒差)だけだった。

狙いどころの菊花賞組にも死角

日経新春杯のデータをまとめてみよう。まず好走率が上がるのはA「栗東所属馬」B「4歳馬」C「前走がダービーか菊花賞」。

勝率や連対率が下がってしまうのはD「前走がオープン、もしくはGⅢ」E「ハンデ56.5キロ以上」F「前走0.9秒以上の負け」。

過去10年で連対がないのはG「7歳以上」H「前走がジャパンカップ」I「ハンデ51キロ以下」J「前走10着以下」。

まずはハンデから見ていこう。今年は連対例がないI「ハンデ51キロ以下」はいないが、斤量の引き上げが行われたこともあってか、勝率0%、連対率5.9%のE「ハンデ56.5キロ以上」を課せられた馬は6頭。特に人気が予想されるヴェルトライゼンテは59キロ(近10年で該当なし。58キロは【0-0-1-4】)を背負ううえ、【0-0-0-7】と全く結果が出ていないジャパンカップ組。真っ先に消したい馬となってしまった。

ほかのデータも見ていこう。Aの「栗東所属」は、今年も登録馬の大半が当てはまるのでいったん置いておいて、B「4歳馬」C「前走がダービーか菊花賞」に該当する馬を見ていく。

今回でいえばプラダリアとヤマニンゼストが該当。ただ、今年の菊花賞はレコード決着で、4着以下は1秒以上の差がついていた。つまり、プラダリア(7着)もヤマニンゼスト(6着)も、マイナスデータであるF「前走0.9秒以上の負け」に引っかかる。過去に連対例はあるといえ、63頭中1頭だけで連対率1.6%では、さすがに本命にはできない。

3歳GⅠ以外で相性がいいレースを探すと、3勝クラスのグレイトフルS。【2-1-0-3】で、GⅡのステップレースとしては、3勝クラスがここまで結果を出しているのは異例。ここを経由してきたヴェローナシチーは好走率の高い4歳馬でもあり、今回はこの馬を本命としたい。

相手だが、菊花賞組のプラダリアとヤマニンゼストは外せない。あとは、結果の出ていないGⅢのなかで唯一連対馬を出している中日新聞杯組から、マイナスデータを持たないプリマヴィスタ、ハンデ以外に割引材料がないロバートソンキーを押さえたい。

◎ヴェローナシチー
◯ヤマニンゼスト
▲プラダリア
△プリマヴィスタ
×ロバートソンキー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
毎年、十日えびすで福笹をもらうたび、来年こそはたくさん吉兆(笹につける、米俵とか札とか)をつけようと思うのですが、それを「馬券で儲けたお金で」という考え自体が間違っているのかどうか。こういう仕事をしている以上は「あり」だと思うのですが、神様の判断はいかに。

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