【京成杯】Cアナライズからはセブンマジシャンを推奨! 血統、前走不利データなどあらゆる上積み見込める
貴シンジ
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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
前回の有馬記念ではエフフォーリアとイクイノックスを推奨し、前者は残念ながら5着に敗れた。太いと一部で話題になっていたが、パドックで確認して見ると決してそのようなことはなく、力を出し切っての敗戦だっただろう。成長とともに距離適性も短くなってきている印象を受け、今は2000m以下のレースほうが良さそうだ。
さて、今回は1月15日(日)中山競馬場で行われる京成杯について下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「好走&消しデータ」
・目には見えない上積みを探る「前走不利データ」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった9頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。
好走&消しデータ
◆前走新馬戦、もしくはGⅠ組が好走傾向
最初は前走クラスを見ていこう。意外なのはGⅠを除く重賞組から勝ち馬が出ていないということ。GⅡ【0-1-1-11】GⅢ【0-2-0-15】となっていて結果が出ていない。考えられる要因は重賞で勝ち負けするレベルの馬は暮れのGⅠに出走、そこに出走せずに京成杯を選択した馬は実力的に一枚劣ってしまうということだろうか。
相性が良いのは新馬戦組とGⅠ組。新馬戦は【3-1-3-13】で複勝率35.0%、全体で最も高い数字だ。GⅠは【2-0-0-7】となっており出走数自体多くはないが、サンプル9頭は全て前走GⅠで馬券外に負けた馬たちばかり、そんな中で勝率22.2%、単勝回収率227%は十分優秀だろう。
未勝利組は【1-4-3-24】、1勝クラス組は【3-2-3-32】で両クラスからも好走馬は出ているが、数が多いので率としては高くない。OP組は【1-0-0-9】で複勝率は最も低い。今回は新馬戦組とGⅠ組を好走データとして評価する。
【前走新馬戦、もしくはGⅠの出走予定馬】
・グラニット
・シーウィザード
・セブンマジシャン
・ソールオリエンス
◆負けた馬は着差が重要 0.6秒以上の大敗は減点
続いて前走2着以下に敗れた馬たちの着差について見ていく。前走負けた馬の全体成績は【4-4-3-66】だが、その内訳は0.5秒以内の敗戦が【3-4-3-23】、0.6秒以上の敗戦が【1-0-0-43】となっており、前走で大敗した馬は狙いにくい。なお0.6秒以上の敗戦で唯一好走したのは昨年の勝ち馬オニャンコポンのみ。前走はGⅠホープフルSだった。GⅠ競走以外の大敗は大幅な減点材料としたい。
【前走GⅠ競走以外かつ、0.6秒以上で負けた出走予定馬】
・オメガリッチマン
・シルバースペード
◆勝ち馬はキャリア4戦目まで
続いてはキャリア別の成績。1戦のみの馬は新馬戦組のデータと重なるので省略。それ以外で優秀なのは3戦の【5-5-2-30】で数で言えば最多の好走馬が出ている。2戦が【1-3-3-31】、4戦が【1-1-0-9】となっており、5戦以上走っている馬たちは【0-0-2-29】で勝ち馬は出ておらず、好走率も一気に下がる。キャリア5戦以上の馬は割引が必要だろう。
【キャリア5戦以上の出走予定馬】
・グラニット
・シルバースペード
◆注目血統はRoberto
血統面ではRobertoを持っている馬に注目したい。Robertoはパワーと機動力に富む種牡馬だ。ホープフルSでも同様の傾向は見られるが、明け3歳の馬たちが中山芝2000mというタフな舞台で走るためには重要な要素になる。
Robertoを持つ馬の成績は【5-4-7-38】で単勝回収率82.0%、複勝回収率98.0%となっている。京成杯では全頭買った場合、単勝回収率60.0%、複勝回収率61.0%と堅めのレースなので優秀な数字だ。
【Robertoを持つ出走予定馬】
・シャンパンカラー
・シルバースペード
・シルヴァーデューク
・セブンマジシャン
前走不利データ:ホープフルSのセブンマジシャン
セブンマジシャンは前走GⅠホープフルSからの臨戦、Roberto持ちと複数の好走データに該当しているが、前走不利データも持ち合わせている。2017年以降のホープフルSは前走1勝クラス組は【0-2-1-17】と成績が悪かった。
セブンマジシャンも2走前が黄菊賞(1勝クラス)でこのデータに当てはまっていた。そのホープフルSでは馬体も緩く、仕上がり途上と思える状態で0.4秒差の6着なら十分の内容。今回は間隔を詰めたことによる状態面の上積みと、データ面での上積みが見込めるだろう。
血統解説:セブンマジシャン、ソールオリエンス
・セブンマジシャン
日本での牝祖は4代母ラスティックベル。祖母はクロノロジストで、本馬はGⅠ・2勝のノームコアとGⅠ・4勝のクロノジェネシスの甥にあたるという良血馬だ。ラスティックベル牝系は上記2頭に留まらずGⅠで複数回2着があるフサイチエアデール、その産駒で朝日杯FS勝ちのフサイチリシャールなど活躍馬を多数輩出。現在の日本で広がる牝系の中でも上位の活力を有するファミリーと言っても過言ではないだろう。
ファミリーとしては芝適性が高く、末脚の持続性能が高いスタミナ豊富な馬が多いのが特徴だ。また仕上がりも早いため、この時期の3歳戦から狙っていけるだろう。本馬は母父がメイショウサムソンなのでタフでパワータイプ。2戦目の黄菊賞は重馬場だったがこの馬の良さが出た。冬場の時計がかかり始めた中山コースであれば好走可能だ。
・ソールオリエンス
日本での牝祖は母スキア。同馬は現役時フランスの芝中距離GⅢ・フィユドレール賞を勝利している実績馬。牝系を遡れば3代母Gleam of Lightの孫に英オークスなどGⅠ・5勝のLoveがおり牝系の活力も十分重賞級だろう。兄にディープインパクト産駒のヴァンドギャルドがいる通り、母系のデインヒルの影響も強く、早期からの活躍も可能だ。
一方MotivatorやRainbow Questも持ち合わせているため成長力も高い。新馬戦は前半1000m65秒の超スローペースを上がり3F33.3秒で勝ち切ったように瞬発力は十分。キタサンブラック産駒で重厚な母系を持ち、持続力比べになっても対応可能だろう。
データから導く推奨馬はセブンマジシャン
今回のコンプレックスアナライズではセブンマジシャンを推奨馬とする。前述の通り前走ホープフルSは仕上がり途上に見えたが6着と健闘。データを見ても今回は好転するだけに中心視したい。
他では好相性の新馬戦組で血統的にも素質が高いソールオリエンス、好走血統であるRobertoを持ち不利なデータがないシャンパンカラー、シルヴァーデュークも上位に評価する。レースでは上位人気が予想される馬たちばかりだが、このレースは堅いと読み、馬券を組み立てるのが吉だろう。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。現在はWEBサイト『サラブレッド研究所』でも執筆を行い、競馬予想のほか一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統も独自の切り口から分析している。
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